親は必読!小学生の家庭学習は「学びを日常生活につなげる」のがカギ

子どもの「やりたい!」を引き出す家庭学習のヒント#1

高村 ミチカ

集中力には限界がある!?ちょっとずつを毎日続けよう

もうひとつ多い質問が「どれくらい勉強したらいいのか」という学習時間に関すること。

親心としては、「長い時間取り組んでほしい」と思うかもしれません。しかし、人間の集中力には限界があり、子どもの集中力は45分と言われています。そのうち、深い集中ができるのは15分。

そのため、学校では45分の授業時間を15分ずつに分けるモジュール学習という考え方があるほどです。

基本は15分を単位にして、学年や子どもの実態に応じて増やしていくといいでしょう。低学年は15分、中学年は15分×2=30分、高学年15分×3=45分が目安。1日に何時間も続けてやるよりは、毎日少しずつでも続けることが大切です。

さらに、始めの15分は漢字練習、次の15分は計算練習、最後の15分は読書というように、内容を次々と変えていき、短い時間で集中する意識をつけるとさらに効果が上がります。

また、この手法は「自分で学習時間を管理している」と子どもに思わせる意味でも大事なことです。子どもが、「自分で決めた時間に終わらせる」という意識を持てると、自律的な学習意欲につながるのです。

親は子どものサポーター

親は手伝うのではなく、子どもの学習を見守る姿勢で。
写真:アフロ

家庭学習で子どもと関わるとき、「子どものサポーターだ」と思うとうまくいきます。子どもが学習をしやすいようにサポートしてあげるのです。たとえば、次のようなことをやってみましょう。

・やる気をほめること
「できたこと」だけではなく「やろうとしたこと」をほめるのがポイント。やる気をほめてあげることで、できなかった時も次に頑張ろうという気持ちにつながります。

・できるようになったことを一緒に喜ぶこと
うれしいという気持ちを共有することで、子どもの心に残りやすくなります。成功体験として記憶されるので、自信がアップ。

・テレビを消すなど静かに学習に取り組める環境づくり
学習環境づくりには家族の協力が欠かせません。できるなら、お家の人も仕事をしたり、本を読んだりするなど、一緒に勉強する雰囲気をつくりましょう。

・子どもが困ったときに、アドバイスをすること
横で見ていると、ついアドバイスをしたくなるのが親心。そこはグッと抑えて、子どもからヘルプが出たときだけ、アドバイスをしてあげるようにしましょう。

親はあくまでサポーター。プレイヤーではありません。目標を決めたり、時間を管理したりするのも、プレイヤーである子どもがすることです。親は、応援する気持ちで子どもの学習を見守るようにしてください。

今回は、「子どもの学びをサポートするために大切なこと」についてお話ししました。

第2回は、子どものタイプ別に、おすすめの家庭学習の方法を紹介します。

取材・文/高村ミチカ

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たかむら みちか

高村 ミチカ

教育専門家

東京学芸大学教育学部卒業後、公立小学校に3校勤務し、11年間担任を務める。1〜6年生まで全ての学年を経験。主に国語科を中心に授業研究を行い、子どもが主体的に学ぶ姿を目指した。独自の授業プランが評価され、「教育技術」等教員向けの雑誌の記事執筆経験もある。 現在は、ライターとして活動する傍ら、教員の経験を生かし、オンライン相談サービス「ウチのこは」で教育専門家として活動中。子どもに関することでお悩みの保護者の方や教員の方からの相談を受けている。 ◯教育実践の執筆 ・雑誌「教育技術」(小学館) ・「学力がグーンとアップする!自学力育成プログラム」(明治図書出版) ・「子どもが輝くいい授業作り」(東洋館出版) ・「『見方・考え方』を働かせる実践事例&プラン」(東洋館出版)

東京学芸大学教育学部卒業後、公立小学校に3校勤務し、11年間担任を務める。1〜6年生まで全ての学年を経験。主に国語科を中心に授業研究を行い、子どもが主体的に学ぶ姿を目指した。独自の授業プランが評価され、「教育技術」等教員向けの雑誌の記事執筆経験もある。 現在は、ライターとして活動する傍ら、教員の経験を生かし、オンライン相談サービス「ウチのこは」で教育専門家として活動中。子どもに関することでお悩みの保護者の方や教員の方からの相談を受けている。 ◯教育実践の執筆 ・雑誌「教育技術」(小学館) ・「学力がグーンとアップする!自学力育成プログラム」(明治図書出版) ・「子どもが輝くいい授業作り」(東洋館出版) ・「『見方・考え方』を働かせる実践事例&プラン」(東洋館出版)