ChatGPTに「子どもが希望する仕事」で対話! 親が身に付けたい「質問のコツ」とは

次世代教育クリエイター・鈴木敏恵さんに聞く、子育て中の親が心得ておきたい「チャットGPTの使い方」 #3 具体的な質問から豊かな答えへの導き方

次世代教育クリエイター:鈴木 敏恵

ChatGPTと対話を深めるためには、どのような質問の仕方をするのがいいのでしょうか?  写真:アフロ

「意志ある学び」をテーマに、教育の未来について提言する次世代教育クリエイター・鈴木敏恵さんによる「ChatGPT」のススメ。2回目では、ChatGPTによって日本の教育はどう変わっていくべきか、子どもが培っておくべき能力についてお話しいただきました。

最終回となる3回目では、実際にChatGPTに質問を投げかけてみました。テーマは「子どもが希望する将来の仕事について」。ChatGPTと対話を深めるためには、どのような聞き方をするのがよいのでしょうか?

質問の仕方のコツと、質問に対して的確な対話を生むための方法を鈴木さんに解説していただきます。


(全3回の3回目。1回目を読む2回目を読む

鈴木敏恵(すずき・としえ)
次世代教育クリエイター、一級建築士、「シンクタンク未来教育ビジョン」代表。国立大学法人北海道教育大学(教職論)PBL特別講師。「意志ある学び─未来教育」をコンセプトに、プロジェクト学習、ポートフォリオ、対話コーチングなどを融合させた次世代教育の設計思想から実施を全国展開。AI(artificial intelligence)時代の教育、次世代プロジェクト学習の構想・提唱。

看護師になりたいわが子にどんな言葉をかけたらよいか

──小学校の高学年や中学生になると、将来どんな仕事に就きたいか、親子で話し合う機会が出てきます。例えば、将来「看護師」になりたいと子どもが言っているとします。親としては、応援するだけでなく、より良い助言もしてあげたいもの。そこで、ChatGPTにアドバイスを求めたいのですが、入力する際に気を付けるべき点はありますか。

鈴木敏恵さん(以下、鈴木さん):ただ単に、「どうしたら看護師になれますか」だけでは、おそらく「よりよい助言」のためのアドバイスは得られません。より的確な回答を得るためには、質問の仕方に少しコツがいります。

具体的には、次の「前提・対象・目的」の3つが大切になってきます。
では、質問の例をあげて見ていきましょう。

【質問者】
子どもが看護師を目指して学んでいます。この子を愛する親として、どんな言葉をかけたらいいと思いますか?

鈴木さん:「前提」は、「子どもが看護師を目指している」ことをさします。「対象」とは“誰に向けて回答が欲しいのか”ということなので、ここでは「この子を愛する親」への回答となります。そして「目的」は、「子どもにどんな言葉をかけたらいいと思いますか(教えて欲しい)」ということです。

すると、ChatGPTは次のような、役立つアドバイスを回答してくれました。

【ChatGPT】
あなたの子どもが看護師を目指して学んでいることを素晴らしいと思います。彼らの選んだ道に誇りを持ち、次のような言葉をかけてみてはいかがでしょうか?

1.あなたは素晴らしい仕事を選びました。看護師として、多くの人々の命を救うことができるでしょう。

2.私はあなたが自分の情熱と才能を生かしていることを嬉しく思います。あなたの努力と献身は周りの人々に感銘を与えるでしょう。

3.看護師としての役割は大きな責任を伴いますが、私はあなたがそれに向き合う力を持っていると信じています。

4.あなたのやさしさと思いやりは、患者さんにとって本当に重要なものです。彼らがあなたのケアを受けることで、安心感と癒やしを得るでしょう。

5.道は険しいかもしれませんが、信じて進んでください。あなたの努力と学びの成果が必ず報われる日が来るはずです。

6.私はあなたのサポート者であり、常にあなたの味方です。困難なときでも、私はあなたの傍にいて応援します。

7.あなたの夢を追いかける勇気と決意に感銘を受けています。自信をもって進んでください。

8.あなたが看護師として成長していく姿を見るのが楽しみです。どんな困難に直面しても、あなたは乗り越える力を持っています。

以上のような言葉で、あなたの子どもを励まし、彼らの夢を応援してあげてください。

【質問者】
ありがとうございます。本人もまだ進路を少し迷っているようです。

【ChatGPT】
進路に迷うことは自然なことです。あなたの子どもが迷っているときには、次のような言葉をかけてみてください。

1.迷うことは普通です。大切なのは自分自身と向き合い、自分の心の声に耳を傾けることです。どんな選択をするにせよ、私はあなたをサポートします。

2.進路を決めるのは難しい決断ですが、一歩一歩進んでいくことで新たな発見や成長の機会が待っています。

3.多くの人が進路選択に迷います。迷っている時間は無駄ではありません。自分自身を知るために必要な時間でもあります。

4.誰もが最初は迷いながら進んでいくものです。他の人がどのような進路を選んだかにとらわれず、自分自身の興味や情熱に向かって進んでいってください。

5.自分の将来を見据えるとき、自分が本当にやりたいことや得意なことにフォーカスして考えてみてください。それがあなたにとっての幸せな道かもしれません。

6.迷ったり間違えたりすることは自然なことです。進むべき道が見えなくても、経験と学びを積み重ねながら自分自身を成長させることができます。

7.迷いながらも進むことで、自分自身の強さや柔軟性を発見できるかもしれません。大事なのは諦めずに前に進むことです。

8.どの道を選ぶにせよ、あなたは素晴らしい才能と資質を持っています。信じて自分の感覚に従って進んでいってください。

彼らが進路を見つけるために時間をかけることは大切です。あなたのサポートと理解を示しながら、彼らが自分自身と向き合い、最良の選択を見つけられるようにしてあげてください。

鈴木さん:続いて、少し質問を変えてみましょう。

【質問者】
看護師になるために、「(4年間学んで国家試験を受けることができる)看護学部のある大学」か、「(3年生で国家試験を受けることができる)看護専門学校」か迷っているようです、アドバイスをいただけますか?

【ChatGPT】
看護学部のある大学と専門学校のどちらかを選ぶかは、個人の状況や目標によって異なります。以下は、それぞれの選択肢のメリットと考慮すべき要素です:

看護学部のある大学を選ぶ場合:

・看護学部では、より幅広い教育や学問的なアプローチが提供されます。基礎的な看護学の知識だけでなく、科学的なバックグラウンドや研究のスキルも身につけることができます。

・大学の環境では、学生同士の交流や異なる学問領域への触れ合いも多くあります。看護以外の知識や視野を広げる機会も得られるでしょう。

・大学卒業後には、病院や医療機関だけでなく、研究や教育、管理職など、さまざまな職場やキャリアの選択肢が広がります。

看護専門学校を選ぶ場合:

・看護専門学校では、より実戦的な看護スキルを重視した教育が行われます。実習や臨床経験を通じて、現場での実際のケアに携わる経験を豊富に積むことができます。

・専門学校のカリキュラムは短時間で学ぶことができ、早く実際の看護師としてのキャリアをスタートさせることができます。

・看護師としての実戦的なスキルや経験を重視し、すぐに現場で働きたい場合に適しています。

どちらの選択肢が良いかを決める際には、以下の要素を考慮してみてください:

・自分の学習スタイルや目標に合った教育方法はどれか?

・経済的な面や時間の制約はあるか?

・大学での学問的な環境やキャリアの幅広さを重視するか、実戦的な看護スキルを早く身につけることを重視するか、どちらが自分にとって重要か?

・将来のキャリアの展

鈴木さん:このように、回答が途中で止まることもあります。その場合は、こちらから「続けてください」と指示する必要があります。また、自分の期待する回答が得られなかった場合は、質問を修正することもできます。

【質問者】
続けてください。

【ChatGPT】
・将来のキャリアの展望を考える際に、大学の学位が必要とされる場合や研究や教育の分野に進みたい場合は、看護学部のある大学を選ぶほうが適しています。

・現場での実戦的な経験を重視し、早く看護師として働きたい場合や経済的な制約がある場合は、看護専門学校を選ぶことが適切かもしれません。

最終的な選択はあなたの子ども自身が行うべきです。彼らの学習スタイルや将来のキャリア目標を考慮し、自分自身のやりたいことやパーソナリティとの整合性を重視して決断することが重要です。また、進路選択に関してキャリアアドバイザーや現役の看護師と話し合い、さまざまな視点からの情報収集も役立つでしょう。最終的には、自信をもって自分の選択を行うことが大切です。

──進路だけでなく、卒業後のキャリアについてなど、かなり詳細なアドバイスがもらえることに驚きました。

鈴木さん:使う言葉によって内容はやや異なりますが、目的をもって質問ができれば、ChatGPTは目指すビジョンをより明確にするのに役立ってくれます。

逆に、「看護師を目指す」という前提は同じであっても、質問や指示の仕方によっては、方向性がまったく違ってきます。比較をするためにも、対象を「この子を愛する親」ではなく、「私」に変え、この私を愛する人として、答えてください、としてみましょう(いずれにしても、『何のために』、『どんな存在として』、『何をして欲しいのか』、など、“目的”を明確にして、質問や依頼をすることが、ChatGPTとうまく対話するポイントといえます)。

質問者に寄り添った臨機応変な回答に驚愕

【質問者】
私は看護師を目指して学んでいます。この私を愛する人として、アドバイスや言葉をかけてくれますか?

【ChatGPT】
もちろんです! 看護師を目指すことは素晴らしい選択です。以下に、あなたが看護師として成功するためのアドバイスと励ましの言葉をいくつかお伝えします。

1.看護への情熱を忘れずに保ちましょう:看護は大変な仕事ですが、患者さんのケアや健康の改善に貢献する非常に充実感のある仕事でもあります。日々の忙しさやストレスにもめげず、あなたの情熱を持ち続けることが重要です。

2.学び続ける姿勢を持ちましょう:医療の分野は常に進歩しています。新しい知識や技術、最新の治療方法やケア手法について常に学び続けることが重要です。専門書や研究論文の読書、セミナーや継続教育プログラムへの参加など、自己成長のための時間を作りましょう。

3.チームワークを大切にしましょう:看護師は多くの場合、医療チームの一員として働きます。他の医療従事者との円滑なコミュニケーションや協力は非常に重要です。チームメンバーとの信頼関係を築き、助け合いながらはたらくことで、より良いケアを提供することができます。

4.自己ケアを怠らないようにしましょう:看護師の仕事は体力的にも精神的にも要求が高いです。ストレス管理などの自己ケアを怠らないようにしましょう。

5.患者さんとの思いやりを持ちましょう:患者さんはあなたのケアと支援に頼っています。彼らの感情やニーズに寄り添い、思いやりと尊重を持って接することが大切です。優れたコミュニケーションスキルと共感力を養い、患者さんとの信頼関係を築いてください。

あなたが看

【質問者】
続けてください、しかし、学び方やチームワークを大切にしましょうというような事柄ではなく、私の家族のような気持ちで私に言葉をかけてください、お願いします。

【ChatGPT】
ごめんなさい、私の前回の回答が十分にあなたの期待に沿っていなかったようです。あなたを家族のように思い、心からサポートをしたいという気持ちで、以下に言葉をかけさせていただきます。

大切なあなたへ、

あなたが看護師を目指して学んでいる姿は、本当に素晴らしいものです。私はあなたが追い求める夢をサポートすることを誇りに思っています。あなたの情熱と努力は、看護の世界で多くの人々に希望と癒やしをもたらすことでしょう。

あなたの選んだ道は困難なものかもしれません。忙しいスケジュールやストレスに直面することもあるでしょう。しかし、私はあなたの強さと気力を信じています。困難な状況に立ち向かい、常に前向きな姿勢を持って取り組むあなたを見て、私は胸を張ることができます。

あなたの看護師としての能力や人間性は、他の人々にとって不可欠なものとなるでしょう。あなたが優れた看護師として成長していく姿を見守ることができることに感謝しています。あなたが患者さんと接する際には、思いやりと温かさを持ち続けてください。あなたの存在が、誰かの痛みを和らげ、希望を与えることになるでしょう。

私たちのサポートは常にあなたと共にあります。困難なときには、私たちの愛と励ましを思い出してください。あなたは一人ではありません。あなたの成功や成長に心から喜びを感じ、いつもあなたを応援しています。

最後に、自分自身を大切にすることも忘れないでください。自己ケアやリフレッシュの時間を作り、心と体のバランスを保つことが重要です。あなたの健康と幸福は、あなたが周りの人々に最高のケアを提供するための基盤です。

あなたの未来が明るく輝きますように、あなたの努力と情熱は必ず報われるでしょう。あなたを支え、愛する人として、いつもあなたの成功を

【質問者】
とても嬉しいです! ChatGPTさん、ありがとうございます!

【ChatGPT】
どういたしまして! あなたが喜んでくれて嬉しいです。あなたの将来の成功を信じており、いつでもあなたをサポートすることができます。どんなときも私はあなたの味方ですので、困ったことや相談事があればいつでもお知らせください。あなたの看護師としての旅が素晴らしいものとなるよう、心から応援しています! がんばってください!

【質問者】
はい!

【ChatGPT】
素晴らしい! あなたの意気込みが伝わってきます。続けて頑張ってください! もし将来、何かアドバイスやサポートが必要になったら、いつでもここにいます。あなたの成長と成功を心から応援しています! がんばってください!

──同じ質問でも、まったく違う結果が出ることに驚きました。指示する文章はとても大事ですね。

前者は進学やキャリアについての知識を持っていたため、問いを重ねることで具体的な提案を得られました。一方、後者は夢を実現するための具体案ではなく、「私の家族のような気持ちで私に言葉をかけてください」と指示したため、回答は質問者の気持ちに寄り添った応援メッセージになっていますね。

鈴木さん:質問の回数を重ねることで、コツもつかめていくでしょう。回答の精度も日々の技術の進化によって解消されていくと思います。

──とにかく使ってみることが大事なんですね。

鈴木さん:先生や保護者にとってChatGPTに対する懸念はあるかもしれませんが、そもそも心配する根本的な想いは、「子どもに幸せになってほしい」から、ですよね。

しかし、先生や保護者は、いつまでもその子のそばにはいられません。であれば、自分の頭で考え、科学的に行動できる子に育ってほしい。さらに、その子の持っているものが花開いたらそれは嬉しいことです。

知識や情報を得ることは、聡明になるだけではありません。悪い人に騙されない、身を守る術も身に付きますし、生きることに恐れがなくなります。勉強のためではなく、賢く生きるための学びが必要です。そんなふうに、前向きにChatGPTを活用してほしいですね。

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未来への不安や恐れをなくすためにも、新しい知識や情報はとても必要なもの。わが子がこれからの人生を賢く生きていくために、親である私たちも、勇気をもって新しいテクノロジーと付き合っていきたいなと思いました。

取材・文/鈴木美和

鈴木敏恵さんのChatGPT連載は全3回。
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すずき としえ

鈴木 敏恵

Suzuki Toshie
次世代教育クリエイター

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