「やった!」「できた!」が次につながる

でもあきらめる必要はありません。原因がわかればおのずと解決方法も見つかります。まず2歳の長男をよく観察してみて下さい。何に興味があり、何をしたがっているのかを見つけましょう。そうしたら、それが大人の迷惑にならないような方法でできないかを工夫してみましょう。

スピーカーに綿棒を突っ込む迷惑な行為も、綿棒落とし(写真右)に変えてあげれば大丈夫。

子どもは、大人に迷惑をかけたいわけではありません。その動きに興味があり、その動きがしたいだけですから、別の方法でそれが繰り返しできるならば、それに集中します。手と五感を思う存分、使えるようになれば、幼児前期の子どもはびっくりするほど素直になります。

乾麺を叩いて砕く 1歳3ヵ月

小さいものをつまんで落とす 2ヵ月8ヵ月

幼児後期の長女のほうが時間はかかるかもしれませんが、家事の中にある魅力的なお仕事をさせてみましょう。

テーブルを布巾で拭く 4歳8ヵ月

卵を割る 4歳9ヵ月

靴を洗う 4歳4ヵ月

もっと知りたいあなたへ

『親子で楽しんで、驚くほど身につく! こどもせいかつ百科』にたくさんの事例がイラストで載っていますので、参考にしてください。
ひらがなが読めれば、子どもでも理解できるように、すべてにルビがふってあります。幼児後期の子どもたちは、特に指示命令を嫌がりますから、だまって本を差し出すほうが効果的です。

適切な準備さえしてあげれば、あとはどんどんやってくれるようになることでしょう。
「やった!」「できた!」という体験が、次への意欲につながるのです。やってもらうのが当たり前、やらせてもらえなかった子どもは、年齢を重ねても、なかなかできるようにはなりません。

そして、叩く、脅す、物で釣る、といった外的抑圧で子どもを動かしていると、それが通用しなくなったときには、どうなるかを想像してみましょう。

大人は小さな子どもに対して圧倒的な強者ですが、いつまでもそのままではありません。いつの日か強者になった子どもは、自分を抑圧してきた大人や他の弱者に対して、同じような抑圧を加えるようになってしまいます。

「大人と子どもの戦い」をやめて、自然のプログラムに沿って、よき援助をしていくことで、きっとお子さんは素直になり、家庭の中も、この社会も、平和に包まれることでしょう。
子育ては、平和の鍵を握っている、とても重要な仕事なのです。

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モンテッソーリで子育て支援 エンジェルズハウス研究所所長

上智大学文学部卒。2女の母。日本航空株式会社勤務後、日本モンテッソーリ教育綜合研究所教師養成通信教育講座卒。同研究所認定資格取得。東京...