〔海外移住〕覚悟が足りなかった自分を大反省 ニュージーランド移住ママが今でも悔やんでいること

ニュージーランドで子どもを育てるってどんな感じ? 海外で日本人夫婦が子育てをするコツ #1

移住に備えて2年間の貯蓄

夫の一夫さんは、忙しいけれど金銭的には安定的な生活をしており、かつ静さんとの結婚に恵まれて、周りから見れば公私共に充実しています。ですが、安定した日本の暮らしではなく、ニュージーランドを選択しました。

「結婚式でニュージーランドへ行ったときに、夫はすでに『こっちに住みたいな』と言っていました。そのこともあって、帰国後すぐに彼から移住の話をされました。

何につけてもお金は必要ですし、現地で仕事を探そうと思っていたので、とにかく二人で最低限の生活ができるくらいの貯蓄をしようという話になったんです」(静さん)

お金を貯めた期間は約2年間。この期限にもワケがあります。

「お金をある程度貯められる時間であったことと、夫がワーキングホリデー制度を利用できるギリギリのタイミングが2年後だったんです。だから、2年後の渡航を目指して頑張ろうということになりました。

ただ、ワーキングホリデー制度は海外で一定期間生活ができる特別なビザ制度でしたし、夫は英語がまったく話せなかったので、渡航をしても、彼が1年で海外生活を諦めるのであればそれはそれでいいかな……なんて思いながら、私はお金を貯めていました。

長い人生の中で、二人で一時的に海外に住む経験をしてもいいかなって」(静さん)

「覚悟」が足りなかった自分を大反省

2005年、一夫さんの31歳の誕生日を前に山口夫婦はニュージーランドへ渡航します。とはいえ、静さんはワーキングホリデー制度が使えない年齢に達していたため、日本とニュージーランドを行ったり来たりする生活を送ることになります。

さらに、海外生活を始めてすぐに長女の妊娠にも恵まれました。

「ニュージーランドに渡ったものの、初めての子どもができたこともあって、私は日本に帰るのもまんざらではありませんでした。

ですが、そんなときに永住したい、永住権を取りたいという夫の強い意志を知って、自分の覚悟のなさになんともいえない感情を抱きました。

また、私の『何事もなるようにしかならないし、なんとかなるさ~』という楽観的な資質も、中途半端さを高めていたと思います」(静さん)

覚悟したタイミングが遅かったので、長女を出産後にいろいろ大変だったと話す静さん。

腰を据えて住み始めたらなんとかならないことのほうが多く、「英語力もなんとかなりませんでした!」と笑います。さらに、夫の熱意に乗るかたちで移住する場合は、覚悟は早めが肝心だと当時を振り返りました。

日本での出産直後の一枚、第1子のすみれさんを抱く静さん。すみれさんは現在17歳となり、つい先日、高校を卒業。これから大学への進学を予定しています。 写真提供:山口静
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