2021.09.09

お月さまが落ちてきた!? 『いただきますの おつきさま』読み聞かせのコツ

「本とあそぼう 全国訪問おはなし隊」隊長がお教えします

著者:本とあそぼう 全国訪問おはなし隊

読み手 ━━おはなし隊隊長 渡邉達夫

※この記事は、講談社絵本通信に掲載の記事を再構成したものです。
 

キャラバンカーに本をたくさん積んで、全国47都道府県におはなしを届ける「本とあそぼう 全国訪問おはなし隊」。
幼稚園や保育所、小学校や図書館、書店など様々な訪問先で、おはなし会を重ねてきたおはなし隊の隊長さんが、子どもたちに人気の絵本の読み聞かせのコツをお教えします!

「たいへんたいへん、おつきさまがおちてきた!」 
動物たちが向かった、その先には……。子どもたちの想像力をはるかに超えた、不思議な世界が展開します。

『いただきますの おつきさま』
作:鈴木真実 講談社

「たいへん、たいへん、たいへんです。」 
物語の始まりのうさぎのことば。始まりにふさわしい、あわてた様子が伝わるよう、やや大げさに読みます。おこじょはイタチの仲間ですが、知らない子どもが多いので、動物たちを指さしてもいいですね。

次のおつきさまはバナナだったというシーン。
めくるタイミングをため込むようにして、「でんっ」という言葉と同時に、さっとめくります。

おおきなバナナ 『いただきますの おつきさま』より

おつきさまの正体がバナナだとわかってうれしそうな動物たち。楽しそうにうれしそうに読んでみましょう。

皮をむこうとするシーン。
二回目以降の「いち、にーの、さーーーん」は子どもたちも一緒に言ってくれますよ。

そして、ついに「ずるずるずるずるー」
ここは強調して読みましょう。

「いっただっきまーす!」の声、子どもたちと声を合わせて言ってみましょう。バナナを食べるシーンは、動物たちのうれしそうな様子や、おなかがふくらんでしまった様子がわかるようにゆっくり読むといいですね。

バナナをたべる動物たち 『いただきますの おつきさま』より

でも、おつきさまがなくなってしまうことに気がついて心配になった動物たち。不安げに読んでみましょう。ウサギの困った表情が、かわいいですね。絵をしっかり見せながら、困った様子を表現してみましょう。

バナナの皮を縫い始めるところ。みんなで縫っていることがわかるよう、ゆっくり見せてあげましょう。

「ふーっ ふーっ ふーっ」
大きな声で元気よく読みます。子どもたちも、一生懸命ほっぺたをふくらませて言ってくれますよ。

そして、十分ため込んで、サッとめくって「とんっ」
もとどおりになったおつきさま。動物たちの安心した気持ちが伝わるようにうれしそうに読みます。

みんながおうちにかえっていくシーンは、物語の終わりを暗示するようにゆっくりと読みます。

空にお月様がもどる 『いただきますの おつきさま』より

そして、いよいよ最後のページ。この本最大のクライマックスかもしれません。なんと、物語は終わっていませんでした! 次の日朝がやってきて、山からののぼってきたものは!!!

じっくり、絵を見せてあげましょう。まさかの展開に子どもたちも大喜び! ビックリするくらい大きな反応が待っていますよ。

●今回読んだ本

『いただきますの おつきさま』
作:鈴木真実 講談社

●プラス1冊

びっくりさせて ごめんね。空からふってきたものは、いったい……?

『ふってきました』
文:もとしたいづみ 絵:石井聖岳 講談社

著者紹介

本とあそぼう 全国訪問おはなし隊

たくさんの絵本を積んだ2台のキャラバンカーで各都道府県を巡回し、幼稚園、保育所、小学校や図書館、書店などを訪問している、「本とあそぼう 全国訪問おはなし隊」。1999年7月に、講談社90周年記念事業として、スタートしました。
2007年には第55回菊池寛賞、2018年には、メセナ大賞にも選ばれました。
スタートして以来、通算2万2000回以上の訪問、190万人を超える参加者のみなさん、ありがとうございます。次はあなたの町でお会いできるかもしれませんね!

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Twitter:@ohanashitai55