犬山紙子と考える!ママパパのモヤッと育児Q&A「本当に両立できる? 仕事と子育て」

育児に関する情報や世代間の価値観の違いなど、気になる疑問に犬山紙子さんが答えるシリーズ第8回

ライター:木下 千寿

育児中の気になるモヤモヤ疑問を、犬山紙子さんと一緒に考える

子育てしていると、ちょっと引っかかって胸の中にわだかまる事柄に行き当たったり、モヤモヤとして一言で言い表すのが難しい思いや疑問が浮かぶ瞬間があるはず。

「“悩み”というほどではないけれど、どうも腑に落ちない」「なんだか気になる」そんな話を、イラストエッセイスト、コラムニストとして活躍し、自身も6歳の娘さんの子育て真っ最中の犬山紙子さんと一緒に考えてみましょう。
犬山紙子
イラストエッセイスト、コラムニスト。2011年マガジンハウスからブログ本を出版しデビュー。2014年結婚、2017年に第1子となる女児を出産後、児童虐待問題に声を上げるタレントチーム「#こどものいのちはこどものもの」を立ち上げ、社会的養護を必要とする子どもたちへのクラウドファンディング「こどもギフト」メンバーとしても活動中。
「仕事と育児の両立に悩んでいます」
「職場に復帰して、家事や育児との両立に悩んでいます。『スキルアップしたい』という気持ちもあり、『かわいい子どもたちの成長をゆっくり見守りたい』という気持ちもあり……」(3歳男児/ママ)
育児も仕事も頑張りたい

愛情を言葉にして言葉に伝える

〈犬山さん〉
これは私も同じように悩みました! 子どもの愛らしい姿、永遠に目に焼き付けていたい! しかし仕事も大好き。私はフリーランスなので、仕事を断ると「次、依頼が来なくなるかも……」という怖さがどうしてもつきまとうんですよね。それで土日も毎週のように仕事を入れていた時期があったのですが、「土日は私自身も、子どもと過ごしたいなあ」と悶々としてしまい、勇気が必要でしたが「基本的に、土日には仕事を入れない(月1まで可)」と決断しました。それが私にとってのベストバランスだったようです。

私は、「子育てのために仕事を辞めなければいけない」とは思いません。仕事で一緒にいられない時間があるなら、そのぶん一緒にいられる時間を濃くすればいいという考えです。そして一緒にいる時間に、子どもにめっちゃ愛を囁くんです。「離れている間めちゃくちゃ会いたかったよー!」とか「一緒にいられて、めちゃくちゃ幸せだよ♡」とか。子どもがやりたい遊びや、読んでほしい本を読むなども、長時間できないことに罪悪感が生まれてしまいそうになるけど、短時間でもスマホを置いて集中してやっています。また、お母さんがやりがいを感じながら仕事をしている姿を見せる、というのも子どもにとってすごくいいことだと思います。

「自分が愛されてる」って毎日しっかり感じられたら、子どもも分かってくれるかなと思うし、自分自身のモヤモヤも少し解消されて、いバランスで子どもと一緒にいられる気がしています。
働きながら子どもの成長を見守る
また、「家事育児の両立に悩んでいる」ということなので、相談者の方にはきっと、自分の時間がほとんどないのではないかと思います。お子さんがまだ3歳だと罪悪感があるかもしれませんが、ぜひ自分の時間を作ってほしいですね。パートナーの方に「私は、私の時間がないと苦しい」と伝え、頼ってください。

自分の時間って費用対効果がいいと、私は実感しています。

たとえば女友達と飲む時間をもつだけで、1週間の仕事を頑張れたりするんですよね。そこで1回リセットできて、心のゆとりが生まれて、頭も気持ちも切り替えられる。そうして帰ったら、子どもをより愛おしく思える。

だから私は、ときには子どもとの時間を削ってでも、自分だけの時間を作るようにしています。行く前は「離れるのが寂しいよ」と子どもに伝えて、自分の時間をめいっぱい満喫し、帰ってから「待っていてくれたの? 会いたかったよ~」とギュッと抱きしめる、というのが恒例です(笑)。

仕事の内容にもよると思いますが、働きながらでも子どもの成長を見守ることはできます。もちろん、仕事を休むことも悪いことではありません。どちらのほうが「自分」がイキイキするのかを基準に選んでほしいと思います。
写真(犬山紙子)/岩田えり 取材・文/木下千寿 写真提供:NORi/PIXTA(ピクスタ) 、Fast&Slow/PIXTA(ピクスタ)
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きのした ちず

木下 千寿

ライター

福岡県出身。大学卒業後、情報誌の編集アシスタントを経てフリーとなる。各種インタビューを中心に、ドラマや映画、舞台などのエンターテイメント、ライフスタイルをテーマに広く執筆。趣味は舞台鑑賞。

福岡県出身。大学卒業後、情報誌の編集アシスタントを経てフリーとなる。各種インタビューを中心に、ドラマや映画、舞台などのエンターテイメント、ライフスタイルをテーマに広く執筆。趣味は舞台鑑賞。