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【子どものけいれん】約8人に1人が発症「けいれんしたら口にタオル」は危険!「けいれんの正しい対処法」〔医師が解説〕
令和の「子どもホームケア」#6~けいれんの対処法~
2025.02.18
小児科専門医:森戸 やすみ
てんかんや大泣き 胃腸炎もけいれんの原因に
子どものけいれんの多くは熱性けいれんですが、ほかにもけいれんを起こす原因はいくつもあります。ひとつが「てんかん」で、100人に1人くらいと、頻度の高い病気です。
てんかんは、脳の神経細胞同士のリズムが突然崩れて電気的な興奮が生じ、体が勝手に動いたり硬くなったり、意識を失ったりします。熱がなくても繰り返し起こるので、小児科に相談し、脳波の検査などを受けましょう。ほとんどの場合は、薬で症状をコントロールできます。
小さい子では「憤怒(ふんぬ)けいれん」(泣き入りひきつけ)もよく見られます。大泣きをした後に息を吸った状態で呼吸が止まり、徐々に顔色が悪くなって、けいれんを起こすものです。ほとんどは1分以内におさまります。生後6ヵ月から3歳くらいまでに多いですが、成長とともに怒りをうまく表出できるようになると自然に治るでしょう。
また、下痢や嘔吐した際に起こす発作を「胃腸炎関連けいれん」といいます。軽いウイルス性胃腸炎の後、体内の水分やミネラルが失われたことで起こる数秒間の短いけいれんです。やはり生後6ヵ月から3歳くらいまでに多く、繰り返すことはほぼありません。胃腸炎の治療として経口補水液を与えると、けいれんの予防にもなります。
〔小児科医:森戸やすみ〕
【子どものホームケアの新常識 その6】
けいれんを起こしたら、口には何も入れず、安全な場所で横向きに寝かせる。けいれんの持続時間を正確に測り、5分以上続いたら救急車を呼ぶ。
取材・文/星野早百合
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星野 早百合
編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。
編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。
森戸 やすみ
小児科専門医。1971年、東京都出身。一般小児科、新生児集中治療室(NICU)などを経験し、現在は都内のクリニックに勤務。『子育てはだいたいで大丈夫』、共著に『やさしい予防接種BOOK』(共に内外出版)など、医療と育児をつなぐ著書多数。『祖父母手帳』(日本文芸社)の監修も手がける。子どもの心身の健康や、支える家族の問題について幅広く伝える活動を行っている。
小児科専門医。1971年、東京都出身。一般小児科、新生児集中治療室(NICU)などを経験し、現在は都内のクリニックに勤務。『子育てはだいたいで大丈夫』、共著に『やさしい予防接種BOOK』(共に内外出版)など、医療と育児をつなぐ著書多数。『祖父母手帳』(日本文芸社)の監修も手がける。子どもの心身の健康や、支える家族の問題について幅広く伝える活動を行っている。