SDGsが柱としている価値観に「持続可能であること」が挙げられます。
SDGsを達成するための取り組みは、一過性ではなく、続けていけることが大切です。
子どもがSDGsを学び、取り組みを継続していく。そんな姿勢を身につけるには、どうすればよいのでしょうか。
キーワードは「想像」と「創造」です。
連載第4回では、一般社団法人エシカル協会理事で、5歳と2歳の二人のお子さんのママである竹地由佳さんに、SDGsへの理解を深め、持続可能な行動につながる「想像」と「創造」のあり方を伺いました。(全4回の4回目。#1、#2、#3を読む)
「つくり手」になることで変わる意識
SDGsが目指す『持続可能な社会』を実現するためには、私たち一人一人が、自分が目に見える範囲だけでなく、『意識しないと見えない世界』についても想像力を膨らませて、考えてみることが大切です。ただ、想像するだけでは不十分だと竹地さんは言います。
「『想像してみる』だけでは、『自分ごと』として腑に落ちるところまでいかない場合もあります。想像を補完するために、自分で手や身体を動かす『創造』が不可欠となります。
『創造』というと、『子どもなのに何をすればいいの? 』と戸惑ってしまうかもしれませんが、簡単に言い換えると『つくり手になってみる』ということ。
第2回でお話しした『エシカル消費』では、自分が買うもの、使っているものが『どこで誰にどうやって作られたか』を想像して、『エシカルなものを選ぶ』という行動につなげました。そこからさらに一歩進んで、自分で作ってみたりすると、本当の意味で、その大変さや価値が理解できるようになります」(竹地さん)
「栽培」はつくり手の楽しさも大変さも実感できる!
子どもが「つくり手」となるには、「栽培」は最適です。野菜や果物だと収穫して食べるところまで楽しめるので、子どももよろこびますが、食べ物以外の選択肢もあります。竹地さんは今年、ちょっと変わった栽培」にチャレンジしていると教えてくれました。
「我が家では、ベランダで『コットン(綿)』を栽培しているんです。
コットン栽培には、食べる楽しみはありませんが、自分が毎日着ている『洋服』が、『何から、どうやってできるか』を知ることにつながります。大人なら『コットンが洋服の原料になる』ことまでは知っているかもしれませんが、実際に植物として花が咲き、その実がコットン(綿)になる様子を見たことがある人は少ないのではないでしょうか。
親も子も、新しいことを体験するのはワクワクするもの。息子だけでなく、私もコットンボールを収穫することを心待ちにしています」(竹地さん)
「コットン栽培は、種を発芽させるところからスタートします。湿らせた布の上に種を置き、室内で芽が出るのを待ちます。
発芽して少し大きくなったらベランダーのプランターに移し、野菜などと同じように水やりをして育てていきます。5月頃、10粒の種を播きましたが、夏の猛暑や台風などの影響で6株枯れてしまいました。生き残って成長を続けてくれている4株を大事に育てています。
息子はとても悲しがっていましたが、これも貴重な経験。栽培することの難しさ、大変さを、身を持って知ることができます」(竹地さん)