獅童が亡き母の遺した「企画書」に涙 幼い息子たちに伝えたい「あらしのよるに」の揺るぎない言葉

『あらしのよるに』30周年記念インタビュー 第1回

ライター:山口 真央

自分らしく生きていればいつか必ず仲間ができる

獅童:2024年12月の歌舞伎座で上演した『あらしのよるに』では、7歳の陽喜(はるき)と5歳の夏幹(なつき)(年齢は2025年1月時点)も舞台に上がりました。

演じたのは、ガブとメイの子ども時代。役は本人たちに決めてもらいました。

ガブのとり合いになるかなと心配していましたが、意外にも長男の陽喜が女方もやってみたい気持ちがあるみたいで、すんなりと決まりました。

獅童さんを囲んで『あらしのよるに』を読む、息子の陽喜さん(左)と夏幹さん(右)。
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獅童弟の夏幹は、歌舞伎が大好き。ガブとして舞台に立つことも、楽しみにしていました。

12月の公演では、僕が2役で演じたガブの父から、夏幹が演じるガブに向かって「お前はお前らしく生きろ」という台詞を言うシーンがあります。

夏幹は生まれながら、指の数が少ないので、きっとこれからの人生でいろんな感情と向き合うことになると思います。

でも『あらしのよるに』のガブがメイと出会ったように、自分らしく生きていれば、自分のことを認めてくれる仲間が自然とできるはず。

夏幹も陽喜も『あらしのよるに』のお話を通して、それぞれに人生の大切なことを学んでほしい。自分の意思を持って、強く生きてほしいと願っています。

長男の陽喜さんは小学1年生(2025年1月現在)。「あらしのよるに」シリーズを熱心に読んでいました。

絵本『あらしのよるに』と歌舞伎の共通点

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