「つわりの乗り切り方」管理栄養士が「妊娠中は食べられるものを」と説く理由

管理栄養士・岩見真由美さん「妊娠中の食生活」で知っておきたいこと #2 妊娠の時期別・食事のポイントとつわりの乗り切り方

管理栄養士:岩見 真由美

妊娠後期 28~39週 

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妊娠後期になると、おなかがどんどん大きくなり、出産の準備に入ります。出産には体力が必要であるため、バランスのよい食事を摂って、適度な運動で体力をつけましょう。安定した気持ちでいることも大切です。

妊娠後期に必要な1日のエネルギー量は、妊娠前の「+450kcal」。妊娠前の推定エネルギー必要量に450kcalを足したものになります。

18~29歳:2450kcal
30~49歳:2500kcal


450kcal分を補うには、主食を軽く1食分と、たんぱく質を多く含む食材を1つ、野菜のおかず1品、牛乳・乳製品を1種類、果物を1種類1日の中で摂る必要があります。

妊娠後期は中期より、必要なたんぱく質量がさらに増えます。主菜だけでなく、副菜や汁物にもたんぱく質の多い食材を入れるのもおすすめです。

カリウムは妊娠後期で摂りたい栄養素

大きくなった子宮が静脈を圧迫することで、下半身がむくみやすくなります。塩分の摂りすぎは妊娠高血圧症候群にもつながるため、うす味を心がけ、塩分の排出を促す「カリウム」も意識して摂るようにしましょう。

【カリウム】
カリウムは塩分の排出を促し、むくみの予防に効果的です。主に野菜や果物、いも類などの植物性食品に多く含まれています。水に溶けやすい性質であるため、野菜たっぷりの汁物を汁ごと食べると、汁に溶け出たカリウムも一緒に摂れます。

妊娠後期の栄養 乗り切り方2つ

「おなかの赤ちゃんのために」と思って、食事の用意をがんばりすぎてしまうとストレスのもとになることも。疲れたときや、時間がないときは、市販食品を利用するのも一手です。

①市販食品にちょい足しして足りない栄養素を補う
妊娠後期はおなかが大きくなり、動きづらくなります。ごはん作りをはじめ、ひとつひとつの作業も大変に。
そんなときは、市販食品を使いましょう。摂りたい食材をちょい足しすれば、簡単に栄養も補えます。

・冷凍のチャーハンやピラフにしめじを足して、卵でくるんでオムライスに
・レトルトのカレーやパスタソースに炒めた野菜やお肉を足す
・インスタントの汁物に冷凍野菜を足す

②妊娠後期は積極的にたんぱく質を
妊娠初期では1日あたりのたんぱく質推奨摂取量は「50g」ですが、妊娠後期になると「75g」に! たんぱく質25gは、例えば鶏むね肉(生・若鶏・皮なし)だと約100g。結構な量を食べなければいけません。副菜のサラダや煮物にも、たんぱく質を積極的に足すようにしましょう。

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妊娠中は、日々の健康と食生活を見直すよいチャンスです。ママの産後の健康管理や、おなかの赤ちゃんが生まれてから、成長する過程での食事作りにも役立ちます。

手軽に使える市販品や冷凍食品なども活用しながら、おなかの赤ちゃんと一緒に妊娠中の食事を楽しみましょうね。

次回3回目では、妊娠中のおやつの選び方と手作りレシピについてお話しします。

監修・文/岩見真由美(メディペン)

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いわみ まゆみ

岩見 真由美

Iwami Mayumi
管理栄養士

管理栄養士・健康運動指導士。特定保健指導では生活習慣見直しのアドバイスを、介護予防事業では高齢者のフレイル予防(加齢による寝たきりの予防)と、食事と運動の両面からアプローチする指導を行っている。 2020年4月よりライターとしても活動。ヘルスケア系の記事を中心に執筆中。

管理栄養士・健康運動指導士。特定保健指導では生活習慣見直しのアドバイスを、介護予防事業では高齢者のフレイル予防(加齢による寝たきりの予防)と、食事と運動の両面からアプローチする指導を行っている。 2020年4月よりライターとしても活動。ヘルスケア系の記事を中心に執筆中。

メディペン

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医療ライターズ事務所

医療ライターズ事務所。 看護師、管理栄養士、薬剤師など、有医資格者のライターが在籍。 エビデンスに基づいた医療記事を得意とするほか、医療×他業種の記事を手掛ける。 産婦人科関連、小児科、皮膚科、医療系セミナーレポートや看護師専門サイトの記事の実績多数。 medipen

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