2日で9時間 「探究学舎」のリアル講座で「元素にハマる子」続出! 子どもが前のめりになる「仕掛け」をスゴ腕講師が明かす

【今こそ学力観のアップデートをするとき】好奇心の種をまく探究学舎の学び#3 探究スペシャル・参加ルポ

探究学舎の「元素編」1日目には、親世代が元素といわれて真っ先にイメージする「元素周期表」は一切出てきません。まずは、「元素って何?」という問いからスタートします。

「みんな、チームで元素だと思うものを机に並べてみて!」という森田氏の声に、子どもたちは必死に自分の持ち物などから“元素らしきもの”を探します。その後、チームごとに集めたものを発表。鉛筆や消しゴム、ペットボトルのキャップ、缶バッチ、空気、中には「人間」など、おもしろ回答が次々に飛び出します。

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子どもたちの声を積極的に聞いていく講師の森田氏。  写真:川崎ちづる

森田氏が「発想がおもしろい」「お~、いいじゃないですか」などとコメントしていくと、「空気って元素なの?」「空気じゃなくて酸素じゃない?」と疑問をぶつけてくる子も現れます。それに対して森田氏は、「空気って元素なのかな?」「空気の中に入っているものが元素なんじゃないかという意見、すばらしい」など、それぞれの発言をしっかりすくい上げながら進めていきます。

次に、代表的な元素の紹介に入ります。その内容も、単にそれぞれの名前や特徴を伝えるだけではありません。「炭素は人の体の中にもあるんです!」「硫黄はオナラの匂いに近い(笑)」「銅は初詣に必須(10円玉の原料)」など、身近でちょっと笑える例などを交えて説明します。

子どもたちも楽しそうに合いの手をいれながら学びが進みます。  写真:川崎ちづる

「今紹介したものは、すべて『元素』。一つひとつが私たちの住んでいる、地球の材料です。でも、昔の人たちは、どの元素が何を作っているのかまではわからなかったんだ」。森田氏がこう話すと、今度は一気に古代ギリシャへとタイムスリップ。当時、水や空気、土、火が元素だと哲学者によって考えられていたことをコミカルに説明します。

古代の人々がそれぞれ主張を繰り広げます。  写真提供:探究学舎

「2000年以上もの長い間、この『水、空気、土、火が元素』という考えが変わることはありませんでした。が、ついに! 疑問を持った科学者が現れたんです。その名もロバート・ボイル。彼は、空気の中には、地球の材料となるもっと細かい何かが隠れているんじゃないか、と考えました」(森田氏)

それを確かめるためにボイルが行った、実験やその結果を紹介。さらにその後も多くの科学者たちが空気に注目し、「空気中にはいくつかのものが存在している」と考えるようになった経緯を説明していきます。

「でも本当に、空気にはさまざまな性質を持ったものが入っているのかな? 今日は実際にここで解き明かしたいと思います! 実験ターイム開始」と森田氏が言うと、子どもたちから「イェーイ!」「やったー」などの歓声が上がりました。

実験タイムを前に盛り上がる子どもたち。  写真提供:探究学舎
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