この胴体の丸さはプロペラ機もジェット機もおなじです。飛行機はトンネルやエントツにつばさを付けたようなかたちですね。どうして、胴体は四角や三角でなくて、丸なのでしょうか? 探ってみましょう。
飛行機は地上の5分の1気圧の空を飛ぶ
飛行機は、地上から1万2000メートル前後の高さを飛びます。このとき飛行機の外の気圧は地上の5分の1ていど。とても低い気圧です。
なぜそんなに低い気圧になるのでしょうか。
空気は下へいくほど圧縮され重くなります。ですから空気は地上がいちばん重く、空気の量もいちばん多いのです。
気圧というのは空気の重さですから、地上がいちばん気圧が高く、上へいくほど低くなります。
気圧が下がると空気もすくなくなり、気温も下がってしまいます。気圧が地上の5分の1になると、飛行機の外の気温は地上にくらべ40℃から50℃ほど50度ほど下がります。地上が20℃だったら空の上は零下20℃から30℃という超低温です。
そこで乗客の安全のために、飛行機は外に空気や熱がもれないように密閉して、機内は地上に近い(地上の5分の4程度の)気圧にしています。
すると、飛行機の中と外で大きな気圧の差ができます。
気圧が下がると空気の量は減ってしまい、飛行機の外は気圧が低く、とても空気のすくない状態で、反対に飛行機の中は空気がたくさんある状態です。
空気には物を押す力があります。この押す力は空気の量が多いほど強くなります。
ですから、低い気圧のすくない空気も、飛行機の胴体を外から押していますが、飛行機の中のほうが空気がたくさんあるので、外よりずっと強い力で中から外へ向かって押しています。
中と外の押し合いでは、高い気圧の飛行機の中の空気のほうが強いので、風船がふくらむように、外へ向かって胴体をふくらまそうとするのです。
風船と同じでふくらみすぎると、飛行機の胴体も破裂してしまいますから、飛行機はこの圧力に耐えられなければなりません。
この力に耐えるのに、いちばんよいかたちが丸いかたちなのです。
丸いかたちは圧力に強い理由
丸いかたちじゃないと場所によって力がかたよって、力が集中したところからこわれやすくなってしまいます。
丸いかたちだと力が分散するので、中から外へふくらむ力や外から押す力にも強いのです。
潜水艦の胴体も飛行機と同じかたち
深くもぐればもぐるほど水圧は高くなります。
100メートルの深さでは、潜水艦を押す圧力は水面に浮かんでいるときの約11倍かかります。500メートルだと約51倍ですね。
潜水艦のかたちは、この水圧につぶされないためのかたちなのです。高い水圧に耐えるのに、いちばん強いかたちもやはり丸いかたちなので、潜水艦の胴体も丸いかたちをしています。
飛行機は高い空の上、潜水艦は深い海の中という正反対の環境ですが、どちらも同じかたちをしているのです。なんだか不思議な気がしますね。
丸い胴体は空気や水の中を進みやすい
丸いかたちには、空気や水の抵抗がちいさく、スピードを出しやすいという長所もあります。
飛行機や潜水艦のように丸い胴体で後ろのほうへいくほど細くなっている、水滴のようなかたちは流線形といわれるかたちです。
空気や水の抵抗がちいさければ、それだけスピードを出しやすいのですから、丸い胴体は強くて速いかたちということもできるのです。
謎のこたえ 圧力に強いしスピードも上がる形だから!
テレビマガジン編集部
日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『テレビマガジン 公式動画チャンネル』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。 【SNS】 X(旧Twitter):@tele_maga Instagram:@tele_maga
日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『テレビマガジン 公式動画チャンネル』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。 【SNS】 X(旧Twitter):@tele_maga Instagram:@tele_maga