消防車はどうして赤いハコの形なの? ~身近にある物のかたちの謎を解き明かそう!~

物のかたち図鑑 チャプター12 ~消防車のかたち~

テレビマガジン編集部

火事が起きたときに、まっさきにかけつける消防車。

真っ赤なボディーで大きなサイレンを鳴らしながら走る姿を見ると、どこで火事が起きたのか、ちょっと心配になりますけどたのもしいですよね。

トラックほどの大きさの消防車は後ろに赤い大きな箱をつんでいます。なぜ箱をつんでいるのでしょうか。放水するときのホースはどこにあるのでしょうか。

じつは、あの四角い箱の中に火を消すための大事な道具が、一番使いやすいかたちで入っているのです。
消防ポンプ車と放水する消防士さん  写真提供:東京消防庁
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真っ赤な箱を積んだ消防車のことを消防ポンプ車といいます。わたしたちが街で見かける消防車で、代表的なのがこの消防ポンプ車です。

消防車にはこの消防ポンプ車のほかにも、高いビルの火事で中に残された人を救助したり、火を消したりするときに活躍するハシゴ車、水では消せない油や薬品の火事で出動する化学車などがあります。

箱の中には、何がある?

消防ポンプ車の箱の中に何があるかというと、まずホース。火を消すための放水用の長いホースはおりたたんで棚につんであります。

箱の後ろ側にある蚊取り線香みたいなうずまきに巻かれたホースは、消火のための水を吸い上げるホースです。

それに消火用の水を吸い上げる機械(ポンプ)と放水用の機械(ポンプ)の2台が箱の中に備え付けられています。ホースはたたんだり丸めて、それにポンプを上手に収めているので、つかいやすい長方形のかたちになっているのですね。
消防車の赤い箱の中

消火用の水はどこから

消防車の中にはタンクで水を運ぶ車もありますが、街の中の火事では、消火栓か消火用の水をためた地下のプールから水をもらっています。

消火栓とは、消火栓と書かれたマンホールの下にある水道管のことです。消火用の水がためてあるプールは、防火水槽(ぼうかすいそう)と書かれたマンホールの下にあります。

この消火栓にホースをつないだり、防火水槽にホースを入れて水を吸い上げます。この吸い上げた水を炎に向かっていきおいよくかけるのです。

ですから、消防ポンプ車には、放水用のホースと水を吸い上げるためのホースがつんであります。

またポンプも、水を吸い上げるときに使う真空ポンプと、放水するときに使う水をいきおいよく押し出す加圧ポンプをつんでいるのです。

ポンプを動かす動力源は、自動車のエンジン。ただし、消防ポンプ車のエンジンは、停車中でもポンプを全力で動かすために高速回転を続けているので、補助冷却装置を付けています。

ポンプ車のつよい力

消火栓マンホールの下にある水道管は、おうちに水を送っているふつうの水道にもつながっているものです。
そのため、消防車が強力なポンプで消火栓から水を吸い上げると、周りの家の水道の出が悪くなることがあります。

消火用の防火水槽。つまり水をためたプールは、大きなビルの下には必ず設備されていますし道路の下にもあります。

消防ポンプ車が水を吸い上げる力は、1分間に最大2200~2300リットル。放水するときは、こんなにすごい量の水ではとてもホースを持っていられませんから、1分間に500リットルくらいにしています。

1分間に500リットルの水を35度くらいの角度で上に向けて放水すると、35メートル先まで届きます。
放水する消防士とその反動
放水が1分間に500リットルくらいなのは、放水の反動が25キロの重さであるからです。

25キロの重さでも1分くらいなら、消防士さんはなんでもないですが、5分、10分と25キロの重さを腕や体で支え続けるのは消防士さんでも大変。

だから、放水するときは水のいきおいを下げているのです。

消防士さんの背負っているボンベはなに

消防士さんが火事の中で、人を救助したり火を消すときは、炎やけむりで満足に息ができないこともあります。背中のボンベには、そういうときに息をするための空気が入っています。

酸素ボンベのようにも見えますが、火事の中で酸素はとても危険なので、ボンベの中にはわたしたちがふだん吸っている空気(酸素20%ていど)が圧縮されて入っています。

ボンベの中の空気は最大で7リットル、理論上は35分間活動することができます。でも、炎や煙の中でそんなに長い時間いられませんから、25分くらい活動できる空気の量、4.7リットルくらいを入れています。
謎のこたえ 消防ホースやポンプをつんでいる

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日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『テレビマガジン 公式動画チャンネル』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。 【SNS】 X(旧Twitter):@tele_maga  Instagram:@tele_maga

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