子どもの「しあわせ脳」を育てる5つの金のルールとは 「夫のトリセツ」の黒川伊保子さんが解説

人工知能研究者がすすめる楽でリーズナブルな子育て #1 しあわせ脳を育てる「金のルール」

「早寝、早起き、朝ごはん、適度な運動、そして読書」金のルールは…誰もが知ってる方法

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脳をうまく制御するために、日々実行してほしい生活習慣を述べる。

私たちの脳の中では、脳神経信号を強めるアクセル役のホルモンと、脳神経信号を抑制するブレーキ役のホルモンがうまく連携することで、知恵やセンスを作り出し、記憶を定着させている。

写真:アフロ

脳神経信号を制御するホルモンが、出るべきときにうまく出ていること。じつのところ、脳をうまく動かすコツはそれに尽きる。つまり、自己充足のカギは、ホルモンにあるってこと。そして「早寝をしないとうまく出ないホルモン」「早起きをしないとうまく出ないホルモン」などがあるため、ホルモン分泌のカギは生活習慣にあるのだ。

そもそも、やる気、好奇心、集中力、発想力、ついでに言えば高身長としなやかな筋肉──これらすべてが、ホルモンによってもたらされているってこと、知ってました?

脳にとって、あまりにも重要なルール(とりあえず、これだけ守っておけば間違いがない子育てルール)……というわけで、私は、ホルモン制御のための生活習慣を、《金のルール》と呼んでいる。

金のルール、それは、「早寝、早起き、朝ごはん、適度な運動、そして読書」である。

あまりにも古典的かつ普遍的なルールで、笑っちゃった人もいるのではないかしら。「そんなこと、何をいまさら黒川先生」って、突っ込みを入れたりして(微笑)。

私自身、愛する息子のために脳の研究を何年も重ねたあげく、この結論に達したときは、「なんなの~。だったら、保育園の先生の言うことを、ちゃんと聞いてりゃよかっただけじゃん」と、ちょっとがっかりした。私と息子だけの子育てルールが見つけられるのを期待していたから。

ところが、いやいや、これがなかなか、脳科学で解説されると、子どもたちのために真剣にならざるを得ない緊張感に満ちてくる。どうか、ここでやめないで、読み進めてほしい。

よい睡眠のコツ

睡眠プログラムは、毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きると、その精度が上がると言われている。そう、つまり昔から大人たちが正義の御旗のように振りかざす「規則正しい生活」にも一理あったのである。

夜10時の入眠を目指すなら、8時半の入浴、その後、読書や勉強をしながら、9時45分には布団に入らなければならない。これって、小学生といえども、お受験組には難しいのではないかしら。ましてや現代の中高生には、至難の業かも。

入眠が多少遅くても、「よい眠りのコツ」を守ってくれれば、10時に寝なくたって挽回できる。ただし、そうはいっても、成長期の脳は、午前0時越えをしないほうが絶対にいい。

よい眠りのコツをまとめよう。

① 日没後はゲームやSNSはしない
「しない」が無理なら、遅くとも布団に入る1時間前にはスイッチオフ
ちなみに、パソコンでもテキスト画面はマシ、読書や勉強するのは大丈夫
② ほどよき時間に、お風呂に入る
③ 入眠習慣を作る
④ 起きる時間を思う
規則正しい生活(3パターンくらいの生活パターンに収める)が望ましい
⑤ 暗い環境で眠る
携帯電話を枕元に置かない。どうしても置きたいのなら、点滅が目に入らないよう、腰から下の位置に置く

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