2021.10.15

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歯並びは環境的要因も大!「永久歯トラブル」を避ける小児歯科のポイント

小児歯科専門医・唐木先生ご夫妻インタビュー  #3 4~6歳頃の歯のチェックポイント

第3回は、乳歯が抜けて、いよいよ永久歯が生え始める4~6歳頃の歯についてです。

幼い頃から定期的に通うことになる歯医者さんとは、長いお付き合いに。  写真:アフロ

生えたての永久歯は未熟! 1~2年間は虫歯予防を念入りに

乳歯は、一般的に5歳くらいから抜け始めるとされています。通常は下の前歯から始まり、だんだん奥に向かって生え代わっていきますが、乳歯と永久歯が混在する4~6歳頃のこの時期、見逃せない歯のトラブルが潜んでいることもあると言います。

唐木美弥先生(以下、美弥先生)「生えたばかりの永久歯は、エナメル質が弱くて酸に溶けやすく、また歯肉が被っていたり、背が低いために磨きにくいといった理由から、初期虫歯になりやすいという特徴があります。

奥の永久歯が生えたタイミングで、フッ素塗布に加えて、シーラントで虫歯の予防処置をするのもひとつの手です。
シーラントは生えて間もない6歳臼歯を含めた奥歯が対象になりますが、プラスチック樹脂の一種である、フッ素配合のレジンという素材で奥歯の溝を埋めることで、食べかすや汚れが溝に入らないようにして虫歯を防ぎます。

それでもシーラントをやったからといって絶対に虫歯ができないというわけではありません。歯と歯の間や横の面は虫歯になりやすいですし、日々の歯みがきや歯医者さんでの定期的なチェックを欠かさず行うことで、より予防効果が高まります」

乳歯と永久歯が混在する時期は、歯ブラシの使い分けを推奨

美弥先生「年齢に合わせた歯ブラシを使うのが良いのですが、6歳臼歯が生えてくるときには、生えかけの背が低い歯は磨き残しがあったりするので、“ワンタフト”のような部分用歯ブラシを併用することをおすすめしています。

虫歯ができやすい場所というのは、年齢によって違っていて、小さい頃は前歯に虫歯ができやすいですが、4歳を過ぎるとそれが奥歯の歯の間に変わっていきます。
できるだけ毎日、フロスを使って歯の間に挟まっている食べかすや歯垢を取ってあげてください」

唐木隆史先生(以下、隆史先生)「また、子どもでも歯石はできます。歯垢が固まってできたものが歯石ですが、放っておくと蓄積して、口臭や歯周病の原因となってしまうので、仕上げ磨きの際に歯石ができていないか時々チェックしてあげてください。
もし歯石に気づいたら、ホームケアでは取り切れないので歯医者さんに取ってもらってくださいね」

顎が小さい現代っ子は、歯並びにトラブルがある傾向が大

現代の子どもたちは食べる際によく噛まないことから、顎がしっかり発達しないとも言われています。実際、子どもの歯並びに影響はあるのでしょうか。

隆史先生「確かに、近年の子どもたちの顎が小さいと言うのをよく耳にしますが、あるデータによると、顎の大きさは変化していなく、歯が大きくなっていると言われているのが有力です。

本来なら乳歯はすきっ歯が理想なのですが、最近はすきっ歯のお子さんを診る機会は珍しく感じています。すると、乳歯よりも大きい永久歯が正常に生えるのが難しくなってくるのです。
無理やり出てこようとするあまり、他の歯に重なって生えてしまうことから、歯の位置を治すために矯正を検討することになっていきます。

また、乳歯がなかなか抜けない場合は、乳歯の内側に永久歯が生えてきてしまう、いわゆる“二枚歯”が起こることもあります。この場合は乳歯を抜いて、永久歯を本来の位置に誘導します。
矯正のタイミングは、ケースバイケースでありますが、早めに始めるお子さんでは、上下の前歯4本が生え代わったくらいから始められることが多いですね。

当クリニックでは、もう少し早い段階で、お口の筋力トレーニングを提案するようにしています。頬を動かす“ブクブクうがい”や、舌を出したり、口を膨らませるといった運動によって、歯並びが多少変わってきたりすることもあるからです。

歯並びに問題があるお子さんは、食べるのが遅かったり、逆に丸飲みをして早かったり、滑舌が悪かったりと、口腔内の筋肉が未発達である傾向があります。ですから、お口の運動をすることで鍛えることも周知していく必要があると考えています」

美弥先生「歯並びが悪くなる原因を見つけるためにも、気になることがある場合は、専門の歯医者さんに早めに相談してください。
歯並びと言いつつも、問題は歯だけではないこともあります。姿勢や生活習慣など、普段の生活を見直すことが必要になってくるケースも多くあります」

隆史先生「歯並びには遺伝的な影響が強いと言われていますが、環境的な要因も大きいです。
例えば、頬づえをつくのは、顎に頭の重さがのしかかり、負荷がかかることで顎や骨がゆがんで、歯並びが悪くなるだけでなく、噛み合わせもずれてしまうといったリスクがあります。

また、口呼吸やうつ伏せ寝、普段の姿勢からもです。歯や顎の発達の妨げになることをしていないかを、ぜひ1度ご家庭でチェックしてみて下さい。普段からチェックして気づいてあげることが大切です」

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