子どもに口出ししない? 夏休みを賢く乗り切る「ルール」の作り方・守り方を専門家が伝授
「こどもクリエ塾」代表・遠藤奈央子氏に聞く、夏休みの上手な乗り切り方 前編 子どもに主体性を持たせるルールの作り方
2023.07.08
「こどもクリエ塾」代表:遠藤 奈央子
親は口出ししないほうがうまくいく?
──おっしゃるとおり、つい、親は「よかれ」と思って口に出してしまいがちです。
遠藤さん:親が意見を言ったり、指示をしたりすると、子どもにとってはせっかくの機会も義務になってしまうんですよ。親は自分の意見を言うのではなく、問いかけを通じて、子ども自身で意思決定させられるといいですよね。
というのも、私はこれまで民間学童において、プロジェクト型学習を行ってきました。そこでは学びの目的や約束ごとはあった上で、「自分たちで話し合って決めたことは、好きなことをしてもいい」というスタンスでいるんです。
その場で、例えば私が、「こういうことをしたらどうかな?」と提案するとします。すると、100%子どもたちは私の提案を選ばないのです。これは、子どもたちは言われたことではなく、自分から「見つけた!」と発見できたことに喜びを感じて、それが興味、関心につながっていくからなのでしょう。
──では、子どもに何かを勧めたい場合は、どのような工夫をすればいいでしょうか。
遠藤さん:夏休みに図鑑などを読んでほしいなと親が思っている場合だと、これ見よがしに部屋に図鑑を並べても子どもはきっと手に取らないと思います。
しかし、親が読むような本と一緒に本棚にしまっておいて、子どもが質問をしてきたときに、図鑑を取り出して答えてみます。そしてまた親の棚にしまっておくんです。
これでもうこちらから「図鑑を読んでみたら?」と声をかける必要はありません。いう言葉はひとつ。「ここは、お父さんとお母さんの大切な本棚だからね」と。すると、図鑑は大人が読むほど価値のあるものなんだ、と子どもが気づいてくれ、自然と興味を持つようになるのです。
──さりげなく子どもの興味を引くことが大事なんですね。
遠藤さん:本でも何でも頭ごなしに親が「こうしなさい」と言ってしまうと、好きになるかもしれないきっかけそのものを潰してしまうかもしれません。
長い夏休みだからこそ、子どもが主体性を持って過ごせるような環境をつくることが、親として何より大事だと私は思います。
───◆─────◆───
夏休みを上手く乗り切るためには、子どもが自分で考えて行動できるようにすること。そのために、「事前のルールづくり」や「主体性を引き出すアプローチ」が大事だということを教えていただきました。
2回目は、より具体的な夏休みの過ごし方について、引き続き遠藤さんにお話ししていただきます。
取材・文/山田優子
夏休みの過ごし方は全2回。
後編を読む。
(※後編は2023年7月9日公開。公開日までURLのリンク無効)
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山田 優子
フリーライター。神奈川出身。1980年生まれ。新卒で百貨店内の旅行会社に就職。その後、拠点を大阪に移し、さまざまな業界を経て、2018年にフリーランスへ転向。 現在は、ビジネス系の取材記事制作を中心に活動中。1児の母。
フリーライター。神奈川出身。1980年生まれ。新卒で百貨店内の旅行会社に就職。その後、拠点を大阪に移し、さまざまな業界を経て、2018年にフリーランスへ転向。 現在は、ビジネス系の取材記事制作を中心に活動中。1児の母。
遠藤 奈央子
民間学童「こどもクリエ塾」代表。(株)ビジョンゲート代表取締役。非営利型一般社団法人学童ナビ研究所理事長。 一般社団法人民間学童保育協会設立代表理事。社会福祉士。 リクルートにて人材採用と教育を提案する法人営業を担当、2007年よりIBMビジネスコンサルティングサービス(現IBM)で戦略コンサルタントに従事したのち、2011年4月民間学童保育「こどもクリエ塾(ビル・ゲイツ氏財団エドビジョン型プロジェクト・ベース学習を導入)」設立。 現在、表参道・白金台・茗荷谷・四谷・日本橋で5校を運営。さらにタイ・バンコクに日本人と多国籍を対象としたKidsClieを開校。日々現場で子どもと共に学びあう、教育者としての顔を持つ事業家。直接指導した子どもは延べ2000人を超える。 主な著書に『「自分でできる子」に育つ 放課後時間の過ごし方 ほめる・𠮟る・見守る 親も育つ』(講談社)がある。 Twitter @endonaoko1
民間学童「こどもクリエ塾」代表。(株)ビジョンゲート代表取締役。非営利型一般社団法人学童ナビ研究所理事長。 一般社団法人民間学童保育協会設立代表理事。社会福祉士。 リクルートにて人材採用と教育を提案する法人営業を担当、2007年よりIBMビジネスコンサルティングサービス(現IBM)で戦略コンサルタントに従事したのち、2011年4月民間学童保育「こどもクリエ塾(ビル・ゲイツ氏財団エドビジョン型プロジェクト・ベース学習を導入)」設立。 現在、表参道・白金台・茗荷谷・四谷・日本橋で5校を運営。さらにタイ・バンコクに日本人と多国籍を対象としたKidsClieを開校。日々現場で子どもと共に学びあう、教育者としての顔を持つ事業家。直接指導した子どもは延べ2000人を超える。 主な著書に『「自分でできる子」に育つ 放課後時間の過ごし方 ほめる・𠮟る・見守る 親も育つ』(講談社)がある。 Twitter @endonaoko1