「熱性けいれんって?」発熱した子どもの注意すべき症状、対応を現役小児科医が解説

いつ冷やす? 解熱剤は必要? 自宅でできる対処法を紹介! 現役小児科医テルの「子どもの救急相談室」#9

小児科医:小児科医 テル

救急車を呼ぶタイミングは?
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テル先生は総合病院に勤務する17年目の現役小児科医。「正しい医療の知識をしってもらいたい」と2018年からInstagramを中心に、SNSで子どもの健康について情報発信しています。

そんなテル先生による、子どもがかかりやすい病気や注意したい事故・身の回りの危険、気になる子どもの発達など、子どもの「もしも!」に備えるママパパ必見のヘルスケア情報をご紹介します。
季節の変わり目、気をつけたいのは子どもの発熱。今回は、熱性けいれんに関する疑問を、テル先生が解説します。

【なぜ、けいれんするの?】

脳の発達が未熟なため、急な体温の変化が脳細胞を刺激してけいれんや、一時的な意識障害を起こす。急激な熱の上がり始めや下がりかけに起こりやすい。遺伝的な要因もあり、両親が熱性けいれんを経験していると、その子どもも起こす可能性が高い。

【何歳ごろ?】

生後6ヵ月~5歳ぐらいまでの3~8%の子どもに起きます。

【熱性けいれんの症状】

・両方の手足にピーンと力が入り、固くつっぱる。
・両手両足がガクガクと震える。
・白目をむき、唇が紫色になる。
・意識がなく、名前を呼んでも反応がない。

たいていの場合は、2~3分でけいれんはおさまります。短時間、単発で終わるものは脳への影響はありません。
安全な場所に寝かせて助けを呼びましょう

【対応策:安全な場所に寝かせて助けを呼ぶ】

対応①
【安全な場所に寝かせる】
・嘔吐しそうであれば、顔や体を横にむける。口の中に吐いたものが残っている場合は、口からかき出しましょう(窒息を防ぐため)。
・体を押さえない。
・衣類をゆるめて安静にする。
※けいれんで舌をかむことはありません。子どもの口の中に物や親の指を入れるのはやめましょう。

対応②
【助けを呼ぶ】
救急に電話をしましょう。初めてけいれんを起こした場合、ほとんどの親御さんが冷静に対応はできません。救急隊から電話でアドバイスがもらえるだけでも、落ち着いて対応できると思います。

対応③
【けいれんの様子を観察する】
救急車を待つ間、「体の一部だけのけいれんではないか」「どれくらいの時間けいれんが続いたか」を観察しましょう。スマホで動画撮影する必要はありません。電話は連絡を取るために使いましょう。

注意すべき「複雑型熱性けいれん」

「熱性けいれん」には「単純型」と「複雑型」があります。単純型の熱性けいれんは、自然におさまることが多く、予後は問題ないことがほとんどです。ただ、そのうち10%が受診がすぐに必要な「複雑型熱性けいれん」。脳や臓器に損傷が起きたり、呼吸不全に陥るリスクがあります。

「2人目の子どもだから自然におさまると知っている」「初めてではないから大丈夫」と油断せずに、経過に十分注意しましょう。

・けいれんが15分以上続く
・何回も繰り返す
・けいれんが体の一部、または片側だけ
・24時間以内に2回以上のけいれん
・けいれんがおさまったのち、意識が回復しない

これらのうち、1つでも当てはまれば、すぐに受診が必要です。すぐに救急車を呼んでください。


次回は、坐薬の使い方について解説します。
記事監修:小児科医テル、イラスト:原あいみ、、写真提供:Ushico/PIXTA(ピクスタ)
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しょうにかい てる

小児科医 テル

Shonikai Teru
小児科専門医

総合病院に勤務する17年目の小児科医。「親や、子どもに関わる人たちに正しい医療の知識をしってもらいたい」と思い、2018年からInstagramを中心にSNSで、子どもの健康について情報発信している。 Instagram:https://www.instagram.com/shonikaikuji/ YouTube:https://www.youtube.com/@shonikaiTERU

総合病院に勤務する17年目の小児科医。「親や、子どもに関わる人たちに正しい医療の知識をしってもらいたい」と思い、2018年からInstagramを中心にSNSで、子どもの健康について情報発信している。 Instagram:https://www.instagram.com/shonikaikuji/ YouTube:https://www.youtube.com/@shonikaiTERU

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki

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