眠りたいけど、食事や掃除、育児をしなければならないから眠れない。
そう思って、睡眠時間を削ってまで一人ですべてを完璧にこなそうとするママは意外と多いでしょう。しかしそうした生活を続けていると、だんだんと苦しくなり、育児を楽しめなくなったり、子どものことをかわいいと思えなくなってしまうこともあります。
「ママがしっかり眠ることは、家族の幸せにつながります」と、話すのは乳幼児睡眠コンサルタントの愛波あやさん。寝不足が続き、育児ノイローゼ・産後うつ状態になった経験があるため、ママにこそ睡眠をとってほしいと言います。
連載第3回では、愛波さんの経験談を交えながら、睡眠時間をつくるコツをお伝えします。
(全3回の3回目。1回目を読む。2回目を読む)
まずは「完璧」をやめることから始めよう
睡眠時間を少しでも増やすコツをお伝えする前に、何より大切な“マインド”について私自身のエピソードを交えながらお伝えします。
私は、子育てを経験するまでは完璧主義でした。長男が生まれた当初は、食べ終わった食器がそのまま置いてあることや洗濯物がたまっていることにも耐えられませんでした。また、子どもの食事にもこだわるあまり、電子レンジを使うこと、離乳食を冷凍することすら許せない……という始末。
便の色から赤ちゃんの体調がわかるという「便の色チャート」を印刷して、オムツ替えのときに毎回チェックしていたこともありました。
最初は頑張れるものの、こんなに無理をしていては身体も心も持ちません。だんだんと自分自身が苦しくなっていき、育児もまったく楽しめなくなってしまいました。今思えば、育児ノイローゼのような状態だったと思います。
ターニングポイントになったのは、同じ月齢の子どもを持つ外国人のママ友と会ったことでした。てっきり「寝不足で辛いよね」といった共感が得られると思っていたら、「あや、そんなんじゃダメだよ。ママがハッピーじゃなきゃ、子どももハッピーじゃないよ!」と怒られたんです。
晴天の霹靂とはこのこと。でもこれがきっかけでようやく、「ママがハッピーじゃないと、子どももハッピーになれない」ということに気づけました。すると、不思議と肩の荷が下りて気が楽になり、子育てがだんだんと楽しくなっていったのです。
ママが頑張りすぎてしまうのも、子どもを思うからこそ。しかしまずは、「ママの幸せが子どものためになる」と考え方を切り替えてみてください。