イヤイヤ期に赤ちゃん返り!? コロナ禍育児から生まれた仕事のヒント

大人気イラストレーターやまだだり 絵本『ひよこ どこどこ』の魅力

幼児図書編集部

イヤイヤ期のムスメ(イラスト:やまだだり)
子育てをしながら、イラストレーター、絵本作家として活躍中のやまだだりさん。

育児中の娯楽として何気なく始めたツイッターの育児アカウントでは、育児あるあるや、家庭の様子をイラストで投稿。

産後、旦那さんにされて嬉しかったこと」「外に出たほうが楽なことがある」などのイラストツイートは、投稿後たちまち多くの共感を呼び、ネットニュースにも取り上げられました。

育児アカウントの裏側や、コロナ禍の育児事情についてたっぷり話していただいた前回(2021年)のインタビュー​に続いて、今回はコロナ第7波真っ只中の育児、イヤイヤ期、子育てから生まれた仕事のヒントについて、たっぷりお話ししていただきました。
やまだ だり
1988年愛知県生まれ。イラストレーター。東京藝術大学デザイン科修了。子育てをしながら、雑誌、書籍の挿絵、ポスター、フライヤー制作などを多数手がける。絵本に『きらきらぼし』(三起商行)、『とことことこ』(講談社)などがある。

Twitter:@nemure_yoiko

──よろしくお願いいたします。

やまだだりです。どうぞよろしくお願いいたします。

──昨年のインタビューでは、コロナ禍育児の大変なことをたくさん伺いました。今年は、少しずつ外出しやすくなってきましたが、育児には何か変化はありましたか。

第7波のせいで、実はあまり変わっていないんです。

保育園では、陽性者が出ていなくても、普通に夏風邪が流行っているみたいで、「登園はオススメしません」と言われています。

もしコロナが流行っていなくても、夏風邪って厄介なのかもしれないですね。シッターさんを呼びながら、7月前半からなんとか登園自粛しています。
──家にいる時間が増えると、お子さんのかまって攻撃が集中しそうです。「外に出たほうが楽な場合がある」というツイッターの投稿も、多くの共感のコメントが集まり、ネットニュースにも取り上げられていましたね。

はい。外に出ると、外に気が向くから、「かまってかまって」がなくなるんです。帰りたくないってだだこねてしまうのも大変ですけどね。
育児するまで知らなかった、外に出たほうが楽な場合がある……!(イラスト:やまだだり)
──だだをこねると言えば、娘さんは、今3歳6ヵ月だそうですが、イヤイヤ期はいつ頃でしたか。

2歳後半~3歳にかけてでした。本当に、なんでも「いや」って言うんですよね。

「ケーキを食べよう」と声をかけても「いや」って言って、あとになってすぐ「あれ?」って気づいているんです。反射で言っている感じでした。

だだをこねて床ゴローンされることがかなりきついです。床ゴローンの場合、人通りが多いところだとまず移動させたいんですけど、説得しながらでもちょっとずつしか動いてくれないので、周囲に申し訳ない気持ちがすごいあります。

さらには、イヤイヤ期に加えて、赤ちゃん返りもあったのが大変でした。

──赤ちゃん返りのきっかけは、何かあったんでしょうか。

息子を妊娠してからですね。急に赤ちゃん返りして、夜泣きもするし、哺乳瓶で牛乳も飲むし、おしゃぶりは赤ちゃんのときに使わなかったのに、今使ったりしているんです。

イヤイヤ期と赤ちゃん返りに対応するのも大変なのに、それに加えて、妊娠中でお腹が重いからより大変です。

でも、お腹の中の子の絵を描いてくれたりします。分かっているんですね。お腹の中に、赤ちゃんがいるって。

──妊娠中は、イラストや絵本のお仕事もより大変なのではないでしょうか。

そうですね。でも、妊娠や娘とのやりとりをきっかけに、仕事のヒントが生まれることも多いんです。

娘が、絵本を一人で読んだり、ぬいぐるみに読みきかせをしている姿を見て、次の子が生まれてきたときに、2人で一緒に読んでくれるような絵本を作りたいと思いました。

昨年発売した絵本『とことことこ』よりも、もっと子ども本人が発音しやすい言葉はなんだろうか。と考えていたら、娘が「ここ」「どこ」はしゃべり始めの段階で話していたことを思い出しました。
──なるほど。それが9月に発売された『ひよこ どこどこ』を作るきっかけになったんですね。

そうなんです。『とことことこ』に登場するひよこを、やたら気に入っていて、絵の中のひよこを1匹ずつなでていたんです。そこで、「ひよことかくれんぼができる」をテーマに絵本を作ろうと思いました。

──「2人で一緒に読んでくれるような絵本」とお話ししていましたが、絵本の中で工夫したポイントはあるのでしょうか?

小さい頃「ウォーリーをさがせ!」という絵本で、ウォーリー以外も勝手に探して楽しんでいたことを思い出して、ひよこを探すのはもちろん、ひよこ以外にも探してくれそうなモチーフを入れてみました。

1歳、2歳の子は、シンプルにひよこ探しを楽しめるように。3歳くらいの子は、メイン以外も探して楽しめるようにしたところがポイントです。兄弟姉妹で一緒に絵本をひらきながら、それぞれ好きなものを探してほしいですね。
──デビュー作『とことことこ』では、絵本をきっかけに、娘さんがよくしゃべるようになったエピソードを聞きましたが、今回も娘さんの反応はどうでしたか?

ラフの状態で見せたときは、ひよこを見つけられて満足そうにしていました。こちらとしては、わざと見つけやすいように、ひよこの一部が見えるように入れているんですけどね。
絵本『ひよこ どこどこ』(作・やまだだり)より
でも、子どもが見つけやすいように、「あえて一部を見せる」ということも、娘から学んだんです。

子どものかくれんぼって、あまりうまく隠れられていないじゃないですか。カーテンに隠れているのにお尻が出ていたり、何かをかぶっても足が丸出しだったり。

そういう子どもらしいかわいさも、『ひよこ どこどこ』でかくれているひよこにも取り入れました。かくれることも楽しいですけど、見つける、見つけられることも、子どもって大好きなんだな、と気づかされました。

──お子さんとのやりとりから、仕事のヒントが生まれたんですね。今回も、素敵なお話、ありがとうございました。

どうもありがとうございました。
『ひよこ どこどこ』(作・やまだだり 講談社)

【公式】『ひよこ どこどこ』(作・やまだ だり) ひよことかくれんぼができる絵本

幼児図書編集部

絵本をつくっている編集部です。コクリコでは、新刊の紹介や作家さんのインタビュー、イベントのご案内など、たのしい情報をおとどけします! ...

やまだ だり

イラストレーター

イラストレーター。1988年生まれ。愛知県出身。東京芸術大学デザイン科修了。雑誌、書籍の挿絵、ポスター、フライヤー制作などを多数手がけ...