2021.11.27

わが子も好きなカラフル絵本3冊 初絵本が話題のイラスト作家の推し 

ただいま絶賛子育て中 きいてみよう! 絵本作家のえほんばこ〜やまだ だりさん〜

素敵な絵本を生み出している絵本作家さんたちは、絵本を通して子どもたちとどのような時間を育んでいるのでしょう? その素敵な“物語”をご紹介します! 今回は、やまだ だりさんの登場です。

(「たのしい幼稚園」1月号(2021年12月27日発売)掲載)より

私の絵本は「わあ、なんだこれ!」と笑いながら読んでもらいたい。
昔から何でもどこか不気味なものが好きでしたが、娘も最近、私の“不気味好き”遺伝子が出てきています(笑)。

はらぺこあおむしのように 食べ物が大好き

2歳8ヵ月になる娘は、すごく甘えん坊で、毎日泣きながら保育園に行っています。人見知りの慎重派で、熱中すると一つの遊びに夢中になる。私とよく似ているなあと思います。

私も小さい頃は甘えん坊で、友達と遊ぶのも好きですが、自分がやりたいことがあれば隅で一人でそれをやっている、というマイペースな子どもでした。

そんな娘の一番のお気に入りの絵本は『はらぺこあおむし』です。赤ちゃんのときから大好きなのですが、食べ物がたくさん出てくるので、さらに好きになったみたいです。

娘は本当に食いしん坊。離乳食を初めて見た瞬間から、「お!」という反応でした。大人の食べ物にも興味津々です。おっぱいをなかなかやめられない子がいると聞きますが、娘はむしろ「乳よりご飯を出してくれ!」という感じで(笑)。自分からスッと卒乳してしまいました。

やまだ だりさんのおすすめ絵本❶ 『はらぺこあおむし』

『はらぺこあおむし』
作●エリック・カール
訳●もり ひさし
定価●1320円(税込み)
発行●偕成社

食べるのが大好きな娘。
あおむしが食べるものに興味津々


おなかがぺこぺこのちっぽけなあおむしは、毎日いろんな果物やお菓子を食べすぎて、腹痛に。最後に葉っぱを食べたらようやくおなかがいっぱいになって、綺麗なちょうになりました。

「娘が一番長く好きな1冊。最近は食べるのが好きになったこともあって、あおむしが食べたものを得意げに何度も音読しています」(やまださん)

読み聞かせをすると 止まらなくなるので大変

リビングにある絵本棚は、幅が広いうえ奥行きもけっこうあるので、本を前後2列にして並べています。だから100冊以上はあるのかなあ。

一旦読み始めると「もっと読んで読んで」と止まらなくなるので、正直、寝る前の読み聞かせはしたくないくらい。最後は私が寝落ちしてしまいます。

最近は言葉を覚えてきたこともあって、『きんぎょがにげた』がお気に入りです。きんぎょが逃げた先にいろいろな物が登場するので、以前は私が「これはなあに?」と聞いていたんですが、最近は逆に私に「これなあに?」とテストしてきます(笑)。

『わたしのワンピース』も大好きなのですが、これは実は、私の押し売りです。私が子どもの頃から大好きで、大学生になって買い直したほど。娘はとくに小鳥の柄のワンピースが好きで、どんな鳥でも、見るたびに「ことりさん!」と叫んでいます……。

やまだ だりさんのおすすめ絵本❷ 『きんぎょが にげた』

『きんぎょが にげた』
作●五味太郎
対象年齢●読んであげるなら2歳から
定価●990円(税込み)
発行●福音館書店

物がたくさん出てくる絵本は
私も子どもの頃、大好きでした


金魚鉢から逃げたきんぎょ。花の中、キャンディのびんの中、子ども部屋……といろんなところに隠れています。

「いろいろな物がごちゃっと描かれている絵本なので、娘は『この名前分かるよ』と指さして得意げに言っています。物がたくさん登場する絵本は、私も好きだったので気持ちは分かります。宝探しみたいで楽しいんですよね」(やまださん)

やまだ だりさんのおすすめ絵本❸ 『わたしのワンピース』

『わたしのワンピース』
絵と文●にしまきかやこ
対象年齢●3歳〜5歳ころ
定価●1210円(税込み)
発行●こぐま社

娘はオシャレ好きなので
たくさんのワンピースが出てくるのが面白いみたい


空から降ってきた真っ白なきれで、ワンピースを作ったうさぎさん。お花畑、雨、小鳥……、出会ったものにワンピースの柄がどんどん変化していきます。

「私が好きで何度も読み聞かせていたら、娘も好きになってくれました。オシャレが大好きな娘。うさぎのぬいぐるみとワンピースをフェルトで作ってあげたら、とても嬉しそうに着せ替えしています」(やまださん)

“不気味で優しい目”が生まれたのは 小3のとき

私は小さい頃からとにかくお絵描きが好きでした。親が壁に白い紙を貼ってくれていたので、そこに常に何かを描いていました。一番古い“悔しい記憶”が、幼稚園の年長のとき、お姫様のハイヒールを上手くかけなかったことなんです。

その頃から、何となく将来は絵を描きたいと思っていて。その夢が小学生で“漫画家”になり、小6でイラストレーターという存在を知って「これがいい!」と固まったんです。

私が描く“目”は「不気味だけど優しい」と言われるのですが、この目の原型は小3のときに誕生しました。

それまではアニメのキャラクターのようなキラキラの目を描いていたんですが、「どうやらアーモンド形の目のほうが大人ウケする傾向があるな」と気づいて(笑)。でも、「いや、ここまで人の目は図形っぽくないだろう」と、少しずつ進化させていって、私なりの完成形となったのが今の“目”なんです。

私の絵本で「アハハ」と 笑ってもらいたい

絵本のインスピレーションは、娘からめちゃくちゃもらっています。デビュー作の『とことことこ』は、ちょっとだけ次のページの絵が見えている、というものなのですが、これは娘の行動から発想を得たもの。

絵本を読んであげているとき、娘が「次のページ、分かるよ」とドヤ顔で言うのを見て、子どもって知っていることを自慢げに言うのが楽しいんだ! と思ったのがきっかけです。

子どもさんたちに私の絵本をどう読んでもらいたいかというと、「ウケる〜」と思ってもらいたい。感動してもらうより、「わあ!」と、ひと笑いしてもらえたらと思いながら描いているんです。

私自身、子どもの頃はそういう絵本が好きで。『おしゃべりなたまごやき』(福音館書店)や『すてきな 三にんぐみ』(偕成社)など、うっすら不気味なのにコミカルで優しい、というものばかり読んでいました。

娘にどう育ってほしい、というのは特にないのですが、娘がやりたくないことはなるべくしないでほしいかな。私がイラストレーターとして楽しくやっているので、絵の道もオススメだぞ、と思い、ついつい画材はたくさん与えてしまいます。

でも、そこまで絵を描くことが好きなわけではなさそうです(苦笑)。これから才能が開花するかも、と楽しみにしています。

やまだ だりさんの新刊絵本『とことことこ』

『とことことこ』
作●やまだ だり
対象年齢●読み聞かせ1歳から ひとり読み3歳から
発行●講談社
定価●1210円(税込み)

ページの端に見えているものの正体は……? 
めくると分かるよ!


たこ、ひよこ、かえる……、ページの端っこにちょっとだけ見えているもの。めくると何が出てくるのか予想するのが楽しい! やまだだりさんのオシャレで独特な色使いの絵も素敵。

「娘も気に入ってくれている1冊。最近は『とことことこ』が口癖で、転んでも『とことことこ』と言っています(笑)」(やまださん)

子どもがよろこぶ、オノマトペ絵本

取材・文/山本奈緒子

「たのしい幼稚園」最新号の紹介 はこちら

やまだ だり

イラストレーター。1988年生まれ。愛知県出身。東京芸術大学デザイン科修了。雑誌、書籍の挿絵、ポスター、フライヤー制作などを多数手がけ...