ユウマの部屋。
朝日が差し込むなか、ベッドで目覚めるユウマ。
いつも起きているアパートではなく、一戸建ての家の一室だ。
仕事に間に合わないと、あわてて飛び起きる。
キッチンでは、K‐DAYで亡くなったはずの、ユウマの父テツヤとタカコがいた。
ユウマに、やさしく話しかける。
だが、ユウマは気づく。
これは、夢幻獣ギルバグが見せている夢なのだと。
ブラウン管のテレビの中から、ニュースを伝えていたリポーターが言う。
「希望は過去にしかない。地球を救うことなどあきらめて、夢の中に生きろ!」
すると、リポーターの顔がスイードへと変わり、テレビ画面の中から姿を現したのだった。
父と母と、このまま暮らすこともできるのなら……。
ユウマは迷っていた。
だが、この世界が現実になったら、SKIPの人たちはどうなってしまうのか?
シュウさん、リンさん、所長、ユピーは?
不敵な笑みをうかべたスイードが言う。
「夢が現実になれば、今までの現実は夢になる。それだけのことだ」
迷いが、ユウマの足をふらつかせる。
父のテツヤが言う。
「この夢を現実にするには、『さよならアーク』、ただ、そう言えばいい。その一言で、俺たちはずっと一緒に暮らせる」
言葉に詰まるユウマだったが、どうしてよいかわからず、両親の手を振り払って、部屋を飛び出したのだった。