2021.06.24

びっくり大冒険のはじまり!『ねこねこほいくえん おさんぽカー』読み聞かせのコツ

「本とあそぼう 全国訪問おはなし隊」隊長がお教えします

著者:本とあそぼう 全国訪問おはなし隊

読み手 ーーおはなし隊隊長 加藤惠里

キャラバンカーに本をたくさん積んで、全国47都道府県におはなしを届ける「本とあそぼう 全国訪問おはなし隊」。
幼稚園や保育所、小学校や図書館、書店など様々な訪問先で、おはなし会を重ねてきたおはなし隊の隊長さんが、子どもたちに人気の絵本の読み聞かせのコツをお教えします!

街を歩いていると、かわいい園児たちを乗せた保育園の”おさんぽカー”に出会うことがあります。子どもたちの楽しそうな様子に、思わずにっこりしてしまいます。
そんな子どもたちにとって身近な”おさんぽカー”が出てくる絵本です。

石崎洋司さんの子どもたちの気持ちを思う楽しいお話と、手にした瞬間から絵本の世界にひきこまれてしまう北岸由美さんのきれいな色と細やかな絵を、子どもたちと一緒に楽しみながら、読んでほしいと思います。

『ねこねこほいくえん おさんぽカー』
文:石崎洋司 絵:北岸由美 講談社

表紙をめくると、鮮やかな黄色とたくさんのねこたちが目に飛び込んできます。そして、よく見ると、マルちゃん、ココちゃん、メイちゃんがかげからじっとこちらを見ていますよ。

さあ、楽しいお話のはじまりです。

ちびちゃんたちが”おさんぽカー“に乗って先生と保育園に帰ってきます。それを年長組さんが窓から見ています。お花も咲いていてページのすみずみまで、かわいさ満載です。

“おさんぽカー”がうらやましくてたまらない、マルちゃん、ココちゃん、メイちゃんの気持ちになって読みます。

次のページは、色鮮やかな園舎、かわいい園庭、”おさんぽカー“で帰ってきたちびちゃんたち。そして、ブルこせんせいの肉球まで、細かくていねいに描かれています。
子どもたちにゆっくり見せてあげましょう。

マルちゃん、ココちゃん、メイちゃんが見つからないように歩いていく様は、少し声をひそめて、一語一語間をあけながら、ゆっくりと「そろり そろり そろり」と読みます。

マルちゃんが「おさんぽカー」をおすページから、いよいよ冒険のはじまりです。

次ページをめくってすぐに、「わっ、すごい さかだった!」と読み、坂を猛スピードで降りる様子がわかるように、叫び声も続けてテンポ速く大きな声で続けます。

マルちゃん、ココちゃん、メイちゃんの冒険がはじまる
『ねこねこほいくえん おさんぽカー』より

カバおばさんと一緒にショッピングモールに向かうページも、細かくていねいに書かれたかわいい絵を楽しみながら読みましょう。

マルちゃん、ココちゃん、メイちゃんのわくわくした感じが伝わるように、元気にそれぞれのセリフを読むといいですね。

「みつからないように、そろり そろり そろり……。」は、最初に読んだ「そろり そろり……」と同じ読み方にそろえます。

ショッピングモールでは楽しいことがいっぱい!
その様子を子どもたちにもゆっくり見せてあげて、マルちゃん、ココちゃん、メイちゃんと一緒に楽しんでもらうといいですね。

おいしそうな食べ物がたくさん!
『ねこねこほいくえん おさんぽカー』より

ゲームコーナーに行ったマルちゃん、時計売り場に行ったメイちゃん、写真スタジオに行ったココちゃん。少し声を弾ませるように読むとワクワクする楽しい気持ちが伝わります。

おいしいものを食べたり、好きなお店に行ったり、マルちゃん、ココちゃん、メイちゃんはショッピングモールを満喫しています。でも……。

「たいへん、ブルこせんせいだ!」
ここは、驚いて、少しあわてているように大きな声で勢いよく読みます。

ブルこせんせいがみんなをさがす場面では、子どもたちにしっかり絵を見せてあげて、隠れているマルちゃん、ココちゃん、メイちゃんを一緒にさがしてもらいましょう。

ブルこせんせいにばれないように……
『ねこねこほいくえん おさんぽカー』より

カバおばさんがお買い物するレジでは、セリフの前に先に「ピッ」を読むと、より雰囲気が伝わると思います。
「てんちょう! この ネコたち おかしいです~」は、遠くにいる店長に話しかけるように大きめの声で読みます。

そして、ついに、見つかってしまいます。
ブルこせんせいのセリフは、大きく、驚きのある、叱り声で読みましょう。

見つかってしまったマルちゃんたちのセリフは、
残念な感じで「ああ、みつかっちゃた……」
小さめな声で、わびる気持ちを表しながら「しんぱいかけて ごめんなさい……」
少しだけ声を上げて「おさんぽカーにのってみたかったの」と、読みます。

最後のページは、無事に見つかった安心感と楽しかった“おさんぽカー”の冒険を思い出しながら、読んだ後もしばらく絵を見せて、”おさんぽカー”がのぼっていく様子を想像します。

明日、”おさんぽカー”を見た子どもたちの反応が楽しみですね!

●今回読んだ本

『ねこねこほいくえん おさんぽカー』
文:石崎洋司 絵:北岸由美 講談社

●プラス1冊

びっくりさせて ごめんね。空からふってきたものは、いったい……?

『ふってきました』
文:もとしたいづみ 絵:石井聖岳 講談社


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著者紹介

本とあそぼう 全国訪問おはなし隊

たくさんの絵本を積んだ2台のキャラバンカーで各都道府県を巡回し、幼稚園、保育所、小学校や図書館、書店などを訪問している、「本とあそぼう 全国訪問おはなし隊」。1999年7月に、講談社90周年記念事業として、スタートしました。
2007年には第55回菊池寛賞、2018年には、メセナ大賞にも選ばれました。
スタートして以来、通算2万2000回以上の訪問、190万人を超える参加者のみなさん、ありがとうございます。次はあなたの町でお会いできるかもしれませんね!

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Twitter:@ohanashitai55