2つのコンプレックスで不登校に 吉藤オリィさんを「ロボット開発者」に変えた「憧れ」「目標」との出会い

シリーズ「不登校のキミとその親へ」#2‐3 分身ロボット開発者・吉藤オリィ氏~人生を変えた出会い~

ロボットコミュニケーター:吉藤 オリィ

分身ロボットカフェで飲み物を運んだり接客をするOriHime D。人間による遠隔操作で、楽しい会話ができる。  写真:日下部真紀

当たり前のことができないからこそ できることがある

日本に帰ってから「自分は何のために生きているんだろう」と考えました。カッコよくて高性能の車椅子をつくることは楽しいしやりがいもあったったけど、どこかに「これじゃない」という違和感があった。

不登校の経験や、そのときに私が感じたことを突き詰めていくうちに「自分の人生を『孤独の解消』に捧げたい」と思うようになったのです。

そしたら、生きることが一気に楽になった。「どうして自分は生きているのか」という悩みや迷いがなくなったのです。車椅子の研究を通じて、世の中は意外とちゃんとできていない、まだまだ改良の余地がたくさんあることを知った。

「当たり前のことができない自分」でも、世の中も完璧じゃない、なら自分にできることがもしかしたらあるかもしれないという発見がありました。

熱中することが見つかれば、他の人にはできないことができるようになり、自分だからできることがあると考えられるようになりました。

もしあなたが、不登校を続けている自分やクラスメイトと同じことができない自分を責めて、苦しい思いをしているとしたら、その必要はまったくないと強く言いたい。

これだけ激しく変化している世の中で、「人と同じことができる能力」なんてたいした意味を持ちません。

「人と同じことができない」「人と違っている」ということこそが、大きな武器になる。あなただからできること、あなたにしかできないことが必ずあります。

人は怖いですが、世界は広い。人と出会ってください。あなたを必要としているコミュニティは必ず見つかります。


取材・文/石原壮一郎

サステナブル(続ける)をテーマに、オリィさんの開発した「OriHime」、魚を逃がす漁師、しあわせを運ぶチョコレートなど、ノンフィクションストーリー3本を記した『世界でいちばん優しいロボット』(岩貞るみこ/講談社)
オリィさんの大人気講義「これからの時代に知っておくべき考え方」を書籍化した『ミライの武器 「夢中になれる」を見つける授業』(吉藤オリィ/サンクチュアリ出版)

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【関連サイト】
オリィ研究所公式HP
分身ロボットカフェ「DAWN」Ver.β公式HP
・X(旧Twitter)オリィ研究所@人類の孤独を解消する 
@OryLaboratory
・X(旧Twitter) 分身ロボットカフェ『DAWNver.β』 
@DAWNcafe2021
・X(旧Twitter) 吉藤オリィ@分身ロボット 
@origamicat

22 件
よしふじ おりぃ

吉藤 オリィ

Ory Yoshifuji
ロボットコミュニケーター

1987年奈良県生まれ。株式会社オリィ研究所共同創設者代表取締役 所長。ロボットコミュニケーター。分身ロボット開発者。 小学5年から中学2年まで不登校。高校時代に電動車椅子の新機構の発明に関わり、2004年の高校生科学技術チャレンジ(JSEC)で文部科学大臣賞を受賞。翌2005年にアメリカで開催されたインテル国際学生科学技術フェア(ISEF)に日本代表として出場し、グランドアワード3位受賞。2022年、コンピューター界のアカデミー賞と言われる世界的な賞「アルスエレクトロニカ ゴールデンニカ」ほか、受賞多数。 「孤独の解消」を人生のテーマと定め、高専で人工知能を学んだ後、早稲田大学にて自身の研究室を立ち上げる。その後、対孤独用分身コミュニケーションロボット「OriHime」を開発。株式会社オリィ研究所を設立し、「OriHime」のほか、ALS等の難病患者向け意思伝達装置「OriHime eye」、車椅子アプリ「WheeLog!」、分身ロボットカフェなどを開発提供。 2016年には「Forbes誌が選ぶアジアの30歳未満の30人」に選出。「第24回文化庁メディア芸術祭」エンターテインメント部門ソーシャルインパクト賞(2021)、「グッドデザイン賞2021」グッドデザイン大賞(2021)、「アルス・エレクトロニカフェスティバル」ゴールデン・ニカ賞(2022)などを受賞。趣味は折り紙。 著作に『「孤独」は消せる。』(サンマーク出版)、『サイボーグ時代』(きずな出版)、『ミライの武器 「夢中になれる」を見つける授業』(サンクチュアリ出版)など。 オリィ研究所公式HP  X(旧Twitter):吉藤オリィ@分身ロボット @origamicat

1987年奈良県生まれ。株式会社オリィ研究所共同創設者代表取締役 所長。ロボットコミュニケーター。分身ロボット開発者。 小学5年から中学2年まで不登校。高校時代に電動車椅子の新機構の発明に関わり、2004年の高校生科学技術チャレンジ(JSEC)で文部科学大臣賞を受賞。翌2005年にアメリカで開催されたインテル国際学生科学技術フェア(ISEF)に日本代表として出場し、グランドアワード3位受賞。2022年、コンピューター界のアカデミー賞と言われる世界的な賞「アルスエレクトロニカ ゴールデンニカ」ほか、受賞多数。 「孤独の解消」を人生のテーマと定め、高専で人工知能を学んだ後、早稲田大学にて自身の研究室を立ち上げる。その後、対孤独用分身コミュニケーションロボット「OriHime」を開発。株式会社オリィ研究所を設立し、「OriHime」のほか、ALS等の難病患者向け意思伝達装置「OriHime eye」、車椅子アプリ「WheeLog!」、分身ロボットカフェなどを開発提供。 2016年には「Forbes誌が選ぶアジアの30歳未満の30人」に選出。「第24回文化庁メディア芸術祭」エンターテインメント部門ソーシャルインパクト賞(2021)、「グッドデザイン賞2021」グッドデザイン大賞(2021)、「アルス・エレクトロニカフェスティバル」ゴールデン・ニカ賞(2022)などを受賞。趣味は折り紙。 著作に『「孤独」は消せる。』(サンマーク出版)、『サイボーグ時代』(きずな出版)、『ミライの武器 「夢中になれる」を見つける授業』(サンクチュアリ出版)など。 オリィ研究所公式HP  X(旧Twitter):吉藤オリィ@分身ロボット @origamicat

いしはら そういちろう

石原 壮一郎

コラムニスト

コラムニスト。1963年三重県生まれ。月刊誌の編集者を経て、1993年に『大人養成講座』でデビュー。以来、数多くの著作や各種メディアでの発信を通して、大人としてのコミュニケーションのあり方や、その重要性と素晴らしさと実践的な知恵を日本に根付かせている。女児(2019年生まれ)の現役ジイジ。 おもな著書に『大人力検定』『コミュマスター養成ドリル』『大人の超ネットマナー講座』『昭和だョ!全員集合』『大人の言葉の選び方』など。故郷の名物を応援する「伊勢うどん大使」「松阪市ブランド大使」も務める。ホンネをやわらげる言い換えフレーズ652本を集めた『【超実用】好感度UPの言い方・伝え方』も大好評。 林家木久扇がバカの素晴らしさを伝える『バカのすすめ』(ダイヤモンド社)では構成を担当。2023年1月には、さまざまな角度のモヤモヤがスッとラクになる108もの提言を記した著書『無理をしない快感 「ラクにしてOK」のキーワード108』(KADOKAWA)が発売。 2023年5月発売の最新刊『失礼な一言』(新潮新書)では、日常会話からメール、LINE、SNSまで、さまざまな局面で知っておきたい言葉のレッドラインを石原壮一郎氏がレクチャー。 写真:いしはらなつか

コラムニスト。1963年三重県生まれ。月刊誌の編集者を経て、1993年に『大人養成講座』でデビュー。以来、数多くの著作や各種メディアでの発信を通して、大人としてのコミュニケーションのあり方や、その重要性と素晴らしさと実践的な知恵を日本に根付かせている。女児(2019年生まれ)の現役ジイジ。 おもな著書に『大人力検定』『コミュマスター養成ドリル』『大人の超ネットマナー講座』『昭和だョ!全員集合』『大人の言葉の選び方』など。故郷の名物を応援する「伊勢うどん大使」「松阪市ブランド大使」も務める。ホンネをやわらげる言い換えフレーズ652本を集めた『【超実用】好感度UPの言い方・伝え方』も大好評。 林家木久扇がバカの素晴らしさを伝える『バカのすすめ』(ダイヤモンド社)では構成を担当。2023年1月には、さまざまな角度のモヤモヤがスッとラクになる108もの提言を記した著書『無理をしない快感 「ラクにしてOK」のキーワード108』(KADOKAWA)が発売。 2023年5月発売の最新刊『失礼な一言』(新潮新書)では、日常会話からメール、LINE、SNSまで、さまざまな局面で知っておきたい言葉のレッドラインを石原壮一郎氏がレクチャー。 写真:いしはらなつか