性器を触る 人の裸に興味… 子どもの“性の困った”に助産師・思春期保健相談士が回答

助産師・思春期保健相談士の田中まゆ氏に聞く「子どもの性の困った!」#3〜お悩みQ&A〜

助産師・思春期保健相談士:田中 まゆ

公共の施設ではパパママがしっかり線引きを

子どもが幼いうちは、男の子がママと一緒に銭湯の女湯に入ることもあります。家のお風呂とは違う状況で、子どもの気になる行動について聞きました。

Q4:銭湯で母と女湯に入った息子が、ほかの女性の体を興味津々な様子で見ている。どう対応したらいい?

A4:公共の施設では、マナーを身につける必要があります。他の人を守るためにも親御さんがしっかり線引きした方がいいです。

お子さんの年齢にもよるかと思いますが、「他の人の体をジロジロ見るなら、もう銭湯へは連れて来られないよ」「もうそろそろ女湯には入れないから、男湯に入ろうね。ひとりで入れようになるまでは、銭湯には行けないね」など、親御さんがきっぱり伝えることが大切です。

余談ですが、公共の施設と異なる自宅のお風呂の場合、異性の親やきょうだいと入浴するのは「第二次性徴が始まるまでが目安」と性教育の講演では伝えています。

誰かのプライベートゾーンに触るのは子どもでもダメ

最後は、「子どもの無邪気なふるまい」ととらえていいのか悩ましいケースについてです。

Q5:子どもが他人(ママ友や祖母など)のおっぱいをやたら触ってしまう。どうしたらいい?

A5:プライベートゾーンは、その人自身の体の大事なところです。「子どもだから」「家族だから」のように、立場や関係性によって許されるものではありません。

「誰かのプライベートゾーンを相手の許可なく触ることはいけないよ」と、親御さんが繰り返し声をかけましょう。注意してもすぐに改善されないかもしれませんが、親御さんが一貫した態度をとることが大切です。

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田中さんへの全3回のインタビューを通じて感じたのは、プライベートゾーンについて理解することの重要性。自分や他者の体を大切にすることにつながることがわかりました。

最後に、これから性教育を始めようと考えているパパママに田中さんからメッセージです。

「子どもは、性を恥ずかしいものやいやらしいものと認識していません。話してみると、思わぬ反応が返ってきたり、面白いエピソードが生まれるなど、子どもとのやりとりが本当に楽しいです。まずは身構えずに始めてほしいと思っています」(田中さん)

子どもとの会話を楽しみながら、繰り返し伝えていく。日常のやり取りの一環として、気楽に臨めばいいと優しく背中を押してもらったような気分になりました。

田中さんと産婦人科医の山分ネルソン先生との対談を収録し、子どもへの性教育についてわかりやすく書かれている『みがまえなくても大丈夫!性教育は、こわくない』(著:田中まゆ、山分ネルソン/IAP出版)。

※助産師・思春期保健相談士の田中まゆ氏に聞く「子どもの性の困った!」は全3回です。
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たなか まゆ

田中 まゆ

助産師・思春期保健相談士

助産師。思春期保健相談士。クリニックに勤務しながら小中高等学校での性教育の講演や保護者向けに子どもの性教育を伝える活動を行なっている。SNSネーム「助産師まゆさん」として、TwitterやInstagramで情報発信を行う。2児の母。 Twitter  @mayu244ts Instagram @mayu244at

助産師。思春期保健相談士。クリニックに勤務しながら小中高等学校での性教育の講演や保護者向けに子どもの性教育を伝える活動を行なっている。SNSネーム「助産師まゆさん」として、TwitterやInstagramで情報発信を行う。2児の母。 Twitter  @mayu244ts Instagram @mayu244at

はた なおこ

畑 菜穂子

ライター

1979年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーに。主にWEBメディアで活動中。子育て、性教育、グルメ、企業の採用案件などの取材・執筆を行う。多摩地域で、小学生の娘(2012年生まれ)、夫と暮らす。 Twitter @haricona

1979年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーに。主にWEBメディアで活動中。子育て、性教育、グルメ、企業の採用案件などの取材・執筆を行う。多摩地域で、小学生の娘(2012年生まれ)、夫と暮らす。 Twitter @haricona