100均素材でプロジェクターごっこ! 光の通り道を親子で大追跡

【おうちで実験教室】理系脳が育つ科学の見方・あそび方を専門家が徹底解説 100均素材で幼児にもわかる 

大人の腕の見せどころ 空き箱でミニシアターをつくろう

空き箱をつかってレンズとスマートフォンを固定すれば、ミニシアターをつくることもできます。カッターをつかうので、かならず大人がいっしょにつくりましょう

【必要なもの】

スマートフォン
虫メガネ(直径8cmのものを使用)
紙箱(B5サイズを使用)※向かい合う面の距離が20cm程度のものが最適
テープ
ダブルクリップ4個

撮影:Yuchi

【つくり方】

(1)紙箱の側面にスマートフォンと虫メガネの印をつける
向かい合う側面の中央に印をつけ、一方に長方形(縦はスマートフォンの本体幅、横は画面幅)、もう一方に円形(虫メガネのレンズ部分と同じ大きさ)の型をとります。虫メガネのレンズとスマートフォンの中央を向かい合わせることが大切です。

(2)穴をあけて部品を固定する
それぞれ、型通りにカッターでくり抜きます(カッターは大人が使います)。長方形の穴には、スマートフォンの厚さに合わせて紙箱の切れ端などをダブルクリップで写真のように4つはさみます。反対側には虫メガネのレンズ部分をはめ込み、持ち手をテープで固定します。

(3)箱を目張りしてスマートフォンを固定する
箱にすき間ができないようにテープで目張りをしたら完成! 見たい映像をスマートフォンで開き(スマートフォンの設定は前のページを参照)、ダブルクリップで写真のように固定します。

ダブルクリップの脚をたおして、スマートフォンの留め具にする。撮影:Yuchi

(4)部屋を暗くしてピントを合わせる
スクリーン(白いかべなど)に向けたら、部屋を暗くします。箱を前後させて映像がはっきりする位置をさがしましょう。

大成功! 撮影:Yuchi

大きくなったりさかさまになったり レンズのはたらきを「科学の目」で見てみると……

作図:Yuchi

スマートフォンから出た光は、レンズを通すと曲がる(屈折する)ので、さかさまになってスクリーン(かべ・天井)に映ります。上の図は、スマートフォンからまっすぐに出た光が、レンズで曲がって進むようすを表しています。光が集まっているところが焦点(しょうてん)です。

レンズから焦点までの距離(焦点距離)は、レンズのカーブの強さで決まり、丸いほど短くなります。たとえば、まん丸のビー玉は焦点距離がとても短くなるのです。

作図:Yuchi

スマートフォンからは、いろいろな方向に光が出ています。その光が集まってはっきりした映像に見える場所(スクリーンとなるかべや天井までの距離)は、「レンズの焦点距離」と「レンズからスマートフォンまでの距離」で決まります。

●「レンズからスマートフォンまでの距離」が長いと、「スクリーンまでの距離」が短くなり、映像が小さくなります。

●「レンズからスマートフォンまでの距離」が短いと、「スクリーンまでの距離」が長くなり、映像が大きくなります。ただし、スマートフォンまでの距離を焦点距離より短くすると、光が集まらないので映像が見えません。

これらのことを表した「凸レンズの実像の公式」というものがありますので、くわしく知りたい人は検索してみてください。

ペットボトルもレンズになります

水を入れたペットボトルもレンズと同じはたらきをします。この場合、スクリーンに集まった光を見るのではなく、進んでくる光を直接目で見ることになります。ですから、ペットボトルから、まっすぐ進んでくる光だけを見ているわけです。いろいろと試してあそんでみましょう。

距離が近い場合、虫メガネのように拡大して見える。撮影:Yuchi
作図:Yuchi
距離が遠い場合、左右逆に反転して見える。撮影:Yuchi
作図:Yuchi

ヒトの眼は超ハイテクなレンズで見えている!

カメラやヒトの眼も、レンズで光を集めています。カメラはレンズの位置を動かしてピントを合わせますが、ヒトの眼はもっとハイテク。レンズの丸みを変化させて焦点距離を変えることで、ピントを合わせているのです。この機能がうまくいかない状態を、近視や遠視と呼びます。

ちなみに、眼の中にあるスクリーン(網膜)には、逆さまの像が映っています。それなのにちゃんと見えるのは、なんと脳で反転するように情報を処理しているから。ヒトの身体は本当に高機能です。

レンズの仕組みがわかると、いろいろなものが見えてきておもしろいですね。

構成・文/湯地真理子

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さいとう みのる

齋藤 実

理科教諭・理学修士

都内私立中高一貫校理科教諭/理学修士。1960年東京都生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業、同大学大学院相関理化学修士課程修了、同博士課程中退。 専門は、物性物理。「シンプルで原理がわかる実験」を心がけながら、理科教育に携わる。自身の子育て経験を通して、幼児からの「実験あそび」を考案。

都内私立中高一貫校理科教諭/理学修士。1960年東京都生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業、同大学大学院相関理化学修士課程修了、同博士課程中退。 専門は、物性物理。「シンプルで原理がわかる実験」を心がけながら、理科教育に携わる。自身の子育て経験を通して、幼児からの「実験あそび」を考案。