「つわりの乗り切り方」管理栄養士が「妊娠中は食べられるものを」と説く理由
管理栄養士・岩見真由美さん「妊娠中の食生活」で知っておきたいこと #2 妊娠の時期別・食事のポイントとつわりの乗り切り方
2023.10.24
管理栄養士:岩見 真由美
妊娠中期 妊娠14~27週
妊娠中期になると、つわりがおさまって食欲が戻ってくることから、外食を楽しむママもいるかと思います。外食では、塩分や脂質の摂りすぎには注意しましょう。
妊娠中期に必要な1日のエネルギー量は、妊娠前の「+250kcal」。妊娠前の推定エネルギー必要量に250kcalを足したものになります。
18~29歳:2250kcal
30~49歳:2300kcal
250kcal分を補うには、たんぱく質を多く含む食材を1つ、野菜のおかず1品、果物を1種類組み合わせて、1日の中で摂れるといいですね。
たんぱく質/カルシウム/鉄 妊娠中期で摂りたい3つ
また、妊娠中期で特に意識して摂りたい栄養素は「たんぱく質」「カルシウム」「鉄」です。
この時期のおなかの赤ちゃんは、骨格がしっかりしてきて、筋肉や皮下脂肪がついてきます。赤ちゃんの発育を助けるたんぱく質やカルシウムを積極的に摂ることが大切。そして、ママの身体は、赤ちゃんに栄養を運ぶための血液量が増えるため、貧血傾向に。鉄分を多く含む食材もなるべく摂り、貧血対策をしましょう。
【たんぱく質】
肉や魚、卵、大豆製品、乳製品に多く含まれています。
【カルシウム】
乳製品から摂るカルシウムが最も吸収率がよく、加熱しても栄養成分がほとんど変わりません。カルシウムは妊娠期には吸収率が高まりますが、不足しがちな栄養素なので意識して摂りましょう。
【鉄】
鉄は吸収率が低い栄養素の一つです。赤身の肉や魚、しじみ、あさりなどに多く含まれています。吸収を高めるビタミンCと一緒に摂るのが効果的です。
妊娠中期 副菜やおやつで栄養プラス
たんぱく質や鉄分を積極的に摂るために、主菜の肉や魚の量を妊娠初期より一口分増やすとよいでしょう。
①サラダにたんぱく質の多い食材を足す
オムライスやパスタなどの単品メニューに、ツナやサラダチキンをのせたサラダをつけると、副菜でたんぱく質量がアップ。
②おやつにカルシウムの多い食材を選ぶ
ヨーグルト、煮干し、そのまま食べられる大豆などをおやつに食べると、カルシウムを補えます。カルシウムを添加した牛乳やヨーグルトを選ぶのもおすすめです。
③鉄の吸収率アップには酸っぱいものと一緒に
柑橘類や酢の物など、酸味のあるものをよく嚙んで食べると、胃酸の分泌が促され、鉄の吸収率が高まるといわれています。赤身の肉を使ったおかずを食べる際には、酢の物などを合わせてみてください。鉄分を添加した牛乳やヨーグルトもあるので、おやつに摂っても。