その① 「汚したら拭いてキレイにする」一連の作業を見せる

ひとつは、子どもが失敗してそのフォローとしてお掃除するといった、突発的なアクシデントの対応。
 
たとえば、トイレトレーニング中の子どもがトイレにダッシュしたのにおしっこを漏らしてしまったとき。失敗したショックで泣いている子どもに、「大丈夫。こうやって拭いておけば臭いがしなくなるからね」「ほら、キレイになったよ」と言いながら、目の前でトイレットペーパーで拭き取り、クエン酸を溶かした水のスプレーで床をキレイにします。

この作業を繰り返していくことで、子どもはだんだん「失敗したらトイレットペーパーで拭くんだな」「クエン酸が入ったスプレーをかければ臭いは取れるんだ」という解決法が感覚的にわかっていきます。すると、ある時からパパやママに「一緒に拭こうよ」と言われても、自然とできるのではないでしょうか。それがひいては、十数年後、よその家のトイレを汚しても後始末ができるような大人へと育ち、トイレ掃除ができる男性になっていくのです。

このように、仕込もうと思うよりは、子どもたちの生活の中で上手に、繰り返し取り込んでいってあげるといいですね。

その② テレビを見ている子どもの脇でほうきを使う

前述の通り、子どもが遊びに夢中になっているようでも、案外、親の働く姿は目に入っています。

私の場合、子どもたちが小さいころ、テレビを見ている脇でほうきを使って掃除をしていました。なぜほうきなのか? それは、テレビを見ているときに掃除機をかけるとうるさがられますが、ほうきだと音がしないからです。

このとき、ホコリが舞わないように、床に軽く水気をしぼったお茶殻をおいて、お茶殻を移動させながらホコリを絡め取るようにしていました。そうしたら面白いことに、これも子供たちに教えたことがないのに、兄弟みんな、掃き掃除をするときにお茶殻を探すようになったんです。やっぱり、テレビに夢中なようでも目の端で見ているんですね。

子どもの家事教育は「急がば回れ」

このように日常の中で親が家事を見せていると、子どもはその中から何か一つはやってみようとします。その瞬間を見逃さず、やらせてみることが大切です。そしてそれが失敗したとしても目をつぶり、その子の「係」として翌日もやってもらうと本人も「まかされた」という気持ちになって、継続するでしょう。

ここで、やってもらったことに喜び感謝の気持ちを伝えると、子どもはますます張り切り、継続しやすくなります。くれぐれも欲を出して、最初から複数のことをさせないように。おけいこごともそうですが、最初から複数のことを同時並行させてもあまり身につきません。これなら自分はちゃんとできるというものを一つお願いして、継続させる。そこから広げていくことが大事です。子どもの家事教育は年単位でじっくりと。「急がば回れ」の精神で気長にいきましょう。


構成/桜田容子

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さこう のりこ

佐光 紀子

1961年、東京都生まれ。国際基督教大学を卒業後、繊維メーカーや証券会社で翻訳や調査に従事後、フリーの翻訳者に。本の翻訳を機に、重曹や...

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