話す力を鍛える! 子どもに自信がつく発声方法とは?

プレゼンアドバイザー・竹内明日香さん#3 声の出し方のトレーニング

プレゼンアドバイザー:竹内 明日香

緊張したときに知っておきたい3つのステップ

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竹内さん「緊張すると硬くなるのは喉、口の周り、舌の3つの部分です。声がよく出るよう、次の3ステップでほぐしていきましょう」

1.口を開けて、エレベーターが下に降りていくように、喉の奥の方に向かって舌を下げる。
2.『ぶー』と声を出しながら唇をぷるぷる震わせ、次に舌を口の中でまわす。
3.「るるるるる」と早口で言ってから、『りる』『りる』と繰り返し言う。

竹内さん「1つめは、口を開けて、エレベーターが下に降りていくように、喉の奥の方に向かって舌を下げます。こうすると喉が大きく開きます。
2つめは、唇を柔らかくするために『ぶー』と声を出しながら唇をぷるぷる震わせます。次に舌を口の中でまわしましょう。10まで数えながら、飴玉を転がすみたいにまわして、口の周りを柔らかくしていきます。
3つめは、舌の緊張をとる動きです。巻き舌ができる人は巻き舌をしてみてください。もしくは「るるるるる」と早口で言ってみましょう。舌が緊張した場合は、『らりるれろ』が言いづらくなるのですが、母音の形が遠い『り』と『る』を繰り返すことで、滑舌がよくなります。ですので、『りる』『りる』と繰り返し言いましょう。これで舌の緊張をほぐしていきましょう。

ちなみにこの準備運動は、ぜひお父さん、お母さんも試してみてください。筋トレと一緒で、しっかり練習して準備をすると、いい声は作れるし、きっとプレゼンもうまくいきますよ」

喉のあき方で声の出し方が大きく変わります。  撮影:森﨑一寿美

パパママも知っておきたい、デジタル時代のオンラインプレゼン講座

現在はコロナ禍で、対面でのプレゼン講座の機会が少なくなりました。その代わりに増えているのがZoomなどを使ったオンラインでの授業です。

竹内さん「オンラインでは、日本全国だけでなく、海外にもプレゼン力の授業が届けられるようになりました。また、大人数への対応ができることが大きな魅力です。ただ、授業を重ねてみて思うのは、話す力もまた、オンライン対応を迫られています。

例えば、大人数の中で自分の意見を言うときがありますよね。遠慮をしていると、永遠に自分の番は回ってきません。しかし運転中の車線変更と一緒で、車の流れを見てしまうと入れないけれど、“今だ!” というときにアクセルを踏むと、ぐいっと入れる。人の話をただ聞いているのではなく、他の人が話していても、今だ! と思ったときは、重ねてしゃべるぐらいの強引さが、オンラインでのコミュニケーションが当たり前の今、必要になっていると思います。

他にも、わかっているのか、わかっていないのかが不明な薄い反応ではなく、体全体を使って大きなリアクションで反応する“表現力”や10秒で自分の名前と言いたいことをぐっとまとめる“要約力”もとても大切です。オンラインでは他の人が割り込んできて結論まで話せないこともあるので、まず冒頭で結論をぱっと言えるテクニックも必要ですね。

新型コロナウイルスが落ち着いても、オンライン化されたもの全てが元のリアルのやりとりには戻らないと考えられます。子どものうちからオンラインのやりとりに慣れておくことも、これからの時代の子どもたちには必要だと思います」

全3回にわたり、竹内さんから子どものプレゼン力の大切さを教えてもらいました。「声を出せば日本はもっと元気になる!」と竹内さん。話すことはとてもエネルギーが必要ですが、話せるようになると自信につながります。まずはご家庭で子どもの気持ちを聞く、気持ちを言う、というところからはじめてみてください。

取材・文 上坂美穂

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たけうち あすか

竹内 明日香

プレゼンアドバイザー

『一般社団法人アルバ・エデュ』代表理事。 東京大学法学部卒業。日本興業銀行(現みずほ銀行)にて、国際営業や審査等に従事後、独立。海外投資家向けに情報提供や日系企業の情報発信(企業プレゼン等)支援を提供。2014年、子どもの「話す力」の向上を目指す『一般社団法人アルバ・エデュ』を設立。2022年現在、話す力を育むプログラムを11の自治体に導入している。 株式会社日陸(2022年10月1日よりNRS株式会社)社外取締役。 公立小元PTA会長。二男一女の母の三児の母。『一般社団法人未来の先生フォーラム』理事。音羽の森オーケストラ『ポコアポコ』主宰。 子どものプレゼン教育に関する最新著書『すべての子どもに「話す力」を――1人ひとりの未来をひらく「イイタイコト」の見つけ方』(英治出版)を2022年5月に発売。

『一般社団法人アルバ・エデュ』代表理事。 東京大学法学部卒業。日本興業銀行(現みずほ銀行)にて、国際営業や審査等に従事後、独立。海外投資家向けに情報提供や日系企業の情報発信(企業プレゼン等)支援を提供。2014年、子どもの「話す力」の向上を目指す『一般社団法人アルバ・エデュ』を設立。2022年現在、話す力を育むプログラムを11の自治体に導入している。 株式会社日陸(2022年10月1日よりNRS株式会社)社外取締役。 公立小元PTA会長。二男一女の母の三児の母。『一般社団法人未来の先生フォーラム』理事。音羽の森オーケストラ『ポコアポコ』主宰。 子どものプレゼン教育に関する最新著書『すべての子どもに「話す力」を――1人ひとりの未来をひらく「イイタイコト」の見つけ方』(英治出版)を2022年5月に発売。