子どもの「好き」が歌に!? レ・ロマネスクTOBIと子どもたちの曲作りとは?

レ・ロマネスクTOBI×MOVEラボ研究員の曲作りプロジェクト#1

アーティスト:レ・ロマネスクTOBI

曲作りの最初の一歩「マインドマップ」とは?

次は、TOBIさんの講義です。第1回のテーマは、TOBIさん流の曲作りの技法のひとつ『マインドマップの作り方』でした。

「一番伝えたいことを紙の真ん中に書いて、そこから連想される言葉や擬音語や擬態語といった音をどんどん周りに書き込みます。そうして一つひとつ進めていくと、歌が広がっていくんです。

音はとっても大事で、例えば恐竜なら“ムシャムシャ”とか、何かを食べている音でもいい。いっぱい集めておくと、歌にしやすくなります」とTOBIさん。

また、好きな曲のどのメロディが好きか、好きな曲のどの歌詞が好きかをまとめておけば、曲が作りやすいとのアドバイスも。マインドマップ作りは、次回までの宿題となりました。

プロも顔負け? 子どもたちのマインドマップが完成

1ヵ月後の3月、第2回のワークショップが開催。この日は、前回の宿題だったマインドマップをみんなで見ながらTOBIさんが講評します。

ワニから連想されるさまざまな音でマップを埋め尽くしたはるき(12歳)、メロディまで作って音源付きで提出したしんご(10歳)、れお(9歳)をはじめ、熱のこもったマインドマップに「本当にすごい! みんなの思いがみなぎっていて、僕もがんばらなくちゃ!」と笑うTOBIさん。

特に「すぐにでも曲ができそう」とTOBIさんが太鼓判を押したのが、まさたか(15歳)と、はるか(15歳)のマインドマップ。

まさたか(15歳)のマインドマップ真ん中は、イカをさばいているときに現れたと言うアニサキス!! 「アニサキスを擬人化させたらおもしろそう」とTOBIさん。
なまこを真ん中に広げていった、はるか(15歳)のマインドマップ。「これはプロの仕事! CMソングを作るときの企画書みたい。すぐにでも広告代理店に入れますね」とTOBIさん絶賛。

まさたか(15歳)のマインドマップの真ん中は、イカの調理中に見つけた寄生虫・アニサキスでした。

「“アニサキス”という言葉は、5文字で、日本のロックにピッタリな響きですね。どこかパンクっぽさ、デスメタルっぽさもある。

♪ア・ニ・サ・キ・ス~ 幾多の試練を乗り越えて~♪ とか、すぐにメロディができそうだし、アニサキスを擬人化して、人間に恋してしまった気持ちをラブソングにしてもいいかもしれない」と、TOBIさん。どんどんイメージがふくらんでいる様子です。

はるか(15歳)のマインドマップの真ん中はなまこ。なまこの文字からあふれだすように、名前の由来、英語名、特徴、大きさ、生息地など、なまこの情報が紙いっぱいに記されています。

「なまこってジェンダーレスで、敵に襲われても攻撃しない……今どきのSDGsな生きものなんですね。メッセージソングっぽいものができそうです」と称賛するTOBIさん。

次回に向けての宿題は、マインドマップを掘り下げた歌詞のベース作り。文字数合わせを意識した歌詞の作り方を教えてくれました。

「例えば、一番伝えたいことが『なまこには/せいべつがない/さいせんたんの/いきものだ』なら、5文字・7文字・7文字・5文字の組み合わせになる。

この組み合わせの歌詞が4グループぐらいあれば、曲の1番ができ上がります。俳句や短歌を作る感覚ですね。最後までは完成させなくてもいいので、がんばって挑戦してみてください」とTOBIさん。

いよいよ本格的な歌詞作りの段階へ。子どもたちがどんな歌詞を完成させてくるのか、次回が楽しみです。

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