今回は、たんぱく質の摂り方についてです。
やっぱり、たんぱく質は足りていない!
「クリニックには偏食少食で受診される子が多いのですが、血液検査をすると6~7割の子は、低タンパク血症。クリニックに来られる方は、お子さんの症状を改善しなければという意識のある方が多いのですが、一般的な『3食食べているから大丈夫だろう』と安心されている方のお子さんで、低たんぱく血症予備軍は多いかもしれないと思います。
国が推奨しているたんぱく質の摂取量の目安を見れば、日本の子どもたちは『かなり不足してます』という状態ではありません。例えば5歳で15kgの子だったら、一日あたり25gが目安です。ただ、それは体に影響を及ぼさない、病気にならないための数値。私たち研究者からすると『ちょっと足りないな』という数値なんです。
朝食・昼食・夕食、それぞれ手のひら1杯分のたんぱく質食材を食べることをおすすめします。たんぱく質は、体内に貯めておくことができませんので、毎食たんぱく質を含む食事を心がけてほしいです。
なかでも、卵は20種類のアミノ酸をバランスよく含んでいます。良質なたんぱく源なので、毎食取り入れましょう」
栄養バランスは性格にも影響する
栄養が足りない状態の月日が続くと、脳も栄養不足になり、こだわりが強くなってしまうこともあります。健康な脳はいろいろな選択ができたり、柔軟性をもって考えられるんです。
1995年の研究で、食事でたんぱく質をしっかり摂った人と摂らなかった人を比較したところ、『たんぱく質を摂らなかった人の攻撃性が増した』という結果が出ています。朝食でたんぱく質をしっかり摂った人は、『周囲の人をより受け入れることできた』という結果も出ました。朝食でしっかりたんぱく質を摂取すると、周りの人にやさしく接することができるということです」
2種類のたんぱく質を同時に摂取する
朝ごはんは、『納豆だけ』『豆腐だけ』『卵料理だけ』といったおかずにしてしまうこともあるかもしれませんが、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質の両方を同時に摂取すると、アミノ酸の組成のバランスがよくなるのでおすすめです。
これは、たんぱく質だけの話ではありませんが、多様な種類の食材を食べれば食べるほど、腸内微生物層が多様になるんです。免疫力が上がり、体調も安定します。
丼ものはごはんの量が多く、おかずが少なくなりがちです。すると食後の血糖値が急激に上がって血管を傷つけてしまうこともあります。一つの食事をドン!と出すよりも、少し手間はかかりますが、いろいろな食材を組み合わせた食事をとらせてあげてほしいですね」
たんぱく質は、空腹ホルモンを抑制する
私が必ず患者さんにヒアリングすることがあります。それは、朝ご飯のパターンについてです。
多いのが、パン。『ジャムをぬったり、ピザトーストにしてます』とか。あとはシリアル。ご飯はどっちかって言うと少ないけど、白いご飯にふりかけをかけて量を食べさせて、それでお腹いっぱいになっているようです。
そんな朝ごはんをちゃんと食べたのに、午前中から『何か食べたいな』『なんか疲れたな』と感じるようになる。
朝のたんぱく質摂取量がしっかり足りていれば、空腹ホルモンが抑えられる、という研究があります。朝どのくらいたんぱく質を摂るかによって、一日に分泌される空腹ホルモンが変わります。
もちろん炭水化物も必要です。炭水化物を摂らないと、たんぱく質の代謝ができません。『炭水化物だけ』という食事よりも、なにかたんぱく質を追加してみましょう。お味噌汁の具材はできれば2~3種類。卵を入れるのもいいです。
朝食で栄養バランスのよい食事をとることが、その日のパフォーマンスに関係します」
「医師が教える 子どもの食事50の基本」
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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