
初めて原稿で読んだ「あらしのよるに」は、読み終えるころには「本の完成形ができていた」ほど面白かった【作者対談】
OMO7旭川 by 星野リゾート スペシャルトークショー 前編 (3/3) 1ページ目に戻る
2026.06.19
記憶喪失のオオカミを描いたのはあべ弘士だけ
あべ:
『ふぶきのあした』では、吹雪の中、ガブとメイはあの山(大雪山)をスキーも履かずに越えるんですよ! しかも雪崩が起きてその下敷きになるんです。生還できないですよ、絶対に生き還れない。きむらゆういちは雪崩を知らないんだな(笑)。
大雪山でも人間が雪崩に巻き込まれるケースがあるけど、ビーコンやGPSがあって助かることはありますね。でも、ヤギもオオカミも、ビーコンもGPSも持ってないしね(笑)。そして本には「完結編」って書いてある。だからもうこれで終わりだと思っていました。
*ビーコンとは
携帯型無線機。雪崩にあった人の位置を、電波で仲間に知らせることができる。
『大型版 あらしのよるにシリーズ(6) ふぶきのあした』より 絵:あべ弘士
きむら:
もう本当に終わらせるつもりで書いたんです。
でも、読者の方から「完結編の続きはいつ出るんですか」と聞かれて、それでも完結したんだから、書かないぞ! と思ったんですが、たまたま小学校4年生の子どもから「あの雪山からガブが這い出してくる。と信じています」というメールがあって、最初はそれでもふたりの関係は書き切ったから、もう書かないと思いましたけど、その続きが頭に浮かんじゃって。
実はまだ書いてないことがひとつあった。あのふたりは力を合わせて困難を乗り越えてきたんでしょ。でも気持ちが変わるっていうこと。生きてれば気持ちが成長するっていうのもあるし、一緒に成長していけばいい。
でも、片方だけ成長しちゃうこともあるし、ふたりの気持ちにズレがあることもある。それを次の巻で「記憶喪失」というテーマで書こうと思い立ちました。
あべ:
物語を作る人は勝手に書けていいよ。でもさ、記憶喪失のオオカミってどうやって描くの? そして後には記憶喪失を治さなくちゃいけないんですよ。後で治るよね、記憶喪失。ほんと、絵描きは大変ですよ~(笑)。
ガブとメイの性別はどちらもオス
左・メイ 右・ガブ 絵:あべ弘士
あべ:
これはね、多くの人が勘違いしていると思うんだけど、オオカミのガブとヤギのメイはどちらもオスなんですよ。だから友情の話なんです。
きむら:
読者に聞くと半々くらいじゃないかな。
あべ:
まあ結局オスメス関係なく動物だもんね。いやでもね、話がだんだん進んでいくと、どうもね、恋愛ものに思えてくるんだ。だって最後はね、心中ですよ。だから絵もどうやって心中を完結させるかっていうふうに激しくなっていくんです。
──ますます内容が気になりますね。この続きは元編集者・野口満之氏を交えてのトークになります。
文:五十嵐 千恵子
アニメーションと朗読で心温まる「あらしのよるに」の世界観に浸る
旭川市は行動展示で有名な旭川市旭山動物園や、春夏秋冬で全く異なる表情を見せる豊かな自然が大きな魅力のひとつである地域です。
その魅力をOMO7旭川に宿泊している方にも感じてほしいという思いから、「動物」と「四季」をテーマにしたローカルリズムナイト「月灯りと動物たちの物語」を、2025年11月11日より開催しています。
その中では、旭川出身の絵本作家あべ氏と、きむら氏の世界的ベストセラー絵本「あらしのよるに」を動画にして上映しています(※動画は、OMO7旭川のご宿泊者および、動画上映会場のカフェ&バルのご利用者様にご鑑賞いただけます)。
〈ローカルリズムナイトとは〉
都市ホテルでの夜は夕食を済ませたら寝るだけになりがちです。しかし、OMOは「テンションあがる『街ナカ』ホテル」をコンセプトに、ホテルに戻ってきてから寝るまでの時間も、素敵なひとときを過ごしてほしいと考えています。そこで2024年より、夜のイベント「ローカルリズムナイト」を開催しています。
この名称は「ローカル Local」と「リズム Rhythm」を組み合わせた名称でその街が持つ独自の雰囲気を肌で感じながら楽しめるイベントです。各施設では、街からインスピレーションを受けた空間演出や、その土地ならではの文化体験、飲食提供を通年で行っており、宿泊者は誰でも参加することができます。
ローカルリズムナイト特設ページ
〈OMO7旭川(おも) by 星野リゾートとは〉
「OMO」は星野リゾートが全国に展開する「テンションあがる『街ナカ』ホテル」。街をこよなく愛するスタッフが地域の方々と仕掛ける、新感覚のホテル。
思いもよらない魅力に出会い、知らず知らずのうちにその街までお気に入りに。現在18施設を展開。2026年1月に開業した「OMO5横浜馬車道」に続き、4月には「OMO7横浜」が開業しています。
OMO7旭川 by 星野リゾート【公式】
OMO7旭川 by 星野リゾート
「新あらしのよるに」シリーズ
ガブとメイの物語は、まだまだ終わりません。「食うもの」と「食われるもの」の壁を超えて友情を育んだ2匹が、新しい仲間とともに「本当の家族」になれるのか。物語のテーマは、友情から家族の物語へと変化しています。前シリーズ同様子どもも大人も笑って泣けるストーリーです。
新あらしのよるにシリーズ3『ちょっとあぶないおともだち』(仮題)は、2026年冬刊行予定、乞うご期待!
「新あらしのよるに」シリーズ 1巻&2巻(3巻は、2026年冬刊行予定)


「大型版 あらしのよるに」シリーズ 全7巻







特設サイトにてシリーズ最新情報を配信中

あべ 弘士
北海道生まれ。旭川市旭山動物園の飼育係から絵本作家に。「あらしのよるに」で講談社出版文化賞絵本賞受賞、産経児童出版文化賞JR賞受賞。「ゴリラにっき」(小学館)で小学館児童出版文化賞受賞。『ハリネズミのプルプル』シリーズ(文溪堂)で赤い鳥さし絵賞受賞。「どうぶつゆうびん」で産経児童出版文化賞ニッポン放送賞受賞。他の作品に「わにのスワニー」、「えほんねぶた」(以上講談社)など。 あべ弘士HP「ギャラリープルプル」はこちら
北海道生まれ。旭川市旭山動物園の飼育係から絵本作家に。「あらしのよるに」で講談社出版文化賞絵本賞受賞、産経児童出版文化賞JR賞受賞。「ゴリラにっき」(小学館)で小学館児童出版文化賞受賞。『ハリネズミのプルプル』シリーズ(文溪堂)で赤い鳥さし絵賞受賞。「どうぶつゆうびん」で産経児童出版文化賞ニッポン放送賞受賞。他の作品に「わにのスワニー」、「えほんねぶた」(以上講談社)など。 あべ弘士HP「ギャラリープルプル」はこちら



































きむら ゆういち
東京都生まれ。幼児番組のアイディアブレーンなどを経て絵本・童話作家に。『あらしのよるに』で講談社出版文化賞絵本賞、産経児童出版文化賞JR賞受賞。同作品の劇作で、斎田喬戯曲賞受賞。『オオカミのおうさま』で日本絵本賞受賞。その他の作品に『きずだらけのリンゴ』『にんげんごっこ』『風切る翼』「おおかみ・ゴンノスケ」シリーズ、「よーするに医学えほん」シリーズなどがある。 きむらゆういちオフィシャルホームページ http://www.kimura-yuuichi.com/
東京都生まれ。幼児番組のアイディアブレーンなどを経て絵本・童話作家に。『あらしのよるに』で講談社出版文化賞絵本賞、産経児童出版文化賞JR賞受賞。同作品の劇作で、斎田喬戯曲賞受賞。『オオカミのおうさま』で日本絵本賞受賞。その他の作品に『きずだらけのリンゴ』『にんげんごっこ』『風切る翼』「おおかみ・ゴンノスケ」シリーズ、「よーするに医学えほん」シリーズなどがある。 きむらゆういちオフィシャルホームページ http://www.kimura-yuuichi.com/