〔海外移住〕覚悟が足りなかった自分を大反省 ニュージーランド移住ママが今でも悔やんでいること

ニュージーランドで子どもを育てるってどんな感じ? 海外で日本人夫婦が子育てをするコツ #1

末娘・はるかさんの8歳の誕生日に撮った家族写真。左から山口一夫さん、静さん、次女・はるかさん、長女・すみれさん、長男・奏一郎さん。 写真提供:山口静

仕事の都合で海外生活をする家族もいますが、子どもの伸びやかな育ちやグローバル社会に対応する力を育むため、あるいは家族との時間を確保するためにあえて海外での子育てを選択する家族もいます。

いずれの場合も新しい世界に胸を弾ませ、移住して良かったと思う一方で、時には文化の違いや理想とのギャップに驚くことも。また、言葉の壁が精神的な負担となって心が折れそうになることもあります。

移民大国と呼ばれるニュージーランドで生活をしている山口静さんと夫の一夫さんに、日本人夫婦が海外で子育てをするコツ、メリットやデメリット、ここに至るまでの失敗談などをうかがいます(全2回の1回目)。

◆山口 静(やまぐち しづ)
埼玉県出身。ニュージーランド(NZ)・ハミルトン在住。
2005年に日本人の夫とNZ・オークランドへ移住。2006年に長女を、2008年に長男を日本に一時帰国して出産し、NZで子育てをする。2009年、夫の仕事の都合でNZ・ハミルトンに引っ越す。2014年に永住権を取得した翌年、次女をNZで出産する。現在、17歳、15歳、8歳に成長した子どもたちを夫とともに二人三脚で子育て中。

【ニュージーランド移住者が語る 海外で日本人夫婦が子育てをするコツ:第2回を読む】
※公開日までリンク無効

今のままでは子どもとの時間は取れない……から移住計画が始まった

ニュージーランド第4の都市であるハミルトンは、国内最長のワイカト川が街の中心を流れる自然豊かな場所。この土地で17歳、15歳、8歳の3人の子どもたちと暮らす山口静さんと夫の一夫さんは、約19年前に海外移住を選択した夫婦です。

ニュージーランドへの移住の経緯を妻の静さんは次のように話します。

「私は中学生のころに、父親の仕事の都合でニュージーランドに1年間だけ住んだ経験があります。両親はその後も日本とこちらを往復していましたし、兄がすでに移住していたこともあって、ニュージーランドはもともと馴染みが深い土地でした。

その背景もあって、この地で結婚式を挙げたことが移住のきっかけです。自然に囲まれ、時間の流れがゆったりしていることに夫が魅せられたことから始まります」(静さん)

一夫さんは当時、サーフィンにハマっていて、クオリティーの高い波が楽しめることもニュージーランドを気に入った理由でしたが、移住の一番の目的は家族としての暮らしのあり方だったそう。

「夫と出会ったとき、彼は運送会社で働いていて、早朝から夜までずっと働き詰めでした。そんな毎日でしたから、家族を持ったら子どもとの時間は取れないだろうと以前から思っていたようです。

また、運送業は肉体的にも厳しい業界です。このままどこまで働けるかという不安も抱いていたようですし、身の回りのすべてに窮屈さも感じていました。

そこにニュージーランドに接点のある私が現れて結婚したことで、彼の中で『日本じゃなくてもいいのではないか』という気持ちが膨らみ、一気に移住がかたちになっていったみたいです」(静さん)

一夫さんを魅了したニュージーランドの自然。伸びやかな雰囲気が伝わってきます。 写真提供:山口静
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