子どもの「乗り物酔い」 酔いにくい体質や環境を作る予防法・対処法 専門医がわかりやすく解説

耳鼻咽喉科専門医・細野研二先生に聞く「子どもの乗り物酔い」 #3 ~予防法と対処法編~

ほその耳鼻咽喉科 院長:細野 研二

自家用車に乗ったとたん、気分が悪くなってしまうお子さんもなかにはいます。その予防と対策とは?   写真:KeyRabbits/イメージマート
すべての画像を見る(全3枚)

「ほその耳鼻咽喉科」院長・細野研二先生に解説してもらう「子どもの乗り物酔い」。

前回では、心理的要因からの乗り物酔いと、成長するにつれて少しずつ酔いにくくなるというお話をしていただきました。

今回は、今、乗り物酔いで困っている子どもへ向けてできることについてです。具体的な予防法と、酔ってしまったときの対処法をお伺いしました。

(全4回の3回目。1回目を読む2回目を読む4回目を読む。※4回目は公開時よりリンク有効)

細野研二(ほその・けんじ)
「ほその耳鼻咽喉科」院長。日本耳鼻咽喉科学会専門医。2021年に、「ほその耳鼻咽喉科」を開院。2023年より医療法人華美会理事長も兼務。

予防法①:軽い運動をする(約1週間前ごろから)

まずは、乗り物に乗る1週間前くらいから始める予防法は、「軽く運動をする」こと。

「普段あまり運動をしていない子の場合は、軽い運動が効果的です。例えば、ラジオ体操は、頭を振ったり、動かしたりすることで三半規管に刺激を与えられます。

また、30分くらいのウォーキングなどの軽く汗をかくような運動には、自律神経の働きを高める効果があります。親子で一緒に散歩をしてみるといいですね」
(細野先生)

旅行や学校行事などで乗り物に乗る日まで、毎日行うのがポイントです。

予防法②:自律神経を整える&酔い止め薬の服用(前日~乗る前まで)

「乗り物酔いの症状は、自律神経のバランスが乱れたことで生じる」と細野先生。自律神経を整えるにはどうしたらいいのでしょうか。

「睡眠不足は自律神経に影響するので、前日の夜は早めに寝るようにしましょう。空腹や満腹だと乗り物酔いが起こりやすいので、当日は余裕のある時間に起きて、ごはんを軽めに食べておくといいですね。

当日は、体を締めつけるような衣服も避けたほうがいいでしょう」
(細野先生)

次のページへ 乗車30分前にする予防法とは?
24 件