子どもには助言せずに相談に乗る <小学校中・高学年>家庭学習のコツ

子どもの「やりたい!」を引き出す家庭学習のヒント#4

高村 ミチカ

小学校3年生以上になると、だんだん好き嫌いや自己主張が激しくなり、お家の人に反発するようになります。
「なかなか自分から勉強してくれない」「一緒に勉強するのを嫌がる」

そんな風に感じているお家の方に向けて、元小学校教員で現在オンライン相談サービス「ウチのこは」で相談員を務める高村ミチカさんが、家庭学習のお悩みに答える本連載。

子どもの「やりたい」を引き出す家庭学習のヒントとは?

第2回「子どもの力を伸ばすコツコツ型・ワクワク型 家庭学習の実践方法とは」では、家庭学習には、知識・技能を定着させる「コツコツ型」と、学びを日常生活につなげる「ワクワク型」があるとご紹介しました。

今回は、小学校の中・高学年(3〜6年生)向けの「コツコツ型」「ワクワク型」、それぞれの学習方法についてお伝えします。お子さんへの声がけのヒントにしてみてください。(全4回の4回目/#1#2#3を読む)

中・高学年向け「コツコツ型」のオススメ学習法

中・高学年の「コツコツ型」は予習・復習がカギ。
写真:アフロ

中・高学年の「コツコツ型」学習法のキーワードは「予習」「復習」です。「予習」で授業への理解度をさらに高め、「復習」で知識・技能の定着を図ります。

特に、中学年以上になると学習内容が増えるため、学習したことを子どもの中に落とし込むためにも、「予習」「復習」の習慣づけが重要になってきます。

予習はまず教科書を読むことから

「予習」の初めの一歩は、「教科書を読むこと」です。学年だよりで示されている学習予定に合わせて、学校で学ぶより先に教科書を読んでおくといいでしょう。教科書を読み、事前に授業でやる学習内容を把握しておくことで、自分で考える力をつけることができます。

教科書を読むときには、次のようなことを意識すると効果的です。

・大事だと思うところに線を引く
大事だと思ったところは線を引きながら読むといいでしょう。ただ読むだけではなく、手を動かすことで頭に残りやすくなります。

・疑問に思ったところに線を引く
「わからないところがどこか、わかること」が予習で一番大切なポイント。「わからないこと」を事前にピックアップしておけば、授業で集中して聞くタイミングを逃さないからです。授業中ずっと集中できればいいのですが、なかなかそうはいかないのが子どもです。事前に「ここ知りたい!」というポイントがあると、授業中に興味をもって話を聞くことができます。

・わからない言葉は調べる
わからない言葉は、事前に調べておくことで、授業中のつまずきを防ぐことができます。3年生で国語辞典の使い方の学習をするので、わからない言葉が出てきたら、積極的に辞書を引く習慣をつけるといいでしょう。

復習はその日のうちに

どんなに授業に集中していても、授業だけで100%知識・技能を定着させるのは不可能です。なぜなら、人は忘れる生き物だからです。一度忘れてしまったものを思い出すのには、大きな労力がかかります。そして、再び覚える労力を減らすためにも、記憶がまだ残るその日のうちに復習をすることが大切です。

復習をするときには、次のようなことを試してみましょう。

・間違えた問題にチャレンジ
授業中につまずいた問題やテストで間違えた問題があれば、同じ問題でいいので、もう一度挑戦するといい復習になります。授業で練習問題に取り組むときには、間違えたところに印をつけるようにしておくと、復習がしやすくなるのでオススメです。

解き方が分からないまま、他の問題にチャレンジしても、結局答えがわからずに挫折してしまいます。まずは、同じ問題を繰り返し解くことで、「問題の解き方」を身につけることが大切です。

・ノートを読んで授業を思い出す
その日に受けた授業のノートを読み返すのも大事な復習です。ただ読み返しているだけだと、頭に入ってこないので、大事なところに印をつけたり、気づいたことを書き加えたりしながら読むといいでしょう。オリジナルのキャラクターを作って、「ここがポイント!」などと書き加えていくと、自分だけの参考書になります。

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