2021.09.12

日本でも体験 北欧式自然教育「森のムッレ教室」で自己肯定感が高まる

北欧の幼児自然教育から学ぼう#3「日本の“森のムッレ教室”」

寄稿家:高見幸子

教室の最後には、森の妖精ムッレに扮したリーダーが登場。真剣に話を聞く日本の子どもたち。
写真提供:日本野外生活推進協会

日本の保育園や幼稚園でも、「自然との関わり」は重要なテーマとされています。野菜を栽培したり、動物を飼育したりするのもその一環です。

しかし、スウェーデン発祥の「森のムッレ教室」(以下、「ムッレ教室」)では、さらに一歩進んだ「自然の循環」や「自然と自分のつながり」を理解しようとます。豊かな自然体験は、子どもの自信を育て、「自己肯定観」を高める効果もあることがわかっています。

連載第3回では、ムッレ教室を実践している日本の保育園や幼稚園での取り組みを、北欧の幼児自然教育の専門家である高見幸子さんにお聞きしました。

何が違う? 日本の自然教育と「森のムッレ教室」

雨の日には、雨のなかでしか感じられない自然があります。
写真提供:日本野外生活推進協会

ムッレ教室は、スウェーデンだけでなく、フィンランド、ノルウェー、ドイツ、ラトビア、イギリスなど世界9ヵ国に広がっています。

日本でも、1980年代に高見さんが紹介したことをきっかけに活動が始まり、1992年に「日本野外生活推進協会」が発足しました。

今では、協会の資格を有した指導者がいる全国の保育園・幼稚園、環境団体などが、ムッレ教室を実践しています。高見さんがムッレ教室と、従来からある日本の幼児自然教育の違いを語ります。

「日本の保育でも、『自然との関わり』は昔から重要視されてきました。多くの保育園・幼稚園が、外遊びはもちろん、栽培活動や飼育活動を行っています。

しかし、それぞれが単発の活動で、『自然や生き物のつながり』を感じられるものは多くありません。

ムッレ教室は、ただ自然と触れ合うだけでなく、子どもたちが五感を使って『自然の循環』を経験し、自分の感覚として理解できる工夫が随所に施されています。

さらに、子どもたちが自分自身で疑問を持ち、気づきを得る『体験』を大切にしているので、好奇心がどんどん広がっていくのです。

日本では、こうしたムッレ教室の特色に気づいた保育園・幼稚園が、その手法を取り入れています。

スウェーデンのムッレ教室の理念や方法を参考にしながら、それぞれの地域の風土、気候に合わせて工夫し、オリジナルのムッレ教室を展開しています」(高見さん)

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