認知度8割・実践4%のワーケーションを「子連れ」でやった賢い工夫

親子deワーケーション主宰・児玉真悠子さん「子連れワーケーションのはじめ方」#1

ワーケーションコンシェルジュ:児玉 真悠子

「公園や児童館は、東京と比べるととにかく人が少ないためのびのびと遊ぶことができました。

ビーチまでは宿から徒歩10分、『萩ジオパーク』を構成する火山・笠山までは車で約20分と、豊かな自然環境が間近にあることも魅力的でしたね。子どもたちは目を輝かせて大喜びでした。

食事は、外食もしつつ、地元のスーパーでお刺身などを購入して宿のキッチンで自炊することも多かったです。

鮮度抜群のお魚が安く手に入り、キャー幸せって(笑)。近所に美味しいパン屋さんを見つけたりと地元グルメを堪能できるのも、暮らすように滞在することのメリットの一つです」(児玉さん)

【児玉さんの1日スケジュール】
5時 起床 
子どもたちが起きるまでは仕事

8時 子どもたちが起床
   朝食 
美術館などの観光や児童館で遊び、児童館で遊んでいる合間に1時間ほど仕事

12時 昼食

13時 ビーチで遊ぶ 

15時 帰宅 
子どもたちは宿題、児玉さんは仕事や読書など自由時間

18時 夕食

21時 就寝

宿の庭では、東京の自宅ではなかなかできないスイカ割りを体験。 写真提供:児玉真悠子

「子どもの預け先」があれば仕事もしやすくなる

夏季休暇を取った夫が後半から加わり子守りを分担できたことで、より仕事がしやすくなったと話す児玉さん。

クルージングや「萩ジオパーク」のツアーに参加するなど、子どもたちも夏休みらしい有意義な時間を過ごすことができたそうです。

子どもたちが参加した萩市ジオパーク推進室主催の「笠山ツアー」での一コマ。約2万5000本のヤブツバキが自生する群生林にて。 写真提供:児玉真悠子

「この時は、萩市に滞在すること自体が仕事でしたから、その点では仕事を完遂することができました。一方で、やはり子どもの預け先がないとフルで仕事をすることは難しいとも感じましたね。

現地の児童館に行けば、子ども向け体験教室の案内が多く出ているのですが、そのほとんどが事前予約制でした。

この時は10日間滞在していたので前半で申し込みをし、後半から参加ができましたが、子どもの預け先を含むこうした情報が事前に分かれば、よりワーケーションがしやすくなると感じました。

また萩市中心部には、藩校明倫館跡地に建つ明倫小学校という公立小学校があります。ここは、毎朝、吉田松陰が残した言葉を朗唱しているという学校で、その歴史もさることながら佇まいもとっても素敵でした。

『この小学校にうちの子たちも通うことができたら、夏休み以外も来たいです』と萩市の方にお話しました。

子どもの預け先の門戸を開いてくれたら、夏・冬休みといった長期休暇以外の時期、つまり観光地にとっての閑散期にも人を呼び込めるのではないかと提案したところ、前向きに受け止めてくれて、小学校であれば教育委員会、保育園であれば福祉課との連携の必要性を語ってくださりました」(児玉さん)。

子連れワーケーションを考えた時に、必ずぶつかるのが子どもの預け先の問題です。「ワーケーションにトライしてみたいものの、子どもがいるから行きづらい……」と躊躇(ちゅうちょ)している人も多いのではないでしょうか。

その問題を解決する手段の一つが「園や小学校での短期体験入学」です。

次回は、児玉さん親子が体験した長崎県五島列島での「短期体験入学」の実態をお伝えします。

取材・文/稲葉美映子

※児玉真悠子さんに教わる「子連れワーケーションのはじめ方」は全3回。
2回目は22年4月9日公開、3回目は4月11日公開予定です。

#2 子連れワーケーションは仕事・子ども・滞在先「三方よし」 

#3 気楽に子連れワーケーション! まず場所を変える・低予算・仕事は半分

18 件
こだま まゆこ

児玉 真悠子

ワーケーションコンシェルジュ

編集者・ライター。株式会社ソトエ代表取締役。一般社団法人日本ワーケーション協会公認ワーケーションコンシェルジュ。慶應義塾大学文学部卒業後、出版社に勤務。ビジネス系出版社で書籍編集を経験した後、2度目の育休を経て独立。2021年2月に株式会社ソトエを立ち上げ、「親子deワーケーション」の企画・運営・発信事業を通じて、仕事と子育てをどちらも大事にできる暮らし方を普及している。 Twitter @mayukoda 親子deワーケーション 

編集者・ライター。株式会社ソトエ代表取締役。一般社団法人日本ワーケーション協会公認ワーケーションコンシェルジュ。慶應義塾大学文学部卒業後、出版社に勤務。ビジネス系出版社で書籍編集を経験した後、2度目の育休を経て独立。2021年2月に株式会社ソトエを立ち上げ、「親子deワーケーション」の企画・運営・発信事業を通じて、仕事と子育てをどちらも大事にできる暮らし方を普及している。 Twitter @mayukoda 親子deワーケーション 

いなば みおこ

稲葉 美映子

ライター

フリーランスの編集者・ライターとして旅、働き方、ライフスタイル、育児ものを中心に、書籍、雑誌、WEBで活動中。保育園児の5歳・1歳の息子あり。趣味は、どこでも一人旅。ポルトガルとインドが好き。息子たちとバックパックを背負って旅することが今の夢。

フリーランスの編集者・ライターとして旅、働き方、ライフスタイル、育児ものを中心に、書籍、雑誌、WEBで活動中。保育園児の5歳・1歳の息子あり。趣味は、どこでも一人旅。ポルトガルとインドが好き。息子たちとバックパックを背負って旅することが今の夢。