子どものかんしゃくの原因と対応法は? いつまで続く? 発達心理学者が回答

こんなときどうする? 子育てQ&A#104 子どものかんしゃくにどう対応したらいい?

教育学博士:渡辺 弥生

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寒い、暑い、お腹が空いたなど、赤ちゃんのころは、みんな泣いてママパパに助けを求めていました。

月日はそれからちょっとしか経っていません。

発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「子どものかんしゃくにどう対応したらいい?」(3歳・男の子)

子どものかんしゃくにどう対応したらいい?  写真/Adobe Stock

なぜ、かんしゃくを起こすんだろう?

1~3歳になると赤ちゃん時代に比べて、怖い、悔しい、悲しいなど感情の種類は豊かになりますが、それを表現する力はまだ未熟です。

言葉もうまく使えないし、わき上がる感情をコントロールする力もありません。

そのため「もっと遊びたい」「自分でやりたかった」など、言葉でいえばすむことでもかんしゃくを起こして、激しく泣いたり、暴れたりしやすいのです。

その強さや長さには個人差はありますが、この時期のかんしゃくは特別なことではないのです。

これが頻繁だと、「あ~、またか!」とイライラすることもあるでしょう。

でも、けっして育児の仕方が悪いわけでも、困った子だからというわけでもありません。

まだ未熟な年齢だと理解してあげられると、ママパパのつらさも軽減するはずです。
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気分転換や気持ちを代弁する対応を

かんしゃくを起こしたときに声をかけたり叱ったりするのは火に油を注ぐも同然です。

安全に気をつけて、しばらく見守るのも方法です。

それで少しおさまったら、場面を変えるなどして気分転換をしてあげましょう。

外出先なら、抱いて人けのない場所に移動すると、ママパパも対応しやすいですね。

もし理由がわかれば「○○したかったの?」などと気持ちを代弁して、そんなときはどうすればよいのかという解決策を具体的に話してあげます。

もちろん、すぐにはそれを実行することはできません。

でも「こういうときはこういえばいい」「こうすればいい」という「学び」につながっていきます。

同時に、なにが引き金になりやすいのか、どうしたらおさまりやすいのかを観察してみましょう。

傾向がわかれば対策に役立ちます。

そして、かんしゃくを起こさなかったときは、ほめてあげてください。

泣くことをガマンできたという自信になっていくはずです。

ひどいかんしゃくは言葉の発達とともにおさまっていきます。

小さなうちに感情を爆発させ、適切な対応を受けてコントロールの方法を学ぶことは、その子の生涯の財産になります。

今のかんしゃくは育ちのチャンスと考えて対応してあげられるといいですね。

文/宇野智子 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
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わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

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