ある日突然、嫁に離婚を突きつけられた「俺」は、目覚めると妊娠中の嫁に変身していた。「妊娠は病気じゃない」「俺の飯は?」「母性足りないんじゃない?」次々と突きつけられる「俺」からの言葉に、いかに自分が無神経だったかを思い知る俺……。
あまりにリアルな夫の無神経ぶりを描き、マンガアプリ「パルシィ」での連載開始直後から、多くのママの共感を集めた『朝起きたら妻になって妊娠していた俺のレポート』(車谷晴子/講談社)。
作品が公開されるやいなや、読者から寄せられるコメントの“熱量”に驚いたと担当編集者は言います。
「皆さん漫画に描かれたエピソードに我が事のように共感し、『描いてくれてありがとう』と感謝を伝えてくださるコメントが多かったのが印象的でした。きっとこの作品が、今まで『なんだか大変そう……具体的には知らんけど』とふわっと認識されていた妊娠出産や子育てについて、個に寄り添ったリアルな感情や出来事を描いているからだと思います」
そんな話題作の新編『朝起きたら妻になって妊娠していた俺のレポート 子育て編』のコミックス第1巻が1月13日に刊行になりました。刊行を記念して、第1話〜第2話をコクリコで特別公開します。
今回は第1話です。
※第2話はこちら。
『朝起きたら妻になって妊娠していた俺のレポート 子育て編』とは
「あなたは子育てに必要ない」と、妻が離婚届をおいて出て行ってしまった僕、伊藤誠一。慌てて転んで目覚めると、出産したばかりの妻の香ちゃんになっていた!? 「香ちゃんなら大丈夫!」「もっと家事やってもらえない?」「僕は何をしたらいいの?」…自分なりに育児に参加していたつもりの「僕」だったけど、実は何もわかっていなかった…? 各所で話題沸騰のマタニティコメディ「朝起きたら」シリーズ、今度は“子育て”編!
現実では受け流されがちなことを言語化したかった
作者の車谷晴子さんは、ご自身も出産を経験し、目下子育て中のママです。「朝起きたら」シリーズを描くことになったきっかけや作品に込めた想いをこのように語ってくれました。
「自分が出産・子育てを経験したり、友人から話を聞いたりしたことが、この作品を描くヒントになりました。とくに周囲の子育て経験の話がどれもとてもおもしろかった。日常として話してくれることが、『それすごくない? おもしろい!』っていつも思います。子どもが大人へと育つ時間にドラマがないわけがないんですよね。
この作品は漫画なので、読んで時々くすっと笑っていただけるのが一番ですが、
だからこそ、現実では受け流されたり我慢を強いられるようなことを、作中ではできるだけ言語化しようと心がけています。
今、子育ても仕事もすごくしんどい思いをしている人の方がきっと多いですよね。
でも、それって個人の能力が低いとか悪いとかではなく、大体がシステムの不備なんじゃないかなとも感じます。みんなにあうものなんてないので『みんなやってるとか言われてもうちでは無理ですから~! ていうか、本当にみんなやってる!? 本当に!? しんどくない!?』と気軽に叫んで、少しでもしんどくない日常ができあがっていくといいなと思います」(作者・車谷晴子さん)