入園・入学後に増える発達の不安「猫背」や「内股」が原因かも? 理学療法士が教える身体のサインとは[専門家が監修]

理学療法士・池上悠さんインタビュー#1「子どもの言動を身体から見直す」 (2/3) 1ページ目に戻る

理学療法士・アスレティックトレーナー:池上 悠

増える相談の裏側にある子どもたちの変化

新年度から少し時間が経ち、新しい生活にも慣れ始めた時期。クラスでのわが子の言動が、より目立って見え、気になってくることがあります。先生から指摘を受けたり、周りの子と比べて、落ち込んだりあせったりしていませんか?

長年、発達障害の診断を受けた子どもや、発達が気になる子どもの運動指導をしている理学療法士・アスレティックトレーナーの池上悠(いけがみゆう)さんは「入園・入学後は相談が増える」と話します。

なかでも多いのが、次の4つです。

1)自信がなく、友達と関わったり人前に出ることが苦手。
2)注意散漫で集中が続かない。待てない。
3)衝動的・感情的な反応で、すぐ怒ったり泣いたりしやすい。
4)動きがぎこちなく転びやすい。疲れやすい。

「最初は身体面の相談でも、話を聞いていくと情緒面の悩みが重なっているケースが目立ちます。結果的に『身体と気になる言動の両面』での相談になることが多いです」(池上さん)

また、池上さんは近年の子どもの運動能力について、ある特徴を感じているといいます。

「親世代が子どもだったころに比べて、“平均的に動ける子”が少なくなっている印象があります。『よく動ける子』と『そうでない子』の差が大きく、二極化が進んでいると感じます」(池上さん)

本来であれば、歩く・走る・外で遊ぶといった日常的な運動の積み重ねが、身体の土台をつくっていきます。しかし、近年は生活習慣の変化により、そうした機会が得にくいのが現状です。

都市部では思いきりボール遊びができるような場所が少なくなり、スマホやタブレットの使用は低年齢化が進み、座って過ごす時間が増えました。コロナ禍による外遊びの減少もまだ尾を引いていて、スポーツ庁の調査(※1)でも子どもたちの運動不足と体力の低下が続いています。

「運動ができる子どもは、スポーツ系の習い事などで継続的に身体を動かしているケースが多く、その経験の差がそのまま表れ、『よく動ける子』と『そうでない子』の二極化が進む原因の一つになっています。こうした身体経験の変化も、子どもの“身体の使い方”や発達に影響していると思います」(池上さん)。

※1=スポーツ庁「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」

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