エンピツがころがり落ちるとこまる
エンピツはいろんなところでつかいます。机の上にエンピツを置くこともあれば、ノートや本の上に置くこともあります。
立ったまま、エンピツでメモをとることだってあります。
たまたま置いたところがななめだったりすると、丸いエンピツではころがってどこかへいってしまいますよね。
だからエンピツは、ななめの場所に置いてもころがりにくいかたち、つまり六角形をしているのです。
そこにはもうひとつ、いえ、もうふたつの理由があるようです。
エンピツのかたちは3の倍数
3本のゆびをつかうので、ゆびはエンピツの3つの面にあたります。
四角いエンピツでは、3本のゆびだとちょっと持ちにくそうですね。3本のゆびで持つから、エンピツのかたちは3の倍数が基本になります。
つまり三角形、六角形、九角形、十二角形……ですね。
このうち角が多いもの、十二角形以上のものは、丸に近いかたちなのでころがりやすくなってしまってつかえません。
三角形も角のところにゆびがあたるとイタイですし、平らなところをうまくつかむのにすこしコツがいるので、つかいやすいかたちとはいえません。
のこった六角形、九角形ではつかみやすさでは同じような気がします。
でもエンピツをつくるとき、六角形であれば上と下に同じ台形をつくってはさめばできあがりますが、九角形は上下ふたつにわけにくく、六角形に比べてつくりづらいかたちです。
色エンピツはなぜ丸い
ですから、ころがりやすい丸いかたちをしていても、色エンピツはエンピツとちがって置き場所を選ぶことができますので、あまりころがる心配がありません。
また絵をかいたり、絵に色をぬったりする色エンピツは、人によっては2本のゆびで軽く持つこともあります。
そこで色エンピツは、自由にいろいろな持ちかたができるように丸くなっています。
色エンピツのしんは太い
それは色エンピツのしんは、エンピツのしんよりも弱いからです。六角形のエンピツのしんは、カンタンに折れてしまわないように、黒鉛(こくえん)という材料に粘土をまぜ、焼いてかためています。だから細くてもかたいのです。
色エンピツのしんは、粘土をつかわず焼いてもいません。色の材料とのりをまぜてつくっていますから、エンピツのしんよりやわらかくできています。
色エンピツのしんは、かたいとうまく色をぬることができないからです。
やわらかい色エンピツのしんは、エンピツのしんより太くつくられています。
色エンピツの太いしんのまわりを六角形の木で囲むと、角のところは木が厚く、面のところは木がうすくなってしまいます。木がうすいと弱いしんを守れません。
色エンピツの弱いしんを守るには、厚さが均等な丸い形がよいので、色エンピツは丸いかたちをしているのです。
でも、自由な持ちやすさとむかしからの習慣で、色エンピツはいまも多くが丸いかたちになっているのでしょうね。
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テレビマガジン編集部
日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『テレビマガジン 公式動画チャンネル』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。 【SNS】 X(旧Twitter):@tele_maga Instagram:@tele_maga
日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『テレビマガジン 公式動画チャンネル』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。 【SNS】 X(旧Twitter):@tele_maga Instagram:@tele_maga