「幽霊」ではないghostの意味は? エンタメカルチャー発の英語【学校でも塾でも習わない ワザあり英語】

「英語でなんて言うの?」 知ってて差がつく“通訳者ママ”の「最新」英語表現 【連載】第32回 (2/2) 1ページ目に戻る

通訳者・翻訳家:神本 亜紀

音信不通になる

ghostの意味は「幽霊」や「お化け」であることは知られていますが、ghostの消えるというイメージからきているのか、近年では「音信不通になる」という意味でも使われています。

使われ方としては〈He/She ghosted me.(彼/彼女と音信不通になった)〉などで、恋愛のシーンでも登場しています。

日本でもエンタメカルチャー発の言葉はたくさんありますが、英語にも一般的になった言葉があるので覚えておくといいでしょう。

エンタメカルチャー発の英語

① Easter egg→隠しアイテムや思わぬサプライズ
キリストの復活を祝う「復活祭(Easter)」では、カラフルに装飾した卵を探し出すegg huntというゲームを楽しむ風習があります。これにちなんで、隠しアイテムや隠しコマンド、隠しメッセージなど、ちょっとしたお楽しみを表す言葉になっています。

② Binge-watch→いっき見する
bingeは、名詞あるいは動詞として使える単語で、過度な行動を意味します。すでにBinge eating(やけ食い/ドカ食い)やBinge shopping(爆買い)などの言葉があり、Binge-watchは派生系といえるでしょう。読み方は「ビンジ ウォッチ」。

③ Catfish→なりすまし
Catfishのもともとの意味は「なまず」ですが、2010年、米国で公開されたドキュメンタリー映画をきっかけに「なりすまし」の意味になりました。映画では、ある若者が10代の少女を装った40歳の主婦とネット上で交流する様子が描かれ、女性の夫が自分の妻の行動を、鱈となまずを同じ水槽に入れて輸送した話にちなみ、退屈しのぎに鱈を追いかける(時間潰しに他人にイタズラする)「なまず」にたとえたことから、この言葉が生まれたといわれています。Catfishはのちに、MTVでネット恋愛の落とし穴を描いたリアリティショーとしてシリーズ化され、単語はさらに一般語化しました。

新しい言葉は今も生まれています。聞きなれない単語や知っている言葉でもネイティブの使い方に違和感を覚えたら、新しい言葉や意味ではないか調べてみるといいでしょう。

あき先生のチャットルーム

劇作家ウィリアム・シェイクスピア発の言葉

ウィリアム・シェイクスピアといえば、数多くの戯曲や詩を残した人物ですが、動詞から名詞に、あるいは名詞から動詞にするほか、外国語から新しい単語を編み出すなど、たくさんの言葉を作った人物としても知られています。

ウィリアム・シェイクスピアに由来するといわれる英語

① gossip→うわさ話/うわさ話をする
② addiction→中毒、依存、熱中
③ lonely→孤独な

gossipは名詞だったものを、シェイクスピアが動詞化したといわれています。また、addictionはラテン語addictionemの語尾を削除して新語にしたといわれ、lonelyは、lone(単独の)という言葉を形容詞化したとされています。

シェイクスピア作の原書を読むことは単なる英語の勉強になるだけでなく、別の知識ももたらしてくれそうです。

【学校でも塾でも習わない ワザあり英語】 読まれている記事はこちら↓

かつては“英語音痴”……第2子出産後の30歳から英語を学び直し、今は通訳者・翻訳家として活躍する神本亜紀(かんもと あき)さんの「英語勉強法」を解説した記事は⬇︎下のバナーからどうぞ!

【関連書籍】

この記事の画像をもっと見る(全2枚)

前へ

2/2

次へ

25 件
かんもと あき

神本 亜紀

通訳者・翻訳家

大学で心理学を専攻しカウンセラーを志すも、学生時代に夫と出会い、卒業後に結婚・出産。英語は大嫌いだったものの、子育て中に出会った英語教育に熱心なママ友や、勤め先からの勧め、我が子の英語教育を前にして親もある程度の英語力がないとダメだと自覚したことで、2人目の子どもを出産後、30歳から英語を真剣に学び直しし始める。 現在は社内通翻訳として勤務するかたわら、フリーランス通訳として各種国際イベントなどで活躍。英検1級までは約5年、TOEIC990点(満点)は約13年かけて到達。英語はいまでも毎日、アップデート中。 ・note(ブログ) https://note.com/englishpuppy/

大学で心理学を専攻しカウンセラーを志すも、学生時代に夫と出会い、卒業後に結婚・出産。英語は大嫌いだったものの、子育て中に出会った英語教育に熱心なママ友や、勤め先からの勧め、我が子の英語教育を前にして親もある程度の英語力がないとダメだと自覚したことで、2人目の子どもを出産後、30歳から英語を真剣に学び直しし始める。 現在は社内通翻訳として勤務するかたわら、フリーランス通訳として各種国際イベントなどで活躍。英検1級までは約5年、TOEIC990点(満点)は約13年かけて到達。英語はいまでも毎日、アップデート中。 ・note(ブログ) https://note.com/englishpuppy/