広島発・自由進度学習+教え合い 良い人間関係が成績に与えた好影響

【小学校教育2.0】 江田島市立三高小学校の挑戦#2 「自由進度学習の展開」

自由進度学習で実感! 子どもの学びへの強い意欲

こうした経緯を経て行われた三高小学校の自由進度学習。各クラス(学年)で、その進め方や取り入れ具合は異なりますが、2021年度に3・4年生を担任した里岡先生は、国語と算数を中心に1年間を通して自由進度学習に取り組みました。

家族のコロナ感染で登校できない子をオンラインで繋ぎ、一緒に自由進度学習することもありました。  写真提供:三高小学校

「2021年度の1年間で、子どもたちはすっかり自由進度学習に慣れました。友達と協力しながら自分たちで学習を進め、課題を解決する力が身についたと感じます。強制的に学習させなくても、子どもたちは主体的に、自ら最後まで取り組みます。

途中で飽きてやめてしまう、なんていう子はいません。やはり、子どもたちのなかに『学びたい』という意欲があるのだなと感じますね」(里岡先生)

子どもたちは、自分の力で学びを前に進めていきます。  写真提供:三高小学校

今年(2022年)度も、昨年度の取組を踏まえて各学年で、自由進度学習をより拡大していくことを目標にしています。

「2021年度に私が担任した4年生が5年生に進級し、新しいクラスでも自由進度学習を実践していると聞いています。今年の担任の先生がワークシートを用意し、より発展的な内容にもチャレンジできるよう準備してくれています。子どもたち一人ひとりの興味や習熟度に合わせて選択できるよう、工夫しているようです。

先生たちが目の前の子どもたちの様子を見ながら、無理のない範囲でできることを実践し、今年度も子どもたちの主体性や自主性を伸ばしていけたらと考えています」(里岡先生)

子どもたち一人ひとりの「自ら学ぶ力」を信じて、その時々にできる最善の方法を実践している三高小学校の自由進度学習。子どもたちが主体的に、そして意欲的に学習に取り組むという、大きな成果を生み出しています。

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第3回は、異学年での探究学習や自由進度学習で培われた子どもたちの主体性が、他の授業、そして学校生活全体に波及している様子をうかがいます。

取材・文 川崎ちづる


【小学校教育2.0】江田島市立三高小学校の挑戦は、全3回。※公開日までリンク無効

#1  子どもの「知りたい」「やってみたい」からはじめた探究学習で驚きの変化! 広島・小規模小学校でのイエナプランを参考にした実践
#3  広島発・子どもが主体的に学ぶ! 異学年探究学習×自由進度学習の想像以上の効果

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かわさき ちづる

川崎 ちづる

Chizuru Kawasaki
ライター

ライター。東京都内で2人の子育て中(2014年生まれ、2019年生まれ)。環境や地域活性化関連の業務に長く携わり、その後ライターへ転身。経験を活かし、環境教育や各種オルタナティブ関連の記事などを執筆している。WEBコラムの他、環境系企業や教育機関などのPR記事も担当。

ライター。東京都内で2人の子育て中(2014年生まれ、2019年生まれ)。環境や地域活性化関連の業務に長く携わり、その後ライターへ転身。経験を活かし、環境教育や各種オルタナティブ関連の記事などを執筆している。WEBコラムの他、環境系企業や教育機関などのPR記事も担当。