12月14日 ウルトラQ 現実から逃げたい男が異次元列車に迷い込む

今日は何の日? 「ウルトラ怪獣日和」 12月14日(1967年)

テレビマガジン編集部

『ウルトラQ』『ウルトラマン』の放送が開始され、ウルトラ怪獣が登場した1966年以来、半世紀以上にわたって脈々と続くウルトラマンシリーズ。作品ごとに子どもたちは、現実とフィクションとを一体に感じ、日々、ウルトラヒーローや怪獣たちに夢中になっていた。

あの日、あの時、胸躍らせて目撃したのは何だったのか? 今回取り上げるのは「12月14日」(1967年)。
宙に浮く路面電車。それは、この世界とユートピアを繋ぐ「異次元列車」の一つとみられる  ©円谷プロ
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『ウルトラQ』は、ウルトラマンシリーズ第1作目となる全28話のテレビシリーズ。巨大ヒーローが登場せず、星川航空パイロットの万城目 淳、助手の戸川一平、そして毎日新報カメラマンの江戸川由利子たちが怪奇な事件に遭遇する模様を描く。本作に出現した怪獣たちは以降の作品にも登場をはたし、過去にウルトラマンからウルトラマン80が地球に来ていたという設定の『ウルトラマンメビウス』(2006年~2007年放送)でも、本作の内容が反映されている。

万城目と由利子は、道で倒れているサラリーマンを保護する。彼は目を覚ますと、「あけてくれ!」と叫びはじめた。

1966年に初回放送された『ウルトラQ』は全27話で放送が終了しましたが、その際に放送が見送られたエピソードが1話ありました。それが、今回紹介する第28話「あけてくれ!」です。「あけてくれ!」は、1967年に『ウルトラQ』の再放送が行われた際、12月14日にはじめて放送されました。
「ウルトラ怪獣日和」、今日は何の日?

異次元列車に乗った沢村

1967年12月14日は『ウルトラQ』第28話「あけてくれ!」が放送された日です。一平を置いて、夜のドライブに出かけた万城目と由利子。ふたりは電話や締め切り、交通地獄など、嫌なもののない世界に行きたいと軽い現実逃避をしながらドライブを楽しんでいると、倒れている男性を発見する。轢き逃げされたと考えたふたりは、男性を保護するも、男性はただ酔っ払って寝ていただけだった。しかし、踏切で車が止まると、男性は目を覚まし電車を怖がるような素振りを見せ、「あけてくれ! 降ろしてくれ!」と叫びはじめる。

その男性・沢村は、酔って知らない列車に乗っていた。車掌に切符の確認をされるが、沢村は切符を持っていない。すると、車掌は沢村を、友野という男性のもとに連れていく。そこには、友野の他にも数名の人物がいた。友野によると、この列車は「みなさんが、いつも行きたいと言っていた世界に行こうとしている」らしい。そして、沢村たちは偶然列車に迷い込んでしまったという。沢村は、仕事や家族関係がうまくいっていなかった。そして、すべてを捨てて旅に出たいと思っていたことを、友野に指摘される。

すると、別の乗客が、友野が著名なSF作家であることに気づく。沢村は友野の話を信じようとしなかったが、窓の外には沢村の過去が映し出されていた。この列車は時間と空間を超越した場所を走っており、列車に乗った人たちの過去に向かおうとしていたのだ。そこで、自分を呼ぶ妻や娘を見た沢村は「あけてくれ!」と叫びはじめる。その後、沢村は電車の外に解放されたようだった。
次のページへ 無事に異次元列車から降りた沢村であったが…
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