2023年度は新型コロナウイルス感染症が第5類に位置づけられ、園や学校での生活もコロナ禍の状況から脱却し始めた1年でした。ただコロナ禍中を改めて振り返ってみると、ママにとってモヤモヤが残ることはたくさんあるのではないでしょうか。そこで今回は、ママたちがコロナ禍中に抱えていたモヤモヤを聞き、さらに気持ちの切り替え方法を聞きました。
目次
コクリコラボアンケート「AnyMaMa(エニママ)」登録者およびコクリコメルマガ会員を対象に 2023年12月8日~12月22日インターネット上で実施。有効回答数は115件。
※基本的にアンケート回答の原文をそのまま記載しています。ただし文字数の都合上、一部抜粋や主旨を損なわない範囲の要約・編集を行っている箇所があります。(明らかな誤字等は修正のうえ記載)
コクリコとAnyMaMa LIFESTYLE.Labが協働で、子育て課題解決×読書文化を目指すプロジェクト「コクリコラボ」。
ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」で活躍するママたちのリアルな声を集めながら、新たなサービスや取り組み、ライフスタイルのアイデアを生み出していきます。
約7割のママがモヤモヤしたコロナ禍の集団生活
まずはママたちに「コロナ禍中の園や学校生活でモヤモヤしたことはありますか」とアンケートを取りました。その結果、74%のママが「ある」と回答し、26%のママが「ない」と回答しました。「モヤモヤしたこと」の内訳を聞いた結果が、以下のグラフです。
園や学校の行事や活動から複数選択で回答してもらったところ、運動会が1位、給食が2位という結果となりました。3位は同数で、入園・入学式や卒園・卒業式などの式典でした。めったにない晴れ舞台である運動会や式典と並び、日常生活の「給食」がモヤモヤのトップ3に入っているのが印象的です。
手抜き感のある運動会、復活しないお泊まり会 コロナ禍のモヤモヤとは
コロナ禍中にモヤモヤしたことについて、具体的なエピソードを聞いたのでご紹介します。
・次男4年生の宿泊体験が中止になった。いろいろな行事が中止になったけど、すべての学校が中止にしているわけではなく、学校によっては宿泊したりしていて学校判断なのがモヤモヤした。
近隣の学校では同じ学年の子が体験できたことを、我が子は体験できないとモヤモヤしますね。先生も苦渋の決断だと思いますが、県や市町村などが中止にする際のガイドラインなどを示してくれれば、と感じるケースでした。
・中学生の子どもは、本人は元気なのに家族が感染し、濃厚接触者となったので、定期テストを受けられなかった。数ヵ月後には政府の方針が変更となり、自宅待機期間が大幅に縮小された。あのときにせっかく頑張って試験勉強していたのに受けさせてもらえなかったのは一体何だったのかと悔しかった。
高校受験に向け、定期テストの結果が反映される内申書も大切な時期。数ヵ月の差なのに、政府の方針で対応に大きな差が出てしまったとしたら、やり場のない悔しさがありますね。
・運動会が学校行事で一番盛り上がるはずなのに、短縮やら学年別にしたことにより、校庭の飾り付けも質素になり、先生の手抜きのように感じた。学年別にするからこそ、飾り付けやら先生たちがもっと盛り上がるように努力しないといけないのでは? ともやもやしていた。
運動会そのものが短縮や学年別分散になったことではなく、「手抜き」と感じたところにモヤモヤしたという声です。同じような意見は座談会でも寄せられました。
・アフターコロナなのに、お泊まり会がお楽しみ会に変わった。問い合わせると「泣く子もいるし…」と話がすりかわっている。「親と離れて泣いても、その子の成長になる」という目的だったはずなのに、とモヤモヤ。母たちが署名を集めても、園長は変わったことに対して覆す気がない、という主張でなぜそんなに頑ななのかと思う。(小2・年少の女の子のママ)
ママにとっては、成長の機会だと楽しみにしていた「お泊まり会」。園としてはコロナ禍をきっかけに「お楽しみ会」に変わったことを覆す気がないようです。従来の目的を否定するような理由を挙げたり、署名を集めているのに真摯な対応をしてくれなかったりする点にモヤモヤしますね。
・入学して3年間ずっと、給食が完全黙食(机もくっつけない)だったので、ただ黙々と食べている姿を想像したら悲しくなった。家では家族の会話を大事にしていたのでつまらなくないかなと心配していたが、子どもは入学してすぐコロナ禍体制になったのでそれが普通だと思い大丈夫だった。しかし、4年生になりおしゃべりが解禁されたらとても嬉しかったようだ。やはりみんなで食べるご飯は美味しいと言っていた。
コロナ禍中のモヤモヤ第2位にランクインした給食についてもたくさんの意見が寄せられました。今もなお、黙食や机をつけないルールや風潮が続いている園や学校もあるようです。アフターコロナのモヤモヤはほかにも。
・登校する際、一言も発せず一列に並び真っ直ぐ登校するというルールが出来てしまった。朝の時間、殺伐としている。
コロナ禍以降「おしゃべり=飛沫=悪」という図式が植えつけられたという声です。朝から殺伐としている光景はかわいそうだと感じます。
モヤモヤはこうやって切り替えた!
想像以上に深いモヤモヤを抱えるママたち。アンケートでは最後に「モヤモヤを乗り越えた経験、ポジティブな声かけや考えかた、気持ちの切り替えかた」について聞いてみました。
・厚生労働省の指針を保育園に伝えて、マスクは任意としてもらった。
・運動会の花形競技のリレーがなくなってしまったが、先日校長先生とお話しして復活させる方法を聞き、今働きかけている。
モヤモヤの要因に対して思い切って行動を起こしたママの経験です。特殊な状況のなか、声を上げるのは勇気が必要だったと推察します。
・モヤモヤ自体は解消されていないが、コロナ禍で変わったいいこともあるのだから! と言い聞かせて乗り切っている。
・ポジティブな側面もたくさんあったので、そちらに目を向けるようにしました。
モヤモヤしているときはネガティブなことに意識が向きがち。ポジティブな変化を書きだしてみるのもいいかもしれません。
・世界が変わってしまったら、自分も変わってしまえばいいという、『あつかったらぬげばいい』という絵本のメッセージによって、変化が苦手な自分も変わっていく世界に少しずつ順応していったように思えます。みんな初めてのことで戸惑いながらも、家族との時間を大切にしていこうと思っていました。
大変な状況ではありましたが、そこに順応したことや価値観が変容したことをポジティブにとらえているママもいました。ほかにも多くのママが緊急事態宣言などで家にいる時間が増えた結果、「家族で過ごす時間」をとれたことは貴重だったと話してくれました。
参考: 『あつかったらぬげばいい』
・「うちはうち、よそはよそ」を心がけた。どこまで対応するか、背後にある環境はさまざまなので、相手をよく知るようにして、外で会ったときは積極的に挨拶をして簡単な会話をできるようにした。知ることで気遣いも生まれるものだと実感した。
「密」を避けた結果、コミュニケーションや人間関係にネガティブな変化が起きたことは今回の特集でもお伝えしたとおり。アフターコロナの今、最低限のコミュニケーションをすることで相手を尊重し、いい関係性を築いていきたいですね。
ママたちを集めた座談会でも、先輩ママからコミュニケーションの大切さが語られました。
・今までは休みの日に幼稚園や学校の友達同士で集まって遊んでいたが、コロナ禍は集まりづらくなり、そもそも集まろうと声をかけてもいいのか迷いがありました。あるとき子どものお母さん同士で話したら、実はみんな同じように思っていたことがわかり安心しました。コミュニケーションをとるのがすごく大切だと思いました。(中3・小6の女の子、小3・年少の男の子のママ)
今こそ「密」をおそれずコミュニケーションを復活させよう
感染症拡大を防ぐためのSTAY HOMEや密を避ける生活が、気づけば「内にこもる」風潮になっているように思います。価値観の違いによる衝突を避けたいがあまり、ママもモヤモヤや悩みを抱えたまま「内にこもる」癖がついてしまったかもしれません。
今回、モヤモヤの乗り越えかたを答えてくれた先輩ママたちから学んだのは、行動を起こしたりコミュニケーションをとったりすることの大切さです。アフターコロナの今、みなさんが少しずつコミュニケーションを増やして、モヤモヤを溜めずに日常に戻っていければといいなと願っています。
コクリコラボ
コクリコとAnyMaMa LIFESTYLE.Labが協働で、子育て課題解決×読書文化を目指すプロジェクト「コクリコラボ」。 ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」で活躍するママたちのリアルな声を集めながら、新たなサービスや取り組み、ライフスタイルのアイデアを生み出していきます。 (Any MaMaについてはこちら:anymama.jp Twitter: @AnyMaMaJP )
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