
【子どものやけど】「水ぶくれはつぶしたほうが早く治る」は間違い! 正しいやけどの応急処置〔小児科医が解説〕
#15 令和の「子どもホームケア」~子どものやけど~ (2/3) 1ページ目に戻る
2026.01.26
小児科専門医:森戸 やすみ
子どもに多い事故のひとつ・やけど。東京都消防庁によると、令和5年にやけどの事故で救急搬送された1282人のうち、0~4歳が342人ともっとも多く、全体の約3割を占めています(※1)。
特に冬は暖房器具や加湿器などの使用頻度が高くなり、子どものやけどの心配が増える時期。やけどをしたときは、昔からよく「水ぶくれはつぶしたほうが早く治る」「アロエを塗るといい」などと言われますが、本当なのでしょうか?
やけどの正しい対処法について、森戸やすみ先生に聞きました。
水ぶくれをつぶすと感染症のリスクが上がる
やけどは、熱や火などによって、皮膚とその下の組織に損傷が起こる外傷のこと。医学用語では「熱傷(ねっしょう)」といいます。
皮膚は外側から、表皮、真皮、皮下組織という三層構造です。やけどによって皮膚の炎症が起こると、表皮と真皮の間に液体がたまって水ぶくれ(水疱/すいほう)ができます。
これは皮膚の壊れた部分を守ろうとする反応です。水ぶくれの中にある体液・滲出液(しんしゅつえき)には、細菌による感染を防いだり、皮膚の再生を助けたりする成分も含まれています。
「やけどの水ぶくれはつぶしたほうが早く治る」と聞いたことがあるかもしれませんが、その対処法はNGです。水ぶくれの表面の膜(水疱膜/すいほうまく)は、天然の保護カバー。つぶしてしまうと細菌感染のリスクが上がり、かえって治りも遅くなります。
医療機関でもつぶれかけているもの、大きなものだけを処置します。痛みがよほど強い場合、水ぶくれをつぶして減圧することがありますが、自己判断でつぶしたり、針で刺したりするのはやめましょう。
やけどをしたらすぐに水道水で15~30分冷やす
やけどの対処法は、赤ちゃんでも大人でも同じです。すぐに15~20℃の水道水で15~30分ほど、ヒリヒリ感や痛みがやわらぐまで冷やします。熱湯をかぶるなど、やけどの患部が広範囲で水道水で冷やせないときは、水で濡らしたバスタオルやシーツでくるんでください。
服におおわれている部分をやけどした場合、脱がせるときに皮膚が服にくっついて傷めることがあります。むりやり脱がさず、服を着せたまま水をかけたり、濡らしたタオルで服の上から冷やしましょう。
ただ、“冷やせば冷やすほどいい”というわけではありません。やけどをした患部は感覚がにぶくなっているので、冷やしすぎると皮膚を傷めたり、凍傷になる危険性があります。
保冷剤を使う場合は直接ではなく、清潔なタオルで包んで患部に当て、短時間にとどめます。市販の冷却ジェルシートは、粘着性があるので使わないでください。
やけどは、深さによって以下のように分類されています。
赤くなり、ヒリヒリとした痛みはあるけれど、水ぶくれがない「Ⅰ度」の場合、冷やして痛みがやわらいだら、傷の治りを助ける非ステロイド性抗炎症薬のアズノール軟膏やステロイド外用薬などの市販薬を塗って様子をみます。



































