子どもの「性教育」 3歳児〜小学校高学年〜高校生 家庭での伝え方を産婦人科が伝授
産婦人科医・小徳羅漢先生に聞く、本当に役に立つ「性教育」 #2 ~自宅で行う性教育編~
2024.10.10
産婦人科医・総合診療医:小徳 羅漢
自分と大切な相手を守るためになくてはならない知識が性教育です。学校における日本の性教育は妊娠の過程に触れてはいけないなど、諸外国に比べて大きく遅れています。
望まない妊娠や性感染症などを防ぐため、コンドームの使い方まで踏み込んで島の前高校生へ性教育を実践する産婦人科医の小徳羅漢先生は、性について「隠したり恥ずかしいことのようにしたりせず、フラットに正しい知識を伝えることが大切」と話します。
小徳先生に、我が子を性のトラブルから守るために、自宅でできる性教育について教えていただきました。
(全2回の後編。1回目を読む)
小徳羅漢(ことく・らかん)
産婦人科医・総合診療医。鹿児島県立大島病院に勤務。1991年、茨城県生まれ。2016年、東京医科歯科大学(現・東京科学大学)卒業。鹿児島市医師会病院で初期臨床研修後、18年に長崎県上五島病院、19年に離島へき地医療の最先端といわれるオーストラリア・クイーンズランド州で研修。20年から現職。街中で医師らに無料相談ができる「暮らしの保健室」を開催。2児の父。
興味を持ち始めたら正しい知識を伝える
──前回は奄美大島の高校生全員にコンドームを配り、実際に使い方を教える性教育を行われたお話をお聞きしました。今回は、自宅での性教育についてです。自宅で子どもへ性教育をする場合、どうすればいいのでしょうか?
小徳羅漢(以下小徳先生):小学校低学年くらいまでは、まずは「プライベートパーツ」について教えるところから始めるのがいいと思います。プライベートパーツとは、口や胸、性器、お尻など、他人が勝手に見たり触ったりしてはいけないところのこと。
ちょうど幼稚園生くらいになると、男の子と女の子という性別の違いに興味が湧いてきます。改めて教育をするというよりは、その子が興味を持つようになったときに、ちゃんと話してあげるのがいいのではないでしょうか。
小徳先生:その際に、性の話題を「恥ずかしい」「言いにくいこと」と捉えるのではなく、あくまで知識として正しく伝えることが大切です。
また、そのためには大人が性教育について学ぶことも必要です。今は『赤ちゃんはどこからくるの? 親子で学ぶはじめての性教育』(著・のじまなみ/幻冬舎)や『だいじ だいじ どーこだ?』(著・遠見才希子著/大泉書店)など、分かりやすい本がたくさん出ています。まずは保護者の方自身が読んでみるのもいいですね。