「夜泣きがひどい」 いつまで続くの? 発達心理学者が答える夜泣きの対処法

こんなときどうする?子育てQ&A#2「夜泣きがひどい、どうして?」

夜泣きがひどい。いつまで続くの? 写真:アフロ
夜泣きは生まれて数週間目から始まります。
長時間続けて眠ってくれないお子さんの場合、親は疲れるし、心配ですね。
発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「寝ているときに何度も目を覚まし、ひどく泣きます」(1歳・女の子)

何度も目を覚ましてしまうのはどうしたらいい? 写真:アフロ

規則正しい生活を意識しましょう

人間は朝明るくなると目が覚め、夜暗くなると眠るという、自然とともに生きる生き物としての生体リズムがあります。

生まれたばかりの赤ちゃんにはまだリズムがありません。夜泣きはリズムがうまく機能せず、不安定なことが影響しているといわれています。

1~3歳の子どもたちは、生体リズムを獲得している真っ最中。リズムは毎日の生活を通して身についていくものですから、親御さんは、子どもに規則正しい生活をさせることを意識してください。

朝おおよそ決まった時間に起きる、朝食をとる、昼間は太陽を浴びて活動する、夜更かしをせず寝る、というシンプルな生活をできるだけ心がけましょう。

一日のサイクルが繰り返されることで、だんだんとリズムが身につき、夜の眠りが深くなれば夜泣きもおさまっていくでしょう。

「夜泣きがひどく、寝不足で発育に影響が出ないか心配です」(1歳・男の子)

寝不足になっていないか心配です・・・。 写真:アフロ

おおらかな気持ちで受けとめましょう

子どもたちは大人と違い「生まれて初めて経験すること」がいっぱいありますね。
毎日、ドキドキワクワクしているので、興奮がさめず、夜泣きをするということもよくあります。

「睡眠時間が足りていない」と深刻にならずに、「今日もドキドキしたんだな」と、おおらかに受けとめましょう。

寝る前には興奮状態から落ち着けるよう、穏やかな雰囲気作りをしましょう。強い光や刺激は脳を興奮させるので、テレビやタブレットを見せるのは控えます。部屋を暗くし、ゆったりと安心できる環境を整えてください。

「夜泣き、寝言がすごいです。いつになったら朝まで寝てくれるのでしょうか?」(2歳・男の子)

いつになったら朝まで寝てくれるのでしょうか? 写真:アフロ

個人差がありますので心配しなくても大丈夫

2歳くらいになると、深い眠りのノンレム睡眠と浅い眠りのレム睡眠の区別がついてくるといわれています。 
寝言は、夢を見ているレム睡眠のときにおこります。
大人と同様個人差がありますので、心配しなくても大丈夫です。

睡眠時間にも個人差があるので、他の子と比べると不安になるかもしれませんが、活動量がグンと増える集団生活が始まるころには長時間眠るようになっていくでしょう。
 
夜泣きは、対応する親は大変です。
家族交代で応対したり、親が寝不足のときは、頼れる所へ子どもを預けて休むなど、ひとりで抱え込まないようにしてください。
文/久世恵美
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。