あの日、あの時、胸躍らせて目撃したのは何だったのか? 今回取り上げるのは「11月11日」(2006年)。
『ウルトラQ』から『ウルトラマン80』までの昭和に放送されたウルトラマンシリーズと、物語が直接的につながっているのも特徴だ。
河原の廃屋に住み、ひたすら穴を掘る良少年。天涯孤独の良は、地球の環境調査にやってきたメイツ星人と心を通わせ、地中に隠した宇宙船を出現させる力を失ったメイツ星人を匿っていた。しかし、不良少年から良を守るためメイツ星人が超能力を発揮したことで、良は宇宙人だと疑われてしまう。そして、恐怖にかられた市民たちは良を襲撃。良を助けようと出てきたメイツ星人を警官が射殺してしまう。メイツ星人が死んだことで、彼が封印していた地球の怪獣・ムルチが復活。ウルトラマンジャックによりムルチは倒され事件は解決するものの、良はこの地球を去ろうとし、メイツ星人の宇宙船を探し続けたのだった。
以上が、『帰ってきたウルトラマン』第33話「怪獣使いと少年」(脚本:上原正三)のあらすじです。今回の『ウルトラマンメビウス』はこの「怪獣使いと少年」のその後を描いたエピソード。
メイツ星人が地球に飛来
地上に降りたミライは、テレパシーを送ってきたメイツ星人ビオと遭遇。彼は、ミライがウルトラマンメビウスであることに気づいていた。メイツ星人ビオは地球と友好を結ぶためにやってきたと言い、宇宙警備隊員であるミライが地球にいるため、怪獣を連れてきたと語る。地球人が怪獣は宇宙人の武器だと考えるように、メイツ星人ビオにとってメビウスは地球人の武器なのだ。
一方、フェニックスネストのサコミズ隊長たちは、過去の記録からメイツ星人の悲しい事件を知る。すると、話し合いは無意味だと感じたビオから通信が入る。その内容は、同胞が殺されたことに対する賠償として地球の20%の大陸を差し出せ、というものだった。
ビオは街を襲撃しようと宇宙船を向かわせ、GUYSは宇宙船の侵攻を食い止めようとする。すると、ビオはリュウに撃たれた傷が痛み、人間の姿になってその場に座り込んでしまう。そこに、アマガイ コノミ隊員がアルバイトをしていたみやま保育園の園児や先生たちがやってきてしまった。外見は人間だが、緑色の血を流すビオを宇宙人だと察した先生。しかし、ビオをかわいそうに思ったひとりの園児が彼に近づき、ハンカチを差し出した。