「異次元の少子化対策」への期待度は? パパ・ママの本音を大公開
経済的支援・サービス拡充・働き方改革…それぞれの政策への期待度を調査
2023.05.08
2023年1月に岸田政権が打ち出した「異次元の少子化対策」。3月31日には、こども政策担当大臣からたたき台『こども・子育て政策の強化について(試案)~次元の異なる少子化対策の実現に向けて~』が発表されました。そのキャッチーなネーミングもあり、かつてなく話題となっているようです。
この少子化対策に、子育て世帯はどれくらいの、またどのような期待を寄せているのでしょうか? 子育てまっただなかのパパ・ママたちを対象とした意識調査を実施しました。
コクリコラボアンケート「AnyMaMa(エニママ)」登録者およびコクリコメルマガ会員を対象に2023年3月2日~2023年3月13日インターネット上で実施。有効回答数は75件。
※基本的にアンケート回答の原文をそのまま記載しています。ただし文字数の都合上、一部抜粋や主旨を損なわない範囲の要約・編集を行っている箇所があります。(明らかな誤字等は修正のうえ記載)
コクリコとAnyMaMa LIFESTYLE.Labが協働で、子育て課題解決×読書文化を目指すプロジェクト「コクリコラボ」。
ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」で活躍するママたちのリアルな声を集めながら、新たなサービスや取り組み、ライフスタイルのアイデアを生み出していきます。
経済的支援、サービス拡充、働き方改革…子育て世帯の期待度はどれくらい?
「異次元の少子化対策」のたたき台では、政府が今後3年間で注力する具体的な政策として「ライフステージを通じた子育てに係る経済的支援の強化 」「全てのこども・子育て世帯を対象とするサービスの拡充 」「共働き・共育ての推進」「こども・子育てにやさしい社会づくりのための意識改革」の4つが掲げられています。
これらを踏まえて、今回のコクリコラボでは、少子化対策としての「経済的支援」「サービス拡張」「働き改革」への子育て世帯の期待度を調査しました。
経済的支援への期待度
経済的支援に関連する政策に「期待している」と回答したパパ・ママは37人(49.3%)。「期待していない」パパ・ママの数がわずかに上回る結果となりました。
少子化対策に関連する経済的支援のなかでも、特に話題に挙がることが多い「児童手当」。
筆者の個人的な感覚では、最近は「所得制限見直し」についての議論をSNSやニュースで耳にすることが多い気がしていましたが、今回の調査では「高校生までの対象拡大」に期待しているパパ・ママがもっとも多いことがわかりました。
なお、「そのほか(自由回答)」の回答者からは、
・以上の全項目および児童手当自体の増額。
・児童手当よりもっと収入が増える仕組みづくりをしてほしい。
などといった意見が集まりました。
サービス拡充への期待度
産前産後ケアや保育園・学童、一時預かりなど、子育てに関連するサービスの充実を掲げる「サービス拡充」について、「期待している」と回答したパパ・ママは49人(65.3%)。
まだまだ大多数とはいえないものの、経済的支援への期待度と比較して高い結果となりました。
続く質問「サービス拡張について、特に期待する施策は?」には、「保育の質の向上(保育士の配備基準や業務環境の改善)」と答えた回答者が24人と最多数に。
保育園を増やす必要性がかねてより叫ばれていますが、保育の質についても課題を感じているパパ・ママが多いようです。
「そのほか(自由回答)」には、
・子育ての初期にしか焦点が合っていないように感じる。
・子どもがどの年齢になっても子育てを楽しめるサービスがあればいいなと思う。
特定の年齢だけでなく、どの年齢の子どもにも支援の目を向けてほしいという回答や、
・サービスよりも、社会の意識を変えてほしい。迷惑をかけてはいけないとか、外出先や住まい環境で子連れが気にしないといけないという世論を変えてほしい。
子育てしやすい社会・環境づくりが必要だという意見が集まりました。
・子どもを産んでも安心して生活できると実感できる施策。
このように答えてくれたママがいましたが、突きつめるとここに行きつくのかもしれません。
働き方改革への期待度
子育て・少子化対策に関連する「働き方改革」についてのアンケートには、52人(69.3%)が「期待する」と回答。
今回調査した3つの政策のなかで、もっとも期待度が高い結果となりました。
特に期待する具体的な施策について質問アンケートでは、「自営業や非正規など育児休業の対象外の人への支援策(18人)」「産休育休後の職場復帰、キャリア確保支援(17人)」「男性の育児家事時間の短さにつながっている長時間労働の是正(15人)」と3つの回答数がほぼ並ぶ結果に。
そのあとに、「男性の育休取得の促進策(7人)」「特に期待することはない(5人)」が続きました。
この結果から、仕事と子育ての両立を難しくしている問題は複数存在することがうかがえます。
「そのほか(自由回答)」には、
・幼稚園へ通わせながら短時間で働くことのできる働き方や、長期休暇中のおやすみが取れる職場を増やすといった柔軟な働き方の後押し。
・フレックスタイム制や子育て中のママが休みやすい仕組みづくり。
・自由な時間で働ける、リモートで働ける場の拡大。
これらのような、子育てと両立しやすい柔軟な働き方の浸透や、後押しを望む声が多く寄せられました。
・一度仕事を辞めて育児に専念したあとでも、社会復帰できる。
・一時的に離職した人への再就職支援。
また、子育てで一度キャリアを離脱したママの社会復帰支援を希望する回答も目立ちました。
子育て世帯の少子化対策に対する期待度は、現状それほど高くない
今回の意識調査の結果をみて、筆者は「政策への期待度が意外と低い」と感じました。みなさんはどう感じたでしょうか。
気軽に情報を取り入れられるSNSやテレビなどのツールを使用しているパパ・ママは多いと思いますが、そこでは政治がネガティブな論調で語られることが多い気がします。
そういった風潮に踊らされて「政治はあてにならない」と諦めることがないように、正しい情報収集を意識していきたいと思います。
コクリコラボ
コクリコとAnyMaMa LIFESTYLE.Labが協働で、子育て課題解決×読書文化を目指すプロジェクト「コクリコラボ」。 ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」で活躍するママたちのリアルな声を集めながら、新たなサービスや取り組み、ライフスタイルのアイデアを生み出していきます。 (Any MaMaについてはこちら:anymama.jp Twitter: @AnyMaMaJP )
コクリコとAnyMaMa LIFESTYLE.Labが協働で、子育て課題解決×読書文化を目指すプロジェクト「コクリコラボ」。 ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」で活躍するママたちのリアルな声を集めながら、新たなサービスや取り組み、ライフスタイルのアイデアを生み出していきます。 (Any MaMaについてはこちら:anymama.jp Twitter: @AnyMaMaJP )