2021.05.13

『かけっこ かけっこ』読み聞かせのコツ

「本とあそぼう 全国訪問おはなし隊」隊長がお教えします

著者:本とあそぼう 全国訪問おはなし隊

読み手 ━━おはなし隊隊長 猪口まり子

※この記事は、講談社絵本通信に掲載の記事を再構成したものです。
 

キャラバンカーに本をたくさん積んで、全国47都道府県におはなしを届ける「本とあそぼう 全国訪問おはなし隊」。
幼稚園や保育所、小学校や図書館、書店など様々な訪問先で、おはなし会を重ねてきたおはなし隊の隊長さんが、子どもたちに人気の絵本の読み聞かせのコツをお教えします!

かけっこが大好きな男の子のもとに、かけっこが大好きな仲間が、どんどんどんどん加わって、みんなで一緒にかけっこをする楽しいおはなし。ドキッとする場面や迫力満点のしかけもあって、楽しさも倍増。

文字数は少ないけれど、躍動感あふれる絵と繰り返しの文章で、子どもたちはあっというまにおはなしの世界に惹き込まれていきます。ゆっくり絵を見せてあげながら、みんなと一緒にかけっこをしているつもりになって、読み進めましょう。なかまたちのユニークな表情や仕草、ハッキリした色使いもこの本の魅力ですね。

一年中楽しめる絵本ですが、運動会シーズンにはピッタリ! さあ、みんなでかけっこを楽しみましょう。

『かけっこ かけっこ』
文:中川ひろたか 絵:北村裕花 講談社

男の子が一人でかけっこをしていると……、大きなダチョウさんが走りながらやってきました。
「ぼくも いれて」「いいよ」

ダチョウさんと男の子が一緒にかけっこをしていると、やってきたのはゴリラさん。
「わたしも いれて」「いいよ」

ダチョウさんもかけっこに参加 
『かけっこ かけっこ』より

「いれて」「いいよ」、この繰り返しでおはなしが進んでいきます。
仲間がどんどん増えていきますが、走りながらの会話であることを念頭に入れて、間をうまくとりながら躍動感をもって読みましょう。

山の中に隠れているたくさんの仲間たちが、うらやましそうに見つめています。うさぎさん、ぞうさん、へびさん……、少し指さしてあげるとわかりやすいですね。子どもたちにゆっくり見せてあげて、次のページへとつなげます。

みんなで走っていると、給水所が見えてきましたよ。お水、バナナ、スペシャルドリンク、みんな大好きなものを手にしています。そして、また走りはじめます。

給水所でみんな大好きなものを手にとる
『かけっこ かけっこ』より

すると寝ているライオンに出会います。

ライオンを起こさないように、みんなでしずかに抜き足差し足忍び足。ライオンに気づかれないように、少しトーンを落として静かに読みましょう。

でも、大変。ライオンに気付かれた!!
「ガオーッ!」

ライオンがみんなをおいかけます。
みんな全速力で一目散ににげた先には。

大きな川……。意を決して、「ジャーンプ!」みんなの必死な表情にも注目!

元気よくページを開きます。緊張感いっぱいのクライマックスのこの場面、子どもたちもドキドキハラハラ。リズムよく流れるようなスピード感で読んで、臨場感をだしましょう。

みんなでジャーンプ!
『かけっこ かけっこ』より

「ふー、たすかった」
みんなの安心してのびきった表情とからだ。よかったね~。子どもたちにもゆっくり見せてあげて、一緒に喜びを分かち合います。

最後は、みんなでゴールです。みんなでゴールできて良かったね! 子どもたちからも「あー、よかった~」の声。みんなの満足そう顔をゆっくりみせてあげながら、おしまい。

この本は表紙と裏表紙が1枚の絵になっているので、最後にそれを見せてあげて本当におしまい!

●今回読んだ本

『かけっこ かけっこ』
文:中川ひろたか 絵:北村裕花 講談社

●プラス1冊

びっくりさせて ごめんね。空からふってきたものは、いったい……?

『ふってきました』
文:もとしたいづみ 絵:石井聖岳 講談社

著者紹介

本とあそぼう 全国訪問おはなし隊

たくさんの絵本を積んだ2台のキャラバンカーで各都道府県を巡回し、幼稚園、保育所、小学校や図書館、書店などを訪問している、「本とあそぼう 全国訪問おはなし隊」。1999年7月に、講談社90周年記念事業として、スタートしました。
2007年には第55回菊池寛賞、2018年には、メセナ大賞にも選ばれました。
スタートして以来、通算2万2000回以上の訪問、190万人を超える参加者のみなさん、ありがとうございます。次はあなたの町でお会いできるかもしれませんね!

https://www.kodansha.co.jp/ohanashi/
Twitter:@ohanashitai55